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迷わせないマニュアル・ガイド作りの視点④
情報量は多い方が良い?~書かない勇気~

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2026.9.14

迷わせないマニュアル・ガイド作りの視点④情報量は多い方が良い?~書かない勇気~

迷わせないマニュアル・ガイド作りの視点④ 情報量は多い方が良い? ~書かない勇気~

※ 簡易マニュアルやスタートガイドなど、目的を絞った資料について、お伝えします。(製品マニュアルなど、全機能を網羅する必要がある資料は対象外です)

問い合わせが発生すると、「マニュアルの説明が足りないのではないか」と考え、「この説明も追加しよう」「注意事項もさらに詳しく載せておこう」「例外パターンも載せておこう」と考えることも少なくありません。

もちろん、利用者が知りたい情報がどこにも掲載されていないのであれば、まずは情報を追加する必要があります。また、説明の内容が分かりにくかったり、誤解を招いたりしているのであれば、説明方法を見直すことも重要です。

しかし、必要な情報が掲載されているにもかかわらず、「見つけられない」「自分に関係する内容が分からない」といった理由で、利用者が迷ってしまうこともあります。

そのような場合、マニュアルへさらに情報を追加するだけでは解決につながらないかもしれません。

状況によって、「タイトルを変更する」「追加の資料を作る」「検索できる仕組みを考える」「構成を再検討する」「マニュアルの形式を変更する」など、より良い解決方法を検討する必要がありますが、製品の機能や活用方法を知っているほど、「この情報も伝えたい」と考えてしまうんですよね…。わかります。情報を増やせば増やすほど使いやすくなるとは限りません。

今回は、大掛かりに何かを変更しようという話ではなく、情報を追記する際に「何を書くか」だけではなく、「何を書かないか」という視点から、利用者向けの情報提供について考えてみたいと思います。

「この情報も伝えたい」と考えてしまうときに、一度立ち止まって考えたいポイントを紹介します。

目次

1. 情報を増やすことで起きること

1. 情報を増やすことで起きること

情報を追加すると、

・マニュアルが長くなる、ページ数が増える
・必要な情報を探しにくくなる
・重要な情報が埋もれてしまう
・読み手の負担が増える

といったこともあります。

利用者にとって重要なのは、情報量ではなく「目的を達成するために必要な情報」を「必要なときに見つけられる」ことです。

2. なぜ情報を追加したくなるのか

情報を追加したくなるのには理由があります。

・利用者に失敗してほしくない。
・問い合わせを減らしたい。
・便利な機能を知ってほしい。
・将来困らないようにしておきたい。

どれも大切な考え方です。

問い合わせが発生すると、その内容をマニュアルへ反映したくなることがあります。

しかし、その問い合わせが他の利用者にも共通する課題なのか、一部の利用者だけが困る内容なのかは、分けて考える必要があります。

3. 利用者は何をしたいのか

例えば、利用者が知りたいのは、機能の詳細な仕様ではなく、自分の目的を達成するために必要な情報である場合も少なくありません。

例えば、次のような目的だったりします。

・ログインしたい
・申請したい
・エラーを解消したい
・担当している業務を完了したい
・正しい手順で設備を操作したい
など

「この機能を説明したい」という作る側(伝える側)の視点だけではなく、「利用者は何をしたいのか」という視点で情報を整理することも大切です。

4. 情報を追加することが最適とは限らない

利用頻度が低い情報、利用者にとって不要な詳細情報、今の目的には関係のない説明など、これらをすべて盛り込むと、かえって重要な情報が見つけにくくなることがあります。

「書かない」と判断することは、少し勇気が必要な場合もあるかもしれませんが、情報を追加しないことが、利用者にとって良い結果につながることもあります。

4-1. 本当に追記が必要かを考えてみる

まずは「本当に追記が必要なのか」を確認してみましょう。

Step 1:利用者が知りたい情報は、本当に掲載されている?
掲載されていない → 情報を追加する
掲載されている → Step 2へ

Step 2:本当に掲載する必要があるかを考える
問い合わせの内容によって、対応方法はいろいろありますが、まずは情報を追加する前に、一度立ち止まり、その情報が本当に利用者に必要なのかを考えてみましょう。

・この情報がなくても、利用者は迷わずに目的を達成できるか
・利用者は今この情報を必要としているか
・この情報を追加すると、本当に分かりやすくなるか
・利用者が今知りたい内容よりも目立ってしまわないか
・利用者が知りたい情報なのか
・作る側(伝える側)が伝えたい情報なのか

その結果、

・利用者にとって今必要な情報であれば掲載する
・別の方法の方が伝わりやすいのであれば、FAQやガイドなど別の方法を検討する
・今の利用目的には必要ないと判断した場合は、掲載しない

という選択も考えられます。

4-1. 本当に追記が必要かを考えてみる

4-2. 書かない情報はどうする?

「書かないと決めた内容、本当に書かなくても大丈夫?」と思われますよね。
製品マニュアルなどは、機能や仕様を網羅した資料(全機能網羅型のマニュアル)として作られていることが多いと思います。

ここでいう「書かない」は、必要な情報をなくしてしまうという意味ではありません。
利用者に必要な情報がどこにも掲載されていないのであれば、まず情報を補う必要があります。
一方で、必要な情報であっても、単純に追記するだけが解決策とは限りません。
書く内容を絞って、補足情報や使用頻度が低い内容は、記載場所を変えるなどの対応でも伝わりやすい場合もあります。

「少し情報量が多いかもしれないな」「今これを求めている人少ないんだろうな」「でも知っていると便利なんだよね…」「この情報はぜひ伝えたい」などと思っている場合で、同じドキュメント内に追記する必要がないのであれば、書く内容や状況によって、別の方法で提供するという選択肢もあるかもしれません。

例えば、同じ問い合わせが何度も発生するならFAQの方が適していることがあります。
業務全体の考え方や流れを伝えたいのであれば、ガイドの方が分かりやすいかもしれません。
利用場面や操作イメージを伝えたいのであれば、動画が有効な場合もあります。
その熱い思い、伝えることまであきらめる必要はありません。

5. まとめ

マニュアルへの追記は有効な改善策のひとつです。
しかし、情報を追加すればするほど使いやすくなるとは限りません。

大切なのは、
・利用者が何をしたいのか
・どの方法なら伝わるのか
・その情報は本当に今伝える必要があるのか
を考えることです。

「何を書かないか」を判断するのは、書く以上に難しい作業です。特に、日々製品や業務に向き合っている担当者ほど、客観的に情報を絞り込むことが難しくなりがちです。
そのようなときは、第三者の視点を取り入れてみるのもよいかもしれません。

情報を選ぶ基準についてお伝えしました。
次回は、「作る側(伝える側)と利用者の認識のずれ」について考えてみたいと思います。

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