
企業において、業務の属人化や品質の標準化に欠かせないマニュアル。しかし、「どのように作ればいいか分からない」「作ったけど使われない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、215社・2,800件以上の作成実績を持つマニュアル作成のプロフェッショナルが、「失敗しないマニュアルの作り方」を具体的に解説します。
この記事の結論
【設計】いきなり書き出さず、まずは作成の目的と目次を固める
【作成】一文一義と画像の活用で、読み手の認知負荷を下げる
【運用】作成と同時に、管理体制と更新ルールを決める
本記事では、具体的な5つの作成手順から、陥りがちな失敗例とその対策、そしてマニュアル運用のコツまでを網羅的に解説します。
- 目次
1. マニュアル作成の手順

早速、マニュアル作成の具体的な手順について解説します。
マニュアル作成は、以下の5つのステップで進めます。
① マニュアルの利用者・利用目的を決める
② マニュアルに盛り込む情報を整理する
③ マニュアルの構成・見出しを作成する
④ マニュアルを作成する
⑤ マニュアルを配布・更新する
ここでは、各ステップの具体的な進め方を解説します。
① マニュアルの利用者・利用目的を決める(5W1Hの明確化)
最初のステップとして、マニュアルの利用者や利用目的を決めます。
「何のために」「誰に」など、このマニュアルの役割・目的を明確にしましょう。
② マニュアルに盛り込む情報を整理する
次に、マニュアルに盛り込む情報を整理します。手順を確認し、作業上の注意事項や、ポイントになる事項を漏れなく洗い出しましょう。
💡プロの実践ノウハウ:
いきなり手順を書き始めるのは失敗の元です。
例えば、当社が業務マニュアルの作成をサポートする際は、以下のような「業務整理シート」を作成し、業務に関する「5W1H」を明確にします。
Who(誰が):その業務を行うのは誰か?担当者、承認者、確認者は誰か?
What(何を):その業務で扱う対象は何か?作成物、入力内容、確認項目は何か?
Why(なぜ):その業務は何のために行うのか?目的や必要性は何か?
When(いつ):その業務はいつ行うのか?実施タイミングやトリガー、頻度は?
Where(どこで):その業務はどこで行うのか?場所、環境はどこか?
How(どのように):その業務はどのような手順で行うのか?使用ツールや注意点は何か?
③マニュアルの構成と見出し(目次)を作成する
次に、何を、どのような単位と順番で、どのようなタイトルを付けて並べるか「目次案」を作成します。マニュアルの成否は、このマニュアルの目次次第で決まると言っても過言ではありません。目次の作り方によって、探している情報が見つけやすくも、見つけにくくもなります。
④マニュアル本文を作成する
目次が作成できたら、本文を作成します。 分かりやすいマニュアルにするためのポイントは以下の3つです。
1. 画像や写真、動画を活用する
百聞は一見に如かず!誰が見ても分かりやすいように、画像や表などを積極的に活用していきましょう。
2. 作業の目的や理由を記載する
熟練者にとっては作業の目的は明白かもしれませんが、初心者にとっては違います。また、「なぜこの作業をするのか」という理由を書くと、業務内容への理解が深まります。
3. 検索をしやすくする
見出しや本文にキーワードを記載し、初めてマニュアルを目にした人でも必要な情報をすぐに発見できるようにします。キーワードを入れることで、情報の探しやすさを向上させることができます。
以上のポイントを考慮してマニュアルを一通り作成した後は、マニュアルを最初から最後まで読んでチェックします。マニュアルを読みながら実際の作業を行ってみてもよいでしょう。
マニュアルを作っているときは、説明を書くことに集中していて、思わぬ点を見落としてしまうことがあります。いったん作成者の目線から離れて、手順の説明に不足がないか、誤りがないか、誤解されるような表現がないかをチェックし、マニュアルの完成度を高めましょう。
⑤マニュアルを配布・更新する
完成したマニュアルを現場に配布します。
マニュアルは、情報が最新で信頼できることに価値があります。現場からの声や作業内容の刷新などが発生した際は、スムーズにマニュアルを更新できるようルールを定めておきましょう(詳細は、次の2章で解説します)。
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業務マニュアル作成6つのポイント
2. 失敗しないマニュアル作りのポイント!

この章では、マニュアル作りにおいて陥りがちな6つの失敗例と、それを防ぐためのポイントを紹介します。
失敗例①:見づらく、読みづらい
誤字脱字が多い、レイアウトに規則性がなく文章がビッシリ詰まっていて読みづらいマニュアルは、信頼性も低くなり読まれません。
【対策】認知負荷を下げる「見やすく読みやすい」マニュアル
読み手が直感的に内容を理解でき、迷わない(=認知負荷が低い)状態を作ります。具体的には、以下の3つのポイントを押さえましょう。
1. テンプレートを活用し法則性を持たせる
全ページを通じて「タイトルはここ、画像は左、説明は右」などレイアウトの法則が統一されていると、読み手は必要な情報を一瞬で探し出せるようになります。
2. 一文一義にする
長々と文章で説明するのではなく、「①〇〇を開く」「②××を入力する」と動作単位で短く区切ることで、作業中の読み飛ばしや手順の抜け漏れを防ぎます。
3. 表記ゆれをなくす
「クリックする」と「押す」など、同じ意味の動作で違う言葉が使われていると、読み手に無用な混乱を与えてしまいます。
プロの実践ノウハウ
当社がマニュアルを作成する際、読みやすさを担保するために以下のようなルールを設定しています。
・注意や補足のスタイル化:注意や補足の表示スタイルを設定することで、読み手にとって読みやすく、見落としづらいマニュアルにする。
・用語集の作成:社内用語やシステム特有の略語は、新入社員が読んでも迷わないよう、マニュアルの冒頭や末尾に「用語の定義」としてまとめる。
こうした細かなルールの積み重ねが、「誰が読んでも同じように理解できる」高品質なマニュアルを生み出します。
失敗例②:どこに何が書かれているか分からない
2つ目の失敗例は、どこに何が書かれているか分からないマニュアルです。マニュアルには、困ったときの解決策となる役割があります。それなのに、困ったときの解決策が見つかりづらかったら、どうでしょうか。マニュアルが頼りにされなくなり、マニュアルの必要性を感じてもらえなくなります。
【対策】分かりやすい目次と見出しを作成する
目的のページを探す場合、多くの人が目次から目当てのページを探します。そのため、目次と見出しの付け方に気をつける必要があります。目的別の目次を作る、機能別の目次を作る、困ったときに見る項目を配置するなど、利用者が何を探したいかをよく考えて、目次と見出しを作成するようにします。
失敗例③:業務マニュアルが社内に散在している
3つ目の失敗例は、業務マニュアルが散在していることです。複数のマニュアルがあちこちにあると、どのマニュアルを参照すればよいのか分かりません。また、情報の検索に時間がかかるというデメリットもあります。
管理運用体制が整備されていないと、マニュアルが社内に散在してしまい、マニュアルの更新が漏れる原因になります。
【対策】管理運用方法を統一する
管理者を定め、管理運用方法を社内で統一します。複数の部署やチームに管理運用がまたがっている場合には、ルール等を策定しましょう。
失敗例④:マニュアルが更新されない
4つ目の失敗例は、マニュアルの内容が更新されず古い情報のまま放置されていることです。業務手順の変更や新しいシステムの導入があったにもかかわらずマニュアルが未更新だと、実際の業務内容と乖離が生じてしまいます。結果として、マニュアル通りに作業をしてもミスが起きたり、結局他の人に正しいやり方を聞き直す手間が発生したりします。こうなるとマニュアルに対する現場の信頼が失われ、次第に誰も使わなくなってしまうでしょう。
【対策】更新のルールや運用方法を決める
マニュアルが未更新になる根本的な原因は、更新ルールや運用方法が定まっていないことです。まずは更新をするタイミングや更新担当者、更新内容をチェックする担当者を決めるなど基本的なルールを定めておきましょう。業務の変更が発生した場合にマニュアルを更新する必要があるか否かを決める担当者がいると、さらにスムーズな運用となります。
失敗例⑤:リソースが足りずに、マニュアル作成が頓挫する
5つ目の失敗例はリソース不足です。業務マニュアルは想像以上に、人的要員を必要とします。担当者の異動、業務の繁忙状況により、マニュアル作成が頓挫するケースが後を絶ちません。
【対策】チームとして作成に取り組む、もしくはアウトソースする
失敗しないためのポイントとしては、チームとしてマニュアル作成に取り組むことです。一人や二人など少人数で取り組んでいては、負担が大きいため作業は中々進まないことでしょう。ですが、チームで取り組むことでマニュアル作成の効率は大幅に上がります。また多くの人の目に触れることで、洗練されたマニュアルに近づきます。
もう一つのポイントはアウトソーシングです。リソース不足でマニュアル作りが頓挫するのであれば、アウトソーシングも視野に入れましょう。
失敗例⑥:マニュアル作成が後回しになる
最後の失敗例は、マニュアル作成が後回しになり、想定より完成までに時間がかかってしまうことです。本当にマニュアルが必要な時期にリリースが間に合わないといった事態になりかねません。
【対策】事前に完成するまでのスケジュールを決めておく
作成を開始する前に、完成までのスケジュールを決めておきます。マニュアルをリリースしたい時期を決め、そこから逆算して全体スケジュールを決めることが大切です。
例えば新入社員向けのマニュアルであれば、新入社員が入社する4月までには完成させておく必要があるので、3月中旬頃の完成を目指します。
マニュアルを作成するための以下のような工程にそれぞれどのくらいの期間が必要なのか、そのためにはいつからマニュアル作成を始めなくてはいけないのかを検討します。
・マニュアルの範囲(新入社員に対して、何を、どこまで教えるマニュアルにするか)
・マニュアルの体裁(ファイル形式、デザインなど)
・記載する内容と、記載の順番(マニュアルの範囲に沿って、どのような目次にして、どんな内容を載せるか)
・使用する資料の収集
・内容の作成
・関係者の確認・フィードバック(誰に確認してもらうかの検討も必要)、フィードバックの反映・仕上げ
作成にかかる時間だけでなく、業務の繁忙期も考慮して無理のない予定を立て、スケジュールに従って進行できるように努めましょう。繁忙期をあらかじめスケジュールに組み込んでおけば、マニュアル作成の時間を確保しやすくなります。
3. 活用されるマニュアルにするために!マニュアル運用のポイント

マニュアルは完成すれば、それで終わりではありません。広くマニュアルを使ってもらって初めて効果があります。そのため、この章では、マニュアル運用ルール作成のポイントについてもご紹介いたします。
ポイント①:関係者にマニュアルの重要性を理解してもらう
マニュアルが業務の標準化や効率化のために重要であることを、関係者に理解してもらいましょう。部署で使用するマニュアルであれば、ミーティングでマニュアルの目的やメリットを説明します。
マニュアル作成者自身がその重要性をしっかり認識することも必要です。
ある企業では、業務の属人化が問題になっていました。自身の担当業務をマニュアルにまとめるよう会社から指示された担当者は、細かい点も含めて業務を洗い出すこと、他の社員にも分かりやすい形で情報をまとめることが、業務手順の見直しや効率化にもつながることに気付いたそうです。その結果、マニュアルが業務に役立つという実感を持って、作成したマニュアルを周知できるようになりました。
ポイント②:分かりやすい場所に保管する
充実した内容のマニュアルを作っても、どこに保管されているのか分からないと読んでもらえません。
部署やチームで使っている共有フォルダなどに分かりやすい名称で保管し、マニュアルについて周知するときは、どこに保管されているかも必ず知らせるようにしましょう。
ポイント③:定期的に更新・改善する
業務内容や進め方は日々変化するため、マニュアルの内容を定期的に見直し、最新の情報に更新しましょう。
現場からの要望を拾い上げるためには、口頭での報告を待つだけでなく、マニュアル内に「フィードバックの仕組み」を埋め込むのが効果的です。
💡プロの実践ノウハウ
・「記載内容の誤りや改善要望はこちら」といった専用の申請フォーム(Googleフォームなど)へのリンクを貼る
・定期的にマニュアルの利用者に対し、アンケートを実施する
こうした仕組みを設けることで、利用者が「自分たちでマニュアルを育てている」という参加意識を持ちやすくなり、マニュアルが現場に定着するサイクルが生まれます。
4. (参考)そもそもマニュアルとは?何のために作るのか?

最後に、マニュアルとは何か、何のために作るのかを解説します。
そもそもマニュアルとは?
マニュアルを日本語に訳すと、「手引き」、「取扱説明書」、「手順書」などのように表現されます。業務や作業の進め方、手順、注意点をまとめた資料がマニュアルです。また、組織内の知識やノウハウをマニュアルにまとめ、社員間での情報共有に使うこともあります。
業務の進め方を説明する場合は「業務手順書」「業務手引書」、システムやソフトウェアの使い方を説明する場合は「取扱説明書」「操作マニュアル」などのように呼ばれることが多いです。
マニュアルと手順書の違いは?
マニュアルは、業務や作業に関する内容を包括的に説明する文書です。手順や操作方法だけでなく、業務の概要や注意事項、必要に応じてトラブルシューティングについても説明します。一方、手順書は、特定の作業や操作について、具体的で詳細な内容を説明する文書です。マニュアルが概要・背景も含めた全体的な理解を促すためのものであるのに対して、手順書は実際の作業・操作を正確に、効率的に行うための手順を説明するものです。
手順書は、マニュアルの一部として提供されることもよくあります。
マニュアルの目的は?
企業内におけるマニュアルの目的は、業務を標準化すること、つまり、業務の質を一定の水準まで引き上げ、その状態を保つことです。マニュアルの具体的な目的を見ていきましょう。
① 業務の標準化
業務の標準化以外にもマニュアルには、様々なメリットがあります。
② 教育コストの削減
業務について説明するマニュアルがあることで、教育コストを削減することができます。 例えば、新入社員に口頭で、一から仕事を教えていては大変な労力がかかります。事前にマニュアルを読んでもらうことで、少なくとも一から十まで教える必要はなくなります。
③ 業務の属人化の防止
マニュアルには業務の手順や注意点を多くの方に理解してもらうことで、業務の属人化を防ぐ役割があります。特定の人物しかできない仕事というのは企業にとって、事業継続の観点からは、リスクでしかありません。このようなリスクを防ぐためにも、マニュアルで業務の標準化を図ることが重要です。
④ 業務の全体像の把握
マニュアルを確認することで、業務の全体像を把握することができます。業務の習熟度が不足している新入社員も、マニュアルを読めば業務についてある程度理解することができます。 また業務全体をマニュアルにまとめることで、業務内容を見直すきっかけにもなります。業務全体のフローを体系化して関係者と共有すれば、それぞれの役割が可視化されます。その結果、ひとつのフローに作業量が集中していたり、無駄なフローがあったりする箇所を洗い出すことができ、業務の効率化にもつながります。
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マニュアルを効果的に運用させる管理方法とは5. まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は失敗しないマニュアルの作り方を中心にご紹介しました。マニュアルの失敗例をいくつか紹介しましたが、対策は実にシンプルな方法ばかりです。
マニュアルは働き方改革やリモートワークが進む現代社会において、より重要性を増していくことは間違いないでしょう。
とはいえ、重要性は理解しているが、作るのは難しいと感じている方も多いと思います。
特に通常業務と並行してのマニュアル作成は大変です。そこでオススメなのがマニュアルの作成のアウトソーシングです。特にマニュアル作成専門のプロに任せることをおススメします。
数あるマニュアル作成会社の中で、最もオススメなのが「ヒューマンサイエンス」です。 ヒューマンサイエンスは215社・2854件のマニュアル作成実績を持つ、業務マニュアル作成のプロフェッショナルです。ヒューマンサイエンスをオススメする理由3つをご紹介します。
理由①:専門コンサルタントによるマニュアル作成
専門コンサルタントがマニュアル作成対象の調査からマニュアル作成まで行います。
作成対象の資料がない場合でも、ヒアリングからマニュアル作成までを手掛けてくれます。
またマニュアル改善も専門コンサルタントが手掛けており、マニュアルのあるべき姿を追求しています。
理由②:マニュアル化だけでなく、定着支援も行っている
ヒューマンサイエンスは、マニュアル作成以降の大事なフェーズである”定着化”も行います。マニュアルの定期的な更新の支援やマニュアル作成セミナーの実施など、様々な施策を打つことで、現場にマニュアルが定着していくようにアプローチします。
理由③:動画コンテンツの作成
ヒューマンサイエンスは、動画コンテンツの企画から、撮影、コンテンツ化までを行います。YouTubeなど、動画との親和性が高い現代においては、「読む」マニュアルだけでなく、「見る」マニュアルも効果的です。
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