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業務の属人化の原因とリスク、解消方法とは?事例を交えて解説します!

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2024.12.16

業務の属人化の原因とリスク、解消方法とは?事例を交えて解説します!

こんにちは!コンサルタントのSです。
普段は、製造業界や人材業界の企業様に対して、マニュアルの作成・改善プロジェクトを担当しています。
今回は、「業務の属人化」についてブログを書きます。製造業や人材業界では、ベテラン社員の退職や急な欠勤により業務が滞る、新人教育に時間がかかりすぎる、特定の社員に負荷が集中するなどの、「業務の属人化」による様々な課題を抱えている企業が多く存在します。

私は普段、これらの企業様に対してマニュアルの作成・改善プロジェクトを担当し、業務の属人化の解消をサポートしています。

「業務の属人化」について掘り下げながら、後半では実際に弊社が業務の属人化の解消に取り組んだ具体的な事例をご紹介させていただきます。

目次

1.業務が属人化する原因とは?

1-1. 業務の属人化とは?

まず、業務の属人化とは、どのような状態のことか見ていきましょう。

業務の属人化とは、特定の業務を特定の人しか把握していない状態のことを指します。この状態では、業務の進め方や普段業務を行っている人にしか詳細が分からないため、その人がいなければ業務が止まってしまうことがあります。属人化している業務は、きちんと引き継ぎがされていなければ、他の人が代行で作業をすることが難しく、結果的に会社全体の生産性を下げる要因となります。

では、業務の属人化は、どのような原因で起きるのでしょうか?

1-2. 業務が属人化する原因

属人化の原因は主に次のようなものがあります。

• 専門性が高い

業務内容が非常に専門的で、他の人に共有するのが難しい場合、特定の人に業務が属人化してしまいます。特に技術的なスキルが必要な業務では、スキルを持っている人が限られているため、属人化が起こりやすくなります。

• 業務に手一杯である

本来の業務に時間を取られ、教育や情報共有に時間を割く余裕がないことも原因です。日々の業務に追われ、後任や同僚に業務内容を教えることが後回しになりがちです。

• 情報共有の取り組みが評価されにくい

属人化の解消に向けて、情報共有の方法やルールを整備する、新人教育用のコンテンツを準備するなどの取り組みが、会社内で十分に評価されないこともひとつの原因となります。こういった取り組みが評価されないと、優先順位も低くなり、業務が属人化している状況が放置されてしまいます。

• 社内での地位を守りたい社員がいる

一部の社員は、自分の業務を他の人に共有することで、自分の価値が下がるのではないかと考えることがあります。そのため、意図的に業務を属人化させ、自分の立場を強化することもあります。

業務の属人化は、これらの原因がいくつも絡み合って起こるケースが多いです。
例えば、ある製造現場では、次のような原因が絡み合って業務の属人化が進んでいました。

• 「早く成果を出したい」という焦りから、手順書作成よりも目の前の作業を優先してしまう
• その結果、属人的な作業手順が定着し、他メンバーへの引き継ぎが困難になってしまう
• 引き継ぎの困難さから、特定社員への依存がさらに強まる
• 業務過多となった当該社員は、教育や情報共有の時間が取れなくなる

このように、業務の属人化は複数の原因で引き起こされるケースが非常に多いのです。
では、実際に業務が属人化してしまっている場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。

2.業務の属人化のリスク

続いて、属人化がもたらす主な問題点について詳しく見ていきましょう。

• 業務負担が偏る

属人化した業務は、その業務を担当している社員に大きな負担をかけます。その結果、長時間労働やストレスが増加し、その社員の健康やパフォーマンスに悪影響を与えることがあります。

• 業務品質の改善が困難になる

業務を一人で抱え込んでしまうと、周りの目が届かなくなり、チームからの新しいアイデアや改善案が生まれにくくなってしまいます。

• 業務が停滞する可能性がある

担当者が急に休んだり、出張や病気で不在になったりすると、その業務が一時的にストップするリスクがあります。また、忙しい時期や業績拡大の際に、業務量が増加しても、対応する人員が少ないため業務遅延が発生することも考えられます。

• ノウハウが社内に残らない

属人化した業務では、その担当者が持つノウハウが他の社員に伝わらないため、結果として知識やスキルが社内に蓄積されません。担当者が辞めてしまうと、そのノウハウも失われてしまいます。

では、業務の属人化を解消し、これらのリスクを取り除くには、どのような方法があるのでしょうか。

3.業務の属人化の解消方法

属人化によって引き起こされる問題を解決するために、具体的にどのような対策を講じることができるのか、解消方法を見ていきましょう。

• 業務の流れの可視化と分析

まずは、業務全体の流れを可視化し、どの部分がボトルネックなのか、ほかの人に分散できないか、流れをシンプルにできないかなどを分析します。

• 手順書やマニュアルの作成

業務手順を文書化し、誰でも理解できる形でマニュアルを作成することが大切です。これにより、他の社員がスムーズに業務を引き継ぐことができ、属人化のリスクを減らせます。また、定期的にマニュアルが適切に運用されているかを確認することも大切です。

• 情報共有ツールの活用

社内チャットやSNS、グループウェア、ナレッジマネジメントシステムなど、情報共有を円滑に行うためのツールを導入することも有効です。これにより、リアルタイムで情報を共有でき、業務の進行状況を他の社員が把握しやすくなります。

• 業務の分担

一人に特定の業務が集中することを避けるため、できるだけ業務を分担して行うようにします。複数の社員が同じ業務に関与することで、特定の人に依存することなく、チーム全体で業務を進められる体制を作ることが重要です。

このように、業務の属人化を解消するためには、組織的かつ計画的な取り組みが必要です。特に重要なのは、これらの施策を一時的なものではなく、継続的な取り組みとして定着させることです。

次は、これらの解決方法の中でも、弊社が創業から約40年にわたり取り組んできた「マニュアル作成」に焦点を当て、実際にマニュアルにより属人化解消に取り組まれた事例をご紹介します。

4.マニュアル作成により業務の属人化を解消した事例

これまで、業務の属人化を解消するための様々な方法を見てきました。中でも「マニュアル作成」は、多くの企業で採用されている効果的な解決策の一つです。ここでは、弊社が実際にサポートを行った2つの事例を通して、その具体的な実施内容や進め方をご紹介します。

①ドコモ・テクノロジ株式会社様

ドコモ・テクノロジ様は、働き方改革の一環として、パフォーマンスの高い社員のノウハウをマニュアルに整備することで、専門的かつ属人的な業務をスムーズに他の社員へ移行させることを検討されていました。その過程で、弊社のWebサイトをご覧になり、お問い合わせをいただきました。

ドコモ・テクノロジ様は、マニュアル整備に取り組む中で以下のような課題を抱えていました。

課題
1. 作業時間の不足
◦ 通常業務と並行してのマニュアル作成が困難
◦ マニュアルのレビュー時間が十分に確保できない
2. マニュアル作成のノウハウ不足
◦ 効率的な作成手法が確立されていない
◦ 作成者間でのレビュー方法が定まっていない

また、ドコモ・テクノロジ様は、マニュアル作成を外注するのではなく自社でマニュアルを継続的に整備していきたいというご要望をお持ちでした。
課題を解決し、お客様のご要望を叶えるために、弊社より提供したソリューションが次の内容です。

ソリューション
「数日間の合宿の中で、参加者全員に確実に業務マニュアルを完成させてほしい」というご担当者様の思いを実現するため、弊社より、以下のようなマニュアル作成プログラムを提供しました。

1. 合宿前の集合研修
1. マニュアル作成の基礎と業務を整理するコツを学んでいただきました。
2. 業務整理の事前課題
3. マニュアル作成の合宿
1. 整理した業務を読み手目線でマニュアル化する実習を行いました。

上記のとおり、業務を可視化・整理するところからサポートさせていただきました。合宿形式で行った実習では、マニュアルの良し悪しを客観的に判断するための観点を共有する、各担当者の状況に合わせて複数のトレーナーが個別にアドバイスを行うなどのサポートを行いました。

結果
合宿終了時点で、参加者の約8割がマニュアルを完成させることができました。担当者様も、「今後も継続してマニュアルを整備していくための枠組みを作ることができた」とご評価くださいました。
また、合宿の参加者や関係者からは、「作成したマニュアルを使って業務の引継ぎが可能」「他の社員にも参加させたい」というお声もいただきました。

②東急リバブル株式会社様

東急リバブル様からは、「オフィス・店舗賃貸仲介業務の基本的な考え方やワークフローを共有するための業務マニュアルを作成したい」というご相談をいただきました。
当時、東急リバブル様では、事業拡大に伴う営業社員の急増により、新入社員の早期立ち上げが急務となっていました。そのような中で、以下のような課題を抱えていました。

課題
1. 新人教育の質のばらつき
◦ 口頭伝承で新人教育が行われており、マニュアルが存在しない
◦ 指導内容が教える社員によって異なる
2. 業務の標準化ができていない
◦ ベテランの間でも業務のやり方が統一されていない
◦ ベテランと若手の間でスキル・知識の格差が大きい

これらの課題を解決するために弊社が提供したソリューションが、次の内容です。

ソリューション
以下の3つのステップで、暗黙知を棚卸し業務手順・ルールを策定した上で、業務マニュアルの作成を行いました。

1. 現状調査・分析
オリエンテーションを行い、業務の全体像・現状の課題のヒアリングを行いました。また、別事業のマニュアルや関連資料の調査・分析を実施しました。

2. 業務整理・最適化
3回のセッションを通して、マネージャーとベテラン社員に業務の内容や進め方をヒアリングし、業務の流れや内容を整理しました。また、同時に暗黙知となっていた情報についても棚卸ししていただき、マニュアルに記載する標準的な業務の手順やルールを決定しました。
さらには、マニュアルのメインユーザーとなる新入社員に対して、業務での困りごとや使いやすいマニュアルの形式について直接ヒアリングを行い、実際の利用者視点からの要望を反映できるようにしました。

3. マニュアル作成
業務整理・最適化した結果をもとに、業務マニュアルを弊社で作成しました。最初にサンプル原稿を作成し、仕上がりのイメージや記載方針をしっかりとすり合わせした上で、すべての業務マニュアルを作成しました。
最後に、マニュアル完成後の更新・運用フェーズも想定して、最適と思われる記載方針や記載すべき情報をご提案しました。

結果
今まで暗黙知となっていた業務に関する情報を棚卸できました。マニュアルを作成することで、新しく配属された社員にも、標準的な業務の流れや進め方を共有できるようになりました。

今回ご紹介した2つの事例では、それぞれの企業が抱える課題に対して、異なったアプローチでマニュアル作成に取り組みました。ドコモ・テクノロジ様では合宿形式での集中的な研修を通して、東急リバブル様では体系的な業務整理から始めて、業務の属人化の解消に取り組みました。

このように、マニュアル作成は業務の属人化を解消する有効な手段の一つです。業務の整理から始めて、マニュアルの内容や作成ルールを決めるなど、各ステップを丁寧に進めることで、抜本的な業務の属人化の解消につながります。
皆様の組織でもマニュアル作成に取り組まれる際は、ぜひこれらの事例を参考にしていただければと思います。

今回ご紹介した2つの事例の詳細については、以下をご覧ください。

ドコモ・テクノロジ株式会社様

東急リバブル株式会社様

5. まとめ

組織における「業務の属人化」について、その原因からリスク、解決方法、そして実際の成功事例までを紹介してきました。属人化は、専門性の高さや情報共有の不足など、様々な要因が重なって起こり、業務負担の偏りやノウハウの消失、社内のスキル格差の拡大、業務の効率性の低下といった深刻な問題につながります。
まずはマニュアルの作成し、チーム内のコミュニケーションを強化することや、メンバーのスキルアップの支援を行うことが効果的です。これにより、社内の業務の均一化と効率化を図り、全体的な部門の成果を向上させることができるでしょう。弊社のマニュアル作成のノウハウが、皆様の業務に少しでもお役に立てばうれしく思います。

6. マニュアル作成のご相談はヒューマンサイエンスへ

ヒューマンサイエンスは、日本語版のマニュアル作成から英語および多言語翻訳まで、ワンストップでご支援いたします。1985年からの長きにわたり数々のマニュアルを手がけてきた実績があります。以下のようなニーズがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

 

  • 既存の日本語マニュアルや英語マニュアルを分かりやすく改善したい
  • 英語マニュアルの作成を検討していて、日本語マニュアルから段階的に進めたい
  • 社内で作成された日本語マニュアルを英訳(各言語訳)して活用したい

特長①:大企業・グローバル企業を中心とした豊富なマニュアル制作実績

ヒューマンサイエンスは、製造業やIT業界を中心に、多岐にわたる分野でマニュアル制作実績を積み重ねてきました。これまでに「ドコモ・テクノロジ株式会社」「ヤフー株式会社」「ヤマハ株式会社」など、名だたる企業をクライアントとしてきました。

マニュアル制作事例紹介| ヒューマンサイエンス

特長②:経験豊富なコンサルタントによる調査・分析からアウトプットまで

業務マニュアル作成に携わるのは、ヒューマンサイエンスが誇る経験豊富なコンサルタントになります。熟練のコンサルタントが、豊富な経験と提供された資料から、より分かりやすく効果的なマニュアルを提案します。また、情報が整理されていない段階からのマニュアル作成も可能です。担当のコンサルタントがヒアリングを行い、最適なマニュアルを作成いたします。

マニュアル評価・分析・改善提案サービス| ヒューマンサイエンス

特長③:マニュアル化だけでなく、定着支援も重視

ヒューマンサイエンスは、マニュアル作成にとどまらず、”定着化”という重要な段階にも注力しております。マニュアル作成後も、定期的な更新やマニュアル作成セミナーを通じて、マニュアルの定着を支援してまいります。多岐にわたる施策により、現場でのマニュアルの有効活用をサポートいたします。

マニュアル作成セミナー| ヒューマンサイエンス

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このブログがわかりやすいマニュアル作成のヒントになれば、うれしく思います。

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