
「WindowsとMac、どちらのパソコンを選びますか。」
このように聞かれて、皆さんはどう答えるでしょうか。
「使い慣れているから、Windows一択かな。」「断然デザインの良いMacだね。」
など、様々な意見が出てくることでしょう。物事には長所があれば、必ず短所も存在しています。最終的には双方のメリット・デメリットが秤にかけられて、選択されます。
マニュアルに関してもメリット・デメリットが分かれる2択があります。
その2択とは紙マニュアルか、電子マニュアルかの選択です。
そこで今回は紙マニュアルと電子マニュアル、双方のメリット・デメリットをご紹介いたします。今後作成するマニュアルを紙にするのか、電子化するのかを迷っていらっしゃる方は、ぜひ本記事を参考にしていただければと思います。
1. 紙マニュアルのメリット・デメリットとは

まずこの章では紙マニュアルのメリット・デメリットをご紹介いたします。紙ベースのマニュアルはアナログな媒体ですが、アナログであるがゆえのメリットも確かに存在しています。
メリット①:端末や環境準備が不要
紙マニュアルが持つ何よりの強みは端末や環境準備が不要なことです。当たり前の話ですが、紙なのでめくるだけでマニュアルを読むことができます。
あらゆる物のデジタル化が進んで、数十年が経過していますが、デジタル機器が苦手な方はいらっしゃいます。人には向き不向きがあるので、その点は仕方ありません。
しかし、問題はデジタル機器が苦手な方にとって、電子マニュアルは扱うのが難しい点です。
電源を入れることやアプリを立ち上げるなどの操作が難しいのです。
しかし、その点において、紙マニュアルは非常に心強い存在と言えます。特別な準備を必要とせず、マニュアルを読むことが可能です。紙のマニュアルは老若男女を問わず、様々な方に対応したマニュアルの配布方法をと言えます。
メリット②:どこでも読むことができる
紙マニュアルが持つ2つ目のメリットは、どこでもマニュアルが読めることです。紙の冊子さえあれば、その場でマニュアルを読むことができます。例えば、オンラインマニュアルの場合は、ネットワーク環境が必要となりますが、困ったときにすぐに読みたいという方には、紙マニュアルの方がオススメです。
また紙のマニュアルの場合、メモを書き込める点もメリットになります。自分で掴んだコツやもらったアドバイスなどを書き込めば、より効果の高いマニュアルの誕生です。
メリット③:複数のページを同時に参照ができる
紙マニュアルが持つ3つ目のメリットは、複数のページを同時に参照できることです。紙マニュアルの場合は、冊子を複数用意しておけば、各ページを見比べながら内容の確認ができます。
複数のページを同時に参照したいシチュエーションとしては、例えば以下のような記載があるケースではないでしょうか。
「プリンターへの印刷は画面右上にある印刷ボタンを押してください。プリンターの電源の入れ方はXXページを参照してください。」
おそらく世に出回る多くのマニュアルが、このような作りになっているはずです。このような場合でも紙マニュアルでは複数の冊子を並べておけば、関連ページを見比べながら、内容の確認ができます。
デメリット①:印刷コストがかかる
紙マニュアルにおける最大のデメリットは印刷コストがそれなりにかかることです。数十ページ程度ならば安いものですが、数百ページとなるとそれなりにコストがかかります。
例えば、250ページの業務マニュアルを作り、A4用紙で印刷すると仮定します。A4用紙を1枚0.7円と想定した場合、紙マニュアル1部あたりのコストは175円です。
そんなに高くないと感じた方もいるかと思いますが、全社員に配る場合にはさらにコスト高になります。社員200人の場合には、35,000円です。
またマニュアルは一度作って終わりではありません。業務内容に合わせて、マニュアルも修正が入ります。その都度マニュアルを配布し直す必要があるので、紙マニュアルの場合は常に印刷コストが発生します。
デメリット②:情報の検索が困難
紙マニュアルが持つ2つ目のデメリットは情報の検索が困難なことです。なぜなら、紙マニュアルの場合は冊子をめくりながら、人力で情報を探す必要があるからです。
例えば、POSレジの操作について書かれた、200ページ近いマニュアルを読んでいると仮定します。この中からクリアボタンの操作を知りたいとなった場合は、200ページの中から該当のページを探す必要があります。もちろん、クリアボタンの操作など大きな括りの場合には、目次から該当のページを簡単に見つけることは可能です。
しかし、毎回目次から必要な情報を見つけられるとは限りません。紙マニュアルの場合は探したい情報の検索が難しいケースは確かに存在しています。
デメリット③:内容の更新が容易でない
紙マニュアルが持つ3つ目のデメリットは内容の更新が難しいことです。なぜなら、修正する手間はもちろんですが、再配布の手間や差し替えのアナウンスが必要だからです。
マニュアルを修正すること自体、かなり神経を使う作業です。内容に誤りがあってはいけないことはもちろん、読みやすさなどの細かな配慮が必要になるからです。それに加えて、配布の手間や差し替えアナウンスなどの付随作業が多いので、内容の更新作業はより一層難しくなります。
2. 電子マニュアルのメリット・デメリットとは

次にこの章では電子マニュアルのメリット・デメリットをご紹介いたします。電子マニュアルはデジタルな情報であるため、書き換えや持ち運びの容易さなどデータらしいメリットがあります。
メリット①:マニュアル作成および更新の作業が簡単
電子マニュアル最大のメリットは作成および更新が簡単に済むことです。なぜなら、サーバ上などにデータを格納するだけなので、実物を配布する必要がないからです。
例えば、既に作成済みのマニュアルを更新するケースを想定します。電子マニュアルの場合には、サーバ上などに保存されているマニュアルを差し替え、アナウンスするだけで作業が完了します。
またデータ上だけで作業が完了するため、いつでも・どこからでも作業ができる点も電子マニュアルで運用する大きな強みです。
メリット②:検索を活用して、欲しい情報を素早く手に入れられる
電子マニュアルが持つ2つ目のメリットは検索を活用して、欲しい情報が素早く手に入ることです。
例えば、ワードファイル上で調べたいワードがあった場合、どうしますか。
ほとんどの方が「ctrl」と「F」キーの同時押下で検索ウィンドウを表示させることでしょう。
電子マニュアルでは同じように検索ウィンドウから、調べたいワードをすぐに調べること可能です。今すぐ調べて対応したい場合など、急ぎの場合には電子マニュアルの方が素早く情報に辿り着けることは間違いありません。
メリット③:データの持ち運びができる
電子マニュアルが持つ3つ目のメリットはデータの持ち運びができることです。なぜなら、電子マニュアルはあくまでデータなので、簡単にデータ先へ移すことができるからです。
例えば、マニュアルを自宅で確認したいケースを想定します。仮にマニュアル1冊が数百ページにも及び全部で5冊くらいだった場合はどうでしょうか。持ち運ぶだけでかなりの労力ですよね。
それが電子マニュアルの場合、サーバからダウンロードするだけで簡単に閲覧ができます。電子マニュアルはあくまでデータのため、データの持ち運びが簡単にできます。
デメリット①:電子マニュアルを表示するためのデバイスが必要である
電子マニュアルが持つ最大のデメリットは表示するためのデバイスが必要なことです。当たり前の話ですが、電子マニュアルだけでは閲覧はできません。タブレットやパソコン、スマートフォンなどのデバイスが必要です。
閲覧のためのデバイスが必要になってくると、1つの問題が浮上してきます。その問題とはデバイスを上手く扱えない方がいることです。人には向き不向きがあるように、どうしても機械が苦手な方がいます。その方たちにとってデバイスを扱うのは一苦労なはずです。
電子マニュアルにはデバイスが必要な点もデメリットですが、利用者にとっても扱いが難しいケースがあるので、要注意です。
デメリット②:複数ページを閲覧することが困難である
電子マニュアルが持つ3つ目のデメリットは、複数のページを閲覧することが難しいことです。
おそらく世に出回る多くのマニュアルは現在説明している内容から離れた内容の場合には関連するページの参照を促す作りになっています。
「プリンターへの印刷は画面右上にある印刷ボタンを押してください。プリンターの電源の入れ方はXXページを参照してください。」
このような場合、電子マニュアルでは該当ページに飛ばないと内容の確認ができません。
紙マニュアルとは異なり、デバイスを複数台用意するのは簡単なことではないため、複数のページを素早く閲覧することは難しいと言えます。
3. まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は電子マニュアルと紙マニュアルのメリット・デメリットについてご紹介いたしました。一見すると紙ベースのマニュアルは時代遅れに見えてしまうため、ついつい電子マニュアルを導入する方向になりがちです。しかし、必ずしも電子マニュアルを選ぶことがベストな選択肢とはかぎりません。
今回の記事を参考にしていただき、まずはそれぞれのメリット・デメリットを比較していただければと思います。その上で、自社に適したマニュアルを導入しましょう。最後に比較表をまとめておきましたので、参考にしていただければと思います。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
紙マニュアル | ・端末や環境準備が不要 ・どこでも読むことができる ・複数のページを同時に参照ができる |
・印刷コストがかなりかかる ・情報の検索が困難 ・内容の更新が容易でない |
電子マニュアル | ・マニュアル作成および更新の作業が簡単 ・検索を活用して、欲しい情報を素早く手に入れられる ・データの持ち運びができる |
・電子マニュアルを表示するためのデバイスが必要である ・複数ページを表示することが困難である |