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カスタマーサクセスの立ち上げの手順とポイント

カスタマーサクセスの立ち上げの手順とポイント

目次

1. カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスとは、その言葉の意味のとおり「顧客を成功体験へと導くための取り組み」のことです。製品やサービスを提供するだけでなく、積極的に情報提供やサポートをしながら、顧客の成功および利益率の向上の両立を目指します。

カスタマーサポートとの違い

カスタマーサクセスと混同されやすい言葉として「カスタマーサポート」があります。カスタマーサポートは「顧客の支援」という意味です。
カスタマーサポートは、顧客が商品やサービスを利用する際に発生したトラブルに対し、適切かつスピーディーにサポートし、顧客満足度を高める目的で行われます。コールセンターに入電した問合せの対応など、受動的な行動がメインです。
しかし、カスタマーサクセスは、顧客の成功を目的としており、先回りして能動的にアドバイスやサポートを行います。このように、カスタマーサクセスとカスタマーサポートは、目的と働きかけ方に大きな違いがあります。

カスタマーサクセスが注目される背景

DXにより市場のニーズも多様化し、製品やサービスも「売り切りモデル」から「リテンションモデル」へシフトしています。そのため多くのサブスクリプション型サービスが提供されるようになりました。海外では早い時期からカスタマーサクセスの取り組みが始まっていましたが、日本においてもその重要性が年々高まっています。

•市場の成熟
市場のグローバル化が進み、世界中のあらゆる製品やサービスに素早くアクセスできるようになりました。また、新たな製品やサービスが次々と開発されるため、機能や技術、価格などで優位性を保つのが難しくなっています。そのため、カスタマーサクセスによる付加価値が必要となっています。

•サブスクリプションモデルの広がり
前述のようなコモディティ化により、所有する物理的価値だけではなく、利用により得られる体験や喜びなども重視されるようになりました。そのため「サブスクリプション型」のビジネスモデルが広がっています。このモデルでは、購入(契約)をしてもらうだけではなく、解約されずに「使用を継続してもらう」ことが重要です。顧客の利用状況に応じて、継続的に体験や喜びといった価値を提供し続ける必要があります。

•CRM(顧客管理システム)の普及
DXにより、多くの企業で顧客管理システム(CRM:Customer Relationship Management)が導入されているため、顧客に個別に対応できる環境が広がりました。結果として、顧客満足度を向上させるための施策を実施しやすい状況になっています。

カスタマーサクセスの役割

カスタマーサクセスの役割には以下のものがあります。
• LTV(顧客生涯価値)最大化
• 継続率の維持
• 顧客満足度向上
• 利用拡大(アップセル・クロスセル)

LTV(顧客生涯価値)最大化
LTV(Life Time Value)とは、「ある顧客から生涯にわたって得られる利益」を意味します。顧客が購入したサービスや製品の利用を開始してから解約するまでに、自社にもたらされた利益の総額です。買い切り型であれば購入時がLTVのタイミングでしたが、サブスクリプション型では、顧客が契約を継続する限りLTVは増え続けることになります。つまり、LTVの最大化を達成するにはサブスクリプション型のビジネスモデルが最適です。

継続率の維持
継続して利用してもらうためには、顧客が製品やサービスを十分に使いこなし、価値を感じてもらう必要があります。そのため、顧客へのきめ細かなサポートが欠かせません。顧客の疑問や不安を取り除いていく必要があります。積極的にコミュニケーションを取り、疑問や不明点を解消するための働きかけを続けていけば、顧客の信頼感も上がり継続率も向上します。

顧客満足度向上
製品やサービスに不満が蓄積すると、解約へと向かってしまいます。そのため顧客満足度を常に意識する必要があります。高い顧客満足度を維持するためには、改善と改良を繰り返し、製品やサービスの価値を提供することも継続しなければなりません。アンケートやヒアリングなどを継続的に実施し、そこで把握した課題を、製品やサービスにフィードバックして改善につなげる仕組みを作ります。そうすることで、利便性の向上のみならず、顧客にとっての「改善された」喜びにつながり、さらに満足度の向上が期待できます。

利用拡大(アップセル・クロスセル)
利用拡大の例としては、アップセルとクロスセルがあります。
・アップセル:よりグレードの高いサービスに移行してもらう
・クロスセル:別の商品・サービスを追加で購入してもらう
標準プランからプレミアムプランに変更する場合がアップセルで、オプションサービスを追加する場合がクロスセルです。アップセル・クロスセルを達成できれば、収益増大につながりLTVを最大化できます。製品やサービスに満足した状態であれば、アップセル・クロスセルにつなげやすくなります。

カスタマーサクセスがSaaSに必要な理由
「SaaS(サース)」は、クラウドサービスとして提供されるソフトウェアのことです。代表的なものとして、ビジネスチャットやオフィスソフトなどがあります。
SaaSの多くは、月額料金を顧客が支払うサブスクリプション型を採用しています。そのため、収益を上げ続けるには更新率を高め、多くの顧客に長期にわたり継続してもらわなければいけません。
そのカギとなるのが、カスタマーサクセスです。顧客の不満を先回りし解消・フォローする、継続的にメリットを提供するといったアクションにより、顧客満足度を高めて解約を防ぎ、更新率を向上させられます。
現在、多くのSaaSが提供されており、競争が激化しています。顧客が課題解決などの効果を実感できなければ、製品・サービスを長く利用し続けてもらうのは難しいでしょう。
SaaSビジネスを成功させるには、カスタマーサクセスを実践し、顧客の満足度を高めLTVを向上することが不可欠です。

カスタマーサクセスとCXとの関係
「カスタ マーエクスペリエンス(CX)」は、「顧客体験」や「顧客体験価値」を意味する言葉です。購入前から購入後まで全ての過程において、顧客が得る体験や価値を指します。
CXには、商品の機能・価格といった客観的な価値だけではなく、接客などのコミュニケーション・アフターサービス・クレーム対応・店舗の雰囲気など、顧客の感情に働きかける体験・価値も含まれます。
そのため、カスタマーサクセスでの顧客との関わり方は、CXに直結するといえるでしょう。例えば、購入後の企業からの連絡が好感の持てるものであれば、製品自体への印象が良くなり、CXが高まります。
カスタマーサクセスに取り組む際は、CXをいかに向上させるかに着目し、顧客の目線に立った施策を考えることが重要です。

2. カスタマーサクセス立ち上げの前に確認すべきこと

カスタマーサクセスの組織モデルの確認

適切なカスタマーサクセスの組織を構築することで、前述のカスタマーサクセスの役割を果たすことができます。カスタマーサクセスの組織にはいくつかのモデルがあります。ここでは以下のように分類してみます。

・オールラウンダー型
・スペシャリスト型
・セールス指向型
・パートナーシップ型

オールラウンダー型
オールラウンダー型とは、その言葉通り、セールスからオンボーディング、サポート、リテンション、アップセル・クロスセルまで対応するモデルです。
カスタマーサクセスを立ち上げたばかりの企業や、事業規模が小さいスタートアップなどでよく見られます。このモデルのメリットは、カスタマーサクセスが事業の中心となるため、チャーン(解約)率の低下を見込めることです。例えば、セールスがノルマ達成だけを目的に、その製品やサービスにマッチしない顧客を集めることがなくなれば、チャーン率は下がります。デメリットは、カスタマーサクセスの業務負担が大きくなることです。

スペシャリスト型
スペシャリスト型とは、カスタマーサクセス部門にオンボーディングチームやテックタッチチーム、セールスチームなどの専門チームを構築するモデルです。
このモデルのメリットは、各チームが担当業務に注力できるため、顧客に最適な支援を提供できることにあります。また、カスタマーサクセス部門の全体的な業務負担の軽減にもつながります。デメリットとしては、チーム間の連携がスムーズでないと、対応に遅れが生じ、チャーンの増加を招く可能性があることです。また、十分な数のカスタマーサクセス人材を集めなければ、スペシャリスト型の導入は難しくなります。

セールス指向型
カスタマーサクセスがセールスと密に連携を取りながら業務を進めるモデルです。
このモデルのメリットは、カスタマーサクセスと営業が密に連携することで、自社にあった顧客への製品販売、最適なタイミングでのアップセル・クロスセルの提案などが可能になることです。取り扱い製品が複雑ではない企業や、顧客数が少ない企業でよく見られます。デメリットは、顧客数が多くなると連携が困難になることです。

パートナーシップ型
カスタマーサクセスが顧客と伴走する形式で支援するモデルです。
このモデルのメリットは、カスタマーサクセスが顧客に伴走するため、顧客の課題を先回りして解決できることにあります。また、顧客の状態を正確に把握できるので、アップセル・クロスセルも実施しやすくなります。顧客数が少ないながらも、1社当たりの顧客単価が高いハイタッチ層が多い企業に最適ですが、顧客数が多い場合は支援を十分に実施できないことがデメリットです。

その他
顧客の地域に合わせてカスタマーサクセスチームをエリア別に構築するモデルもありますし、顧客規模ごとにチームを作る組織図も有効です。

立ち上げ前に確認すべきポイント

顧客理解
カスタマーサクセスは、顧客にとっての成功を支援することでLTV(顧客生涯価値)を最大化するという取り組みです。そのため「顧客の成功」とはどのような状態かを、前もって明確にしておく必要があります。業種や業界などによって、顧客の課題や目標は異なります。まずは顧客について深く理解し、「顧客にとっての成功とはどのような状態か」「顧客が成功するために必要なことは何か」を具体的にすることが重要です。これにより、最適な組織体制や目標の方向性をつかみやすくなります。

カスタマーサクセス活動における成果目標を決める
カスタマーサクセス活動においては、サブスクリプション製品やサービスの解約率の改善が目指すべきところとなります。さらに、顧客ロイヤリティの向上、アップセル・クロスセルによるLTV最大化といったところも、カスタマーサクセスにおいての目標となります。目標により取り組むべきことの優先順位が変わるため、期待する成果を明確にしたうえで慎重に検討する必要があります。

組織内の役割を明確にする
顧客と直接的に接点を持つセールスチームやカスタマーサポートのほか、マーケティングや開発など、「顧客に価値を提供する」という意味では、ほぼすべての部署と連携する必要があります。各部門の役割分担を明確にし、カスタマーサクセスにどのように貢献するのかを明確にすることが大切です。また、カスタマーサクセスの観点から、営業チームであれば継続率やアップセル・クロスセル率、カスタマーサポート部門では顧客満足度といった指標を設ける必要があります。部門ごとの役割と指標を明確にすることで、カスタマーサクセスの組織を立ち上げたときに混乱が起こりにくくなります。

サービス範囲を明確にする
顧客に対して、カスタマーサクセス部門が何をサービスとして提供するのかを明確にしておくことも大切です。例えば、定例ミーティングを週1回、または隔週で開催するといった内容を定めておきます。報告書の作成の有無など、業務範囲もできるだけ明確にします。

3. カスタマーサクセスの組織の作り方

カスタマージャーニーマップを作成する

カスタマージャーニーマップとは、「顧客が製品やサービスとの関わりの中でたどる一連のプロセスを視覚化したもの」です。ジャーニーとは、顧客のサービス利用における「工程=顧客体験」を指します。つまり、カスタマージャーニーマップとは「顧客の一連の製品体験やサービス体験の可視化」と言えます。これを作成することは、顧客の事業環境やニーズ・課題を的確に理解するための第一歩となりえます。また、カスタマーサクセスには複数の部署が関わるため、カスタマージャーニーマップを作成し、支援サービスの道筋を見える化したうえで、そのプロセスを共有し、正しくカスタマーサクセスのサービスが実行されるように準備します。

組織体制を決める

カスタマーサクセスに取り組むための組織体制を作ります。前述のように組織モデルがいくつかあるので、自社にとっての最適な体制を検討します。セールス部門やサービス部門の直下に置いて支援する場合もあれば、チーフカスタマーオフィサーを配置して、他部署とは分離した形で全体の統括をしていく場合もあります。スタートアップなどで人的リソースが十分でない場合、カスタマーサクセスの専任者が1人という体制からスタートする場合もあるようです。

部門間の連携方法を決める

どんなサービスにも言えることかもしれませんが、全社的な取り組みを推進するうえで重要なのは部門間の連携です。カスタマーサクセスの組織運営を円滑にするためには、業務範囲の切り分けをするとともに、事前に連携方法について決めておくことが大切です。

KPIを設定する

カスタマーサクセスの組織をしっかり機能させるためのKPIを設定します。

例:
LTV 利用開始から解約までに顧客が使う総額(売上)
オンボーディング完了率 継続利用が見込まれるアクションをとっている顧客の割合
解約率(チャーンレート) 解約した顧客の割合
アップセル・クロスセル率 アップセル・クロスセルの割合

KPIを設定するときは、運用のしやすさも重要になります。また状況は常に変化するため、設定したKPIが適切か定期的に検証することも大切です。

よくある失敗例

始めから効率的に幅広い顧客の対応をしようとする
手厚いサポートなしで初期設定マニュアルなどのドキュメント類を充実させたりしても、そうした文書が活用されず、かえって利用開始への心理的ハードルが高くなることがあるようです。このように幅広い顧客の課題を解決しようとすると、課題の解き方が間違っていたり、あるいはその課題を解決したとしてもその先に成功がなかったり、ということが起こりえます。まずは成功モデルを作り、カスタマーサクセスまでの道筋を明確にすることが必要です。

顧客の意見を鵜呑みにする
顧客に言われたことをそのまま支援やサービスに反映させてしまうことも、失敗につながる要素のようです。顧客は必ずしも自らのニーズや課題を正確に伝えてくれるわけではありません。そのため、そのままサービスに反映してもカスタマーサクセスにつながらない場合があります。顧客の行動や発言を受け止めて、その背景にある状況やニーズを推察・ヒアリングすることが非常に大切なポイントとなります。

4. まとめ

ヒューマンサイエンスでは、カスタマーサクセス部門のお客様向けのサービスが多くあります。特に、カスタマーサクセス部門が顧客へ提供するコンテンツの品質が、カスタマーサクセスを成功させるための鍵と考えています。そのために必要なこととして、マニュアルの改善や制作、FAQの充実、またトレーニングコンテンツの制作などが挙げられます。どれも自社内で進めようとすると、コストがかかります。また、その質も分かりやすい内容でなければ意味がありません。ヒューマンサイエンスでは、分かりやすいマニュアルやeラーニングコンテンツの制作実績が多くあります。以下のようなサービスをご用意しています。

•マニュアルやトレーニングテキストの品質改善
お客様の環境に最適の取扱説明書、技術資料、ヘルプ、FAQを提案します。現状のマニュアル評価から始まり、多言語対応の仕組みづくりやCMS構築運用までコンサルティングします。動画マニュアルの制作も請け負うことができます。

•教育コンテンツの制作やLMS(学習管理システム)の導入支援
マニュアルと同様に、お客様の環境に最適の教育コンテンツを提案します。現状のコンテンツ評価から始まり、LMSの最適化や多言語対応も可能です。

•チャットボット導入・構築支援
カスタマーサポートの効率化のため、多くの企業でチャットボットの導入が進んでいます。お客様の環境に最適のチャットボットを提案します。チャットボットシステムの導入支援から、コンテンツの制作までワンストップで対応可能です。

カスタマーサクセス部門向けの実績としては以下があります。

ウィングアーク1st株式会社様:カスタマーサクセス部門向けコンテンツ評価・改善コンサルティング・コンテンツ制作サービス
https://hs-learning.jp/case/wingarc1st/

カスタマーサクセスに必要な、分かりやすい「マニュアル」や「動画マニュアル」、またeラーニングコンテンツの制作をワンストップで対応できるサービスも提供しておりますのでご活用ください。

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