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迷わせないマニュアル・ガイド作りの視点⑤
作る側(伝える側)と利用者の認識はなぜずれる?

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2026.9.14

迷わせないマニュアル・ガイド作りの視点⑤作る側(伝える側)と利用者の認識はなぜずれる?

迷わせないマニュアル・ガイド作りの視点⑤ 作る側(伝える側)と利用者の認識はなぜずれる?

せっかく作ったドキュメントなのに、利用者から「分かりにくい」と言われたり、想定していたように活用されなかったりすることはありませんか。

「利用者目線で考えることが大切」

そう言われることは多いですが、実際には簡単ではありません。
なぜなら、作る側は製品や業務を理解しているからです。
知識があることは強みですが、その知識があるからこそ、利用者がどこで迷うのか気付きにくくなることがあります。

今回は、作る側と利用者の認識がずれる理由について考えてみたいと思います。

目次

1. 作る側は「知っている」

ドキュメントを作る人は、対象をよく知っていることが多いですし、ドキュメントを作るために知ろうと努力します。
知識や経験はドキュメント作成に欠かせないものです。

作る人は、次のような知識や経験を持っていることがあります。

・注意すべきポイントを知っている
・よくある問い合わせを知っている
・情報の優先順位の判断基準を知っている
・どの画面を開けばよいか知っている
・用語の意味を知っている
・業務の流れを知っている
など

一方で、利用者には、その知識や経験がないことがほとんどです。そのため、作る人と利用者で認識に差が生まれることがあります。

2. 利用者が「知りたいこと」

作る側は機能を知れば知るほど、機能単位で考えることが多い気がします。

しかし、利用者は次のような目的を達成するための情報が知りたいと思っていて、「○○機能を理解したい」と考えることの方が少ないのではないでしょうか。

・ログインしたい
・申請したい/承認したい
・予約したい
・必要な情報を一覧で確認したい
・プリントアウトしたい

そのため、作る側が丁寧に機能説明を書いていても、利用者が求めている「知りたいこと」とずれてしまうことがあります。

「知っている」が認識のずれを生む

3. 当たり前になってしまうことがある

例えば、「毎月、売上表をデータで提出します。」と書いてあったとします。

知っている人は、この言葉だけで何をするのか理解できているのかもしれません。
しかし、初めての人は、わからないことばかりです。

・「売上表」とはどのようなもの?
・データは、いつ・誰に・誰が・どのように提出するの?
・提出すると何がどうなるの?

知識や経験が増えるほど、自分がどのように理解したのかを意識する機会は少なくなります。

・この用語は分かるだろう
・この画面は見れば分かるだろう
・この流れは自然に理解できるだろう

知識や経験がある人にとっては自然に理解できることでも、初めての人にとってはそうではありません。

作る側はすでに理解しているため、利用者がどこで迷うのかが見えにくくなり、説明が抜けてしまうことがあります。
これも、説明はあるのに、伝わらないという原因の一つです。

4. 知っているからこそ書きたくなる

反対に、知識や経験があるからこそ説明が増えてしまうこともあります。

・この説明も入れておこう
・この例外も伝えたい
・この注意点も知っておいてほしい

そう考えて情報を追加していくうちに、内容が増えていくことがあります。
もちろん必要な情報である場合もあります。
しかし、利用者が今知りたいことと一致しているとは限りません。

結果として、

・文字量が増える
・必要な情報が埋もれる
・利用者が読む前にあきらめる

といったことにつながる場合もあります。

5. 問い合わせがヒントになることもある

問い合わせの内容を見ると、「なぜここで迷うのだろう」と思うことはありませんか。
しかし、それは利用者が特別ではなく、作る側が気付いていなかったポイントかもしれません。
自分たちが理解していることほど、説明が抜けやすいからです。
そして、利用者が迷う場所は、作る側が想像していた場所とはまったく異なることも少なくありません。

6. 利用者目線になるために

利用者目線とは、自分の知識を捨てることではありません。
むしろ、自分が知っていることと、利用者が知っていることの違いを意識することです。
利用者によって、知りたいことや必要な情報は異なります。

利用者の状況を考えてみましょう。

・新入社員
・業務担当者
・管理者
・年に数回しか利用しない人
・毎日利用する人

6. 利用者目線になるために

新入社員が知りたいことと管理者が知りたいことは違うかもしれません。
毎日利用する人は時短につながる情報を求め、年に数回しか利用しない人はログイン方法を確認したいかもしれません。
このように利用者により、必要な情報が異なることも想像できます。
そのため、「自分が伝えたいこと」だけではなく、「利用者は何を知りたいのか」を考えることが重要です。

利用者が知りたいことを考えるためには、次のような視点があります。

・利用者は何を達成したいのか
・利用者は何を知っているのか
・利用者は何を知らないのか

6-1. 認識のずれに気付くために

作る側が利用者と同じ知識量に戻ることはできません。

そのため、自分では分かりやすいと思っていても、利用者には伝わっていないことがあります。
説明に迷ったときや、自分では判断しにくいときは、実際の利用者に近い人に見てもらうことも有効です。
特に、以下のような点は、自分だけでは気付きにくいことがあります。

・この用語は分かるか
・前提知識を求めすぎていないか
・利用者が目的を達成できる内容になっているか

「分からない」という反応は失敗ではなく、利用者との認識のずれを見つけるための大切なヒントになります。
問い合わせ内容を振り返ってみたり、実際の利用者に近い人へ確認してみたりすると、思いもよらないところで気付きがあるかもしれません。

【関連サイト】

>マニュアル評価・分析・改善提案サービス

7. まとめ

作る側と利用者の認識がずれるのは、作る側の能力が低いからではありません。
むしろ、製品や業務をよく理解しているからこそ起きることがあります。

知識や経験はドキュメント作成に欠かせません。
しかし、その知識や経験があるからこそ、「利用者にとって当たり前ではないことを省略してしまう」「利用者が知りたいことよりも、作る側が伝えたいことを書いてしまう」ということがあります。

利用者が何を知り、何を知らず、何を達成したいのか。
その違いを意識することが、利用者に伝わるドキュメント作成につながるのかもしれません。

ここまで、簡易マニュアルやスタートガイド、FAQ、チェックリスト、動画など、さまざまな情報提供の形についてお伝えしてきました。

利用者と作る側の認識には違いがあることを意識することで、その人に合った伝え方が見えてくるかもしれません。

【関連サービス】
簡易マニュアルやスタートガイド、FAQ、チェックリスト、動画など、どの方法が適しているか迷ったときは、第三者の視点を取り入れてみることで、整理しやすくなることもあります。

マニュアルの構成検討や制作でお困りの際は、ヒューマンサイエンスのマニュアル制作サービスもご活用ください。

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