効果的な動画マニュアルの作り方とは？ 豊富な事例を経験するプロが動画マニュアルの作り方・ポイントを解説

1. 動画マニュアルとは？

 

動画マニュアルは、文章ではなく映像、動画で情報を伝えるマニュアルです。
例えば、新しい機械の使い方やアプリの操作方法を説明する際に、実際の操作画面や手順を動画で見せることで、わかりやすく解説できます。
文章だけでは伝わりにくい内容も、実際の動きを見ることで直感的に理解できるため、多くの人にとって学びやすい手段です。

1-1. 動画マニュアルの種類

動画マニュアルにはいくつかの種類があります。

●手順説明：具体的な操作方法を示す動画で、操作の順番を視覚的に確認することができます。
●解説：理論や仕組みを説明する動画で、特定の製品や概念をより深く理解することができます。
●実写動画：特定の技術、ノウハウや作業手順を、実際の動きを見て学ぶことができます。
●Q&A：よくある質問とその回答を解説した動画で、疑問に対する答えをすばやく得ることができます。

1-2. 動画マニュアルのメリット・デメリット

動画マニュアルのメリットとして、文章だけでは伝えきれない詳細な手順や、言葉では伝えにくい動作を視覚的に示すことができる、という点が挙げられます。特に初心者にとっては、映像を見ることで実際の操作や手順をイメージすることができ、理解しやすくなります。また、言葉では説明が長くなってしまうような複雑な操作も、実際の動きで簡潔に示すことができる場合があります。
一方で、デメリットは制作に時間とコストがかかりがちな点です。さらに、内容を変更する場合は、動画の再撮影が必要になることもあります。さまざまなツールがあり、動画の編集は比較的簡単にできるものの、場合によっては作り直しが必要になることがあるので、しっかり計画を立ててから作成することが重要です。

動画マニュアルのメリット・デメリットについては、こちらでも詳しく解説しています。
動画マニュアル作成のコツや作成方法とは

1-3. 動画の活用方法

視覚的な説明が効果的であったり、実際の動作を見ると理解が深まったりするような内容が、動画に向いています。マニュアルの内容に応じて、以下のように動画を活用できます。

①製品マニュアル
製品の特徴や使用方法を説明します。
実際の操作手順を見られるので、直感的に理解しやすくなります。
ユーザーが正しく製品を使えるように、基本的な操作手順や注意点を強調したい場合にも効果的です。

②インストールマニュアル
ソフトウェアやアプリケーションのインストール手順や初期設定について、実際の画面操作を見せて説明します。
最初の手順でユーザーが迷わないように、導入部分を丁寧に示すことができます。

③メンテナンスマニュアル
機械や設備のメンテナンス手順を動画で示すことで、具体的な作業の流れや注意点をわかりやすく伝えることができます。

④営業マニュアル
営業活動に関するノウハウを動画で説明します。顧客を訪問する際のマナーや提案方法、クロージングのテクニックなどを実写の動画にすると、臨場感を持って学ぶことができます。

⑤技術研修マニュアル
特定の技術や作業手順を実写動画で示すことで、実際の動きを見ながら学習でき、技術習得がスムーズになります。
職場での安全対策や緊急時の対応方法、新入社員向けのビジネスマナーなども、視覚的に確認すると理解しやすいので、動画に向いています。

これらの動画マニュアルを活用することで、業務効率の向上や教育コストの削減が期待できます。どんな内容を、どんな種類の動画マニュアルとして作成するか、具体的な用途に応じて選んでみてください。

2. 動画マニュアル作成の手順

 

やり直しの手間が発生しないように、動画マニュアル作成は、しっかりと計画を立てて、順番に進めることが大切です。
ここでは、動画マニュアル作成の基本的な手順をご紹介します。

(1)目的と対象者の明確化
動画マニュアルの目的と対象者を明確にします。
例えば、新人スタッフの教育用のマニュアルなのか、顧客向けに製品の使い方を説明するマニュアルなのかで、動画の内容は変わります。また、対象者がどのような情報を求めているのかを具体的に考えることで、マニュアルに盛り込む内容が明確になり、より効果的な動画マニュアルを作ることができます。

(2)動画マニュアルの種類や長さ、管理方法の決定
画面操作を見せる手順説明動画なのか、技術習得のための実写動画なのかなど、どの種類の動画にするか、また、どのくらいの長さの動画にするかを決めます。
アップロード場所はどこにするかといった、作成後の管理方法も決めておきましょう。

(3)動画の構成の検討
動画全体の概要を簡単にまとめます（導入、メイン説明、まとめ/エンディングなど）。
各セクションで伝えたいポイントを決めておくと、この後のシナリオ作成に役立ちます。

(4)シナリオ、絵コンテの作成
動画の内容をシナリオ（台本）として作成します。
動画の構成に従って、具体的にどのような流れで動画を進めるのか、どこでどのような説明をするのかを考え、説明する内容を決めていきます。音声を入れる場合は、音声の情報をどのように入れるかも考えてシナリオを作成します。
実写動画で各シーンのイメージが必要な場合は、各シーンのビジュアルを簡単なイラストや図で示した絵コンテも作成します。
以下は、絵コンテの一例です。

シナリオ作成は、動画の質を左右する重要な部分です。丁寧に取り組みましょう。

(5)撮影準備
シナリオのイメージに沿った撮影ができるように、必要な機材（カメラ、照明、マイクなど）を準備し、撮影場所を確認します。
操作画面を撮影する場合は、ソフトウェアの設定などを確認して、動画を採取するか、静止画を採取して編集するかを決めて準備します。

(6)撮影、画面採取
シナリオ、絵コンテに従って、実際の撮影を行います。カメラアングルや照明に注意しながら、必要なシーンを撮影します。
操作画面を撮影する場合は、準備したソフトウェアなどで画面採取を行います。

(7)編集
撮影した映像や画面データを編集ソフトで整え、テロップやナレーションを追加します。不要な部分をカットし、想定時間に収まるように動画を仕上げます。

(8)公開・運用
あらかじめ決めたアップロード場所にデータを格納し、完成した動画マニュアルを公開します。対象者が必要なときに、いつでも視聴できる状態にしましょう。

3. 動画マニュアル作成のポイント

 

対象者に「見てもらえる」「わかりやすいと思ってもらえる」動画マニュアルを作成するためには、以下のようなポイントがあります。

対象者を具体的にイメージする
動画を作成するときは、「誰がこの動画を見るのか」を意識することが大切です。
対象者が初心者であれば、専門用語は避け、できるだけ簡単な言葉で説明するようにします。対象者が迷いそうなところ、困りそうなところを考えて、それに応じた説明を追加することも重要です。
可能であれば、対象者や、対象者に近い立場の人に意見をもらうと、作成者のチェックだけでは見えない問題点に気付くことができます（新人スタッフ向けの動画マニュアルであれば経験の浅いスタッフに編集段階で見てもらうなど）。

テーマを絞る
1つの動画マニュアルは、1つのテーマに絞った内容で作成するのがおすすめです。
例えば、「初期設定方法」と「日常的なメンテナンス方法」を1つの動画で説明するのではなく、別々に作成することで、視聴者が必要な情報を探しやすくなります。

簡潔でわかりやすい表現を使う
映像と組み合わせて、テロップやナレーションを使って説明することが多くあります。
テロップやナレーションの内容を考えるときは、ストレートに意味が伝わるように、簡潔でわかりやすい表現を使いましょう。動画の中のテロップは動画が進むのに合わせて消えていきますし、ナレーションは音声として流れていくものなので、すぐに理解できるような表現にする必要があります。

メリハリを付ける
単調な動画では、視聴者が飽きてしまい、途中で見るのをやめてしまうこともあります。
動画の中で重要なポイントは、強調して見せましょう。例えば、重要な操作の場面ではズームインしたり、説明が終わったら一度画面を切り替えて視覚的に区切りを付けたりすると、視聴者が集中しやすくなります。
また、機器の扱い方を説明するような動画では、どこをどのように操作しているのかがわかりやすくなるように、撮影する角度にも気を付けましょう。

なるべく短くする
1本の動画は、なるべく短くまとめましょう。目安として2～3分、長くても5分以内にするとよいです。
ただし、必要な情報を過不足なく伝えることを忘れないでください。内容が多くて長くなってしまう場合は、複数の短い動画に分けることを考えましょう。

アクセスしやすい場所で管理する
動画マニュアルは、必要なときに簡単にアクセスでき、いつでも視聴できる場所で管理しましょう。
例えば、社内の共有フォルダや専用のポータルサイト、学習管理システム（LMS）などを利用します。

これらのポイントを押さえることで、効果的な動画マニュアルを作成することができます。
成功の鍵は、視聴者のニーズを理解し、それに応じた内容を提供することです。

こちらの記事では、動画マニュアル作成の失敗例と、失敗しないポイントをご紹介しています。
動画マニュアル作成のコツや作成方法とは

4. マニュアル作成・改善のご相談はヒューマンサイエンスへ

ヒューマンサイエンスは、日本語版のマニュアル作成から英語翻訳まで、ワンストップでご支援いたします。1985年からの長きにわたり数々のマニュアルを手がけてきた実績があり、動画マニュアルや映像コンテンツも多数制作してきました。以下のようなニーズがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

・既存の日本語マニュアルや英語マニュアルを分かりやすく改善したい
・動画マニュアルの作成をプロに任せたい
・英語マニュアルの作成を検討していて、日本語マニュアルから段階的に進めたい
・社内で作成された日本語マニュアルを英訳して活用したい

特長①：大企業・グローバル企業を中心とした豊富なマニュアル制作実績
ヒューマンサイエンスは、製造業やIT業界を中心に、多岐にわたる分野でマニュアル制作実績を積み重ねてきました。これまでに「ドコモ・テクノロジ株式会社」「ヤフー株式会社」「ヤマハ株式会社」など、名だたる企業をクライアントとしてきました。
マニュアル制作事例紹介| ヒューマンサイエンス

特長②：経験豊富なコンサルタントによる調査・分析からアウトプットまで
業務マニュアル作成に携わるのは、ヒューマンサイエンスが誇る経験豊富なコンサルタントになります。熟練のコンサルタントが、豊富な経験と提供された資料から、より分かりやすく効果的なマニュアルを提案します。また、情報が整理されていない段階からのマニュアル作成も可能です。担当のコンサルタントがヒアリングを行い、最適なマニュアルを作成いたします。
マニュアル評価・分析・改善提案サービス| ヒューマンサイエンス

特長③：培った撮影技術
動画撮影をしたことがある方はご存知かと思いますが、動画撮影は難しい部分も多く、カメラアングルはもちろん、照明にもコツが必要です。ヒューマンサイエンスには2000年から20年以上培ってきた撮影技術があるので、対象に合った動画撮影が可能です。
動画マニュアル・映像コンテンツ作成

特長④：マニュアル化だけでなく、定着支援も重視
ヒューマンサイエンスは、マニュアル作成にとどまらず、”定着化”という重要な段階にも注力しております。マニュアル作成後も、定期的な更新やマニュアル作成セミナーを通じて、マニュアルの定着を支援してまいります。多岐にわたる施策により、現場でのマニュアルの有効活用をサポートいたします。
マニュアル作成セミナー| ヒューマンサイエンス

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このブログがわかりやすいマニュアル作成のヒントになれば、うれしく思います。