高速かつ正確なアノテーション作業をアウトソーシング化で実現
機械学習システムの精度・信頼性を確保

住友重機械工業様

アノテーション

高速かつ正確なアノテーション作業をアウトソーシング化で実現
機械学習システムの精度・信頼性を確保

 

取材ご協力:住友重機械工業株式会社 技術研究所 因藤 雅人 様

住友重機械工業株式会社 概要

・設立:1934年11月1日

・資本金:308億7,165万円(2022年12月31日現在)

・従業員数:連結:25,211人(2022年12月31日現在)

・事業内容:総合機械メーカーとして、一般産業機械から最先端の精密機械、さらに建設機械、船舶、環境・プラント機器まで包括的なソリューションを提供。

ご利用サービス

・アノテーションサービス

住友重機械工業株式会社 概要

HS:まずは、御社の事業全体について教えてください。


因藤様:はい。当社は、一般産業機械から最先端の精密機械、さらに建設機械、船舶、環境・プラント機器までカバーする総合機械メーカーです。ナノテクノロジーから巨大構造物まで様々な分野に展開され、「動かし、制御する」技術を駆使し、社会インフラのさまざまな場所で貢献しています。


HS:総合機械メーカーの中で、因藤様が所属されている技術研究所は、どのような役割を持っているのでしょうか?また、特に注力していることはありますか?


因藤様:私たちは市場、顧客、そしてメガトレンドを注視することで、将来の展望に基づいた研究開発に力を入れています。注力分野は、世界的な流れでもある「環境・エネルギー」と「自動化・デジタライゼーション」で、これらに重点を置いて取り組んでいます。


HS:その中で因藤様はどのようなミッションを持たれているのでしょうか?


因藤様:弊社では、自動化・デジタライゼーションの取り組みを加速するため、製品群を横断して機能開発ができる共通基盤プラットフォーム「SHICuTe(シキュート)」(※1)を開発しました。このシステムに集まる各種運転データなどを分析、活用することで、お客様のさまざまなニーズにお応えし、業務を支援する機能を開発することがミッションとなっています。

導入前の課題

HS:アノテーションを外注しようとしたきっかけを教えてください。


因藤様:先ほど説明したように、現在弊社では、様々なデータを収集し、価値創出の検討を始めています。稼働データは常時増え続けていくため、機械学習を利用した効率的な処理が必須になります。この機械学習システムを作成するには、データに対する意味づけ(アノテーション)が必須となります。
機械学習システムの精度・信頼度は、データに対する意味付けの精度とデータ量に大きく左右されるため、正確なアノテーションをいかに高速に行うかが課題となっていました。そのため、機械学習で利用するデータのアノテーション経験がある御社へ依頼しました。


HS:ご依頼いただく前の具体的な課題は何でしたか?


因藤様:システムがまだ開発フェーズなのもあり、自分自身でアノテーションしていたのですが、一人ではどうしても速度が足りません。また、アノテーションは単純作業と思われていますが、前述したように、正確さがそのまま作成する機械学習の精度に影響するため、チェック体制やトレーニングなど、社内で体制化することが難しいということがありました。


HS:作業ボリュームと、業務の専門性から、外部サービスを使ってスピードアップさせようという狙いがあったのですね。

ヒューマンサイエンスを選んだ理由

HS:依頼先の選定プロセスと、弊社を選んでいただいた理由はどのようなものでしょうか。


因藤様:まず、インターネットや展示会などの情報をもとに候補をリスト化し、対応実績などを元に複数社に声掛けを行いました。御社からの説明を受けたときに、アノテーション作業に対して、工数、品質、費用、体制などに関する問題意識が記載されていた内容が、私の感じているものと同じだったことが決め手になりました。


HS:なるほど、弊社の資料にあるアノテーションの重要性が、因藤様の感じているものと同じであったため、弊社に依頼したいと思われたのですね。ありがとうございます。


HS:弊社に依頼するにあたって何か心配事や懸念点はありましたか?


因藤様:先ほど述べたように、品質やプロセスに関する点は説明があったため、心配なかったのですが、アノテーションの外部委託が初めてだったため、コスト感がピンと来ていない点に懸念を持っておりました。


HS:予算をどの程度準備すればよいか分からないというところでしょうか?


因藤様:そうですね。必要データ数に対してどの程度予算を準備すればわからなかったのですが、御社では、アノテータの教育や管理コスト、1データ実施あたりの単価、チェック回数などで複数の提案をいただけなので、目的と決まった予算の中で検討できたことがありがたかったです。また、データの秘匿性の課題があり、国内で対応できる点も選定ポイントの一つでした。


HS:ありがとうございます。

導入効果とヒューマンサイエンスへの評価

HS:作業の開始から完了までの進め方ついてお伺いします。流れの中で感じられたことがありましたら教えてください。


因藤様:キックオフ時に、コミュニケーション計画や、コミュニケーション手段を検討することができましたので、双方無理のない方法でスタートできました。途中、アノテーション定義書に沿わない曖昧なデータがあった際や、アノテータごとでバラつきが出やすい項目に関して、率直な指摘をいただいたことで、定義を見直すこともでき、スムーズに進行できたと思います。


HS:ありがとうございます。三次元空間を二次元に射影している画像のポイントアノテーション(定義場所の指示)では、奥行きを考慮しなければならないため、人ごとに判断が異なることが多く、お互いの認識を合わせるのが難しいですからね。


因藤様:微小なズレや定義の認識違いが、機械学習の精度に影響を与えることを強く意識していただいていたことで、安心して作業をお任せすることができました。


HS:ありがとうございます。


HS:弊社のサービスレベルについて、改善点があれば教えていただけますか?


因藤様:そうですね。画像のセグメンテーションや分類など、一般的な事例に関してはアノテーションツールを紹介いただいたり、アノテーションに向いたデータ形式への変換提案いただくなどで、ノウハウを生かしたコストダウンや速度上昇の提案をしていただけるとありがたいです。


今後の展望について

HS:先ほどのお話から、今後の展望について教えていただけますか?


因藤様:今後は機種展開も広がり、収集されるデータ量がますます増えていくことになります。画像だけでなく、時系列波形や自然言語など、さまざまなデータに対応できる必要があります。


因藤様:少子高齢化や人不足によって、専門家の判断や作業をAIに代替させることが、各所で期待されていますが、これは、データに対する意味付けの精度が、その業務の専門家並みでなければならないことに他なりません。


因藤様:世界的な流れでもありますが、弊社もDXを推進していく方針です。ベースとなるIoT技術の発展と共に、加速度的に増加していくデータに対し、意味づけを行うことはこれからの社会で必須の業務となっていくのではないでしょうか。


HS:はい。おっしゃる通りだと思います。これからの労働力不足などの課題に対してAI、それを支えるアノテーションは無くてはならないものと、我々も考えています。
またそういった課題を解決すべく、DXやAIを推進するお客様に寄り添って、単にアノテーションサービスのみでなく、それにまつわるご提案も含めて我々が持っているノウハウを駆使して、何かお手伝いできればと考えています。何でも遠慮なくおっしゃっていただければと思います。


HS:今回は御社と一緒に仕事させていただくことで、色々細かいところを含めて勉強させていただきました。本当に感謝の現場共々感謝しております。今後も、様々なデータのアノテーションのお手伝いをさせていただければと思っています。 ありがとうございました。

 

 

※1 住友重機械グループ共通基盤プラットフォーム「SHICuTe」の開発および建設現場での活用事例の紹介(プレスリリース)
https://www.shi.co.jp/info/2021/6kgpsq000000li2h.html

 

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