アノテーション委託で効率化、品質向上、コスト削減を実現 ――分業によりAI開発の作業効率が改善、開発期間の短縮化に貢献

SCSK株式会社様

アノテーション

アノテーション委託で効率化、品質向上、コスト削減を実現 ――分業によりAI開発の作業効率が改善、開発期間の短縮化に貢献

 


取材ご協力:ビジネスデザイングループ統括本部 事業開発部 川上 啓太 様

SCSK株式会社 概要

・設立:1969年10月25日

・資本金:21,285百万円

・従業員数:15,328名 (連結)、8,470名(単体)(2023年3月31日現在)

・事業内容:SCSK株式会社は、コンサルティング、システム開発、検証サービス、ITインフラ構築、ITマネジメント、ITハード・ソフト販売、BPO(Business Process Outsourcing)まで、ビジネスに必要なすべてのITサービスを、フルラインアップでご提供します。

ご利用サービス

・アノテーションサービス

導入前の課題

HS:弊社に依頼したプロジェクト・委託内容について教えてください。


川上様:ある業界にて人手で運用している保守業務の効率化を目的とした、AIでの異常検知を実証するプロジェクトとなります。

委託内容は以下の3点です。
・アノテーション(矩形/セマンティックセグメンテーション)
・ピックアップ(対象物が写っている画像を選定)
・収集が難しい異常画像の生成(画像生成AI、画像編集ソフトなどにより合成画像を生成)


HS:プロジェクトに取り組む中で、抱えられていた課題感があればご教示ください。


川上様:はい、課題がいくつかありました。まず、昨年度はアノテーション作業の半分は自社内で、残り半分は社外の企業に委託していました。

<アノテーションに費やされる時間の増加>
1つ目は、人手不足です。アノテーション作業は非常に労力と時間がかかるため、私たちのチームの人数で作業を行うのが難しかったことです。

<アノテーションを高品質化させることで、AI精度の向上を図る>
2つ目は、これまでの体制はアノテーションの専門家ではなかったため、誰が行っても結果が同じになるようなアノテーション基準の策定、ブラッシュアップをすることが難しく、アノテーション成果物の品質にもバラつきが見られました。アノテーション品質の低さが、AI精度が向上しない原因の一つとなっていました。

ヒューマンサイエンスを選んだ理由

HS:HSにご依頼されたきっかけについて教えていただけますでしょうか。


川上様:はい。これまでの課題に対処するため、知見のあるアノテーション業者に委託することを検討し始めましたが、当時アノテーション作業を行う企業は、弊社内の委託先として登録されていない状況でした。
そこで、まずアノテーションを行っている企業の調査から始めました。最初に約60社ピックアップし、資料請求などを行いました。この段階で、経営状況、財政面、信用度、業界シェア、将来性、リスク等の観点で約40社に絞り込みを行い、さらに20の評価基準を設定してポイントをつけ、最終的な候補として10社まで絞り込みました。

その後、これらの選定された企業と直接コンタクトをとり、詳細なヒアリングや、アノテーションのトライアルを実施し、最終的に3社に絞り込んだ上で、御社を選定しました。

HS:弊社をご選定いただいた最大のポイントをお聞かせください。


川上様:最も重要な観点の一つは、長期的な取引関係を築ける企業を見つけることでした。この案件だけでなく、将来的にもSCSKとして様々な部門からのアノテーション作業の委託する可能性があるため、複数の案件や大規模の案件にも対応できる体制を備えている企業を選定する必要がありました。

また御社に依頼することで、これまで抱えていた品質などの課題を解決し、共同で作業を進める中で、私たちもその知識を吸収し、最終的にはAIの精度向上に貢献できるのでは、と期待していました。

導入効果とヒューマンサイエンスへの評価

HS:導入後に得られた効果はございましたか。


川上様:御社に依頼したきっかけや、御社への期待の裏返しになりますが、以下のようなことに効果がありました。

<1.AI開発作業に専念できるように>
内製でアノテーション作業を行っていた際には、多くの時間がかかっていました。アノテーションの基準を確立するのが難しく、何度も見直しや無駄な作業が発生していました。アノテーション作業の外部委託により、私たちはAI開発に専念できる環境を整えることができました。これにより、開発に必要なリソースを集中的に投入でき、開発効率が向上しました。アノテーション作業から解放されたことで、開発における優先度を高めることができました。

<2.内製するよりも高品質のアノテーション成果物が得られた>
アノテーションの品質についても、内製では難しかった高品質な成果物を期待していました。こちらで準備した基準書を元に、作業進める中で発生する御社と弊社間でのQ&Aやフィードバックを集約していたくことで、更に基準が明確になりました。その結果、内製で行うよりアノテーションの品質が向上し、AIの精度向上に大きく寄与しました。

<3.分業により開発期間短縮を実現>
自社で確保できるエンジニアの数は限られるため、アノテーション作業とAI開発を並行して行うことは、開発期間的な余裕もなく難しい課題でした。しかし、御社にアノテーション作業を委託し分業することで、本来注力すべきであるAIモデル開発及び精度向上に専念でき、短期間でAI対応案件を成功させることができました。

<4.アノテーション作業に関する知見の獲得>
アノテーションの知見共有についても、御社から多くのことを得ました。具体的なアノテーション作業方法や作業行う上での観点、使用ツール等、打合せを重ねる中で教えていただきました。特に今回は、具体的なセグメンテーションの方法や、作業効率を向上させる具体的な方法などをデモ、レクチャーをしていただき、私たちの知見向上につながりました。そういった点でも御社を評価しております。

<5.コスト削減>
最後に、コスト面でもメリットを得ることができ、プロジェクトの採算に寄与しました。総合的に見て、アノテーション作業の外部委託は、多くの面でポジティブな影響をもたらしたと評価しています。


HS:導入時から、導入後の現在に至るまでの弊社の使用感、弊社への評価についてお聞かせください。


川上様:正直、御社に対して課題と感じるところがほとんどなく、今のところ満足しているところしかありません。非常に良い印象を持っています。アノテーションについては、今後も予算が許す限り、極力御社にお願いしたいと考えております。

今後の展望について

HS:今後の弊社サービスの活用イメージや展望がありましたらお聞かせください。


川上様:やはり今後は世間のAI技術の増加や向上と共に、弊社でもよりAI技術の活用が必要になると感じています。そういった点で御社とは長いお付き合いをさせていただきたいと感じています。
現在、それぞれの部署でAI開発を行っていますが 、御社にアノテーション作業を委託できるということを把握しておらず、内製で行っている可能性もあるため、御社のアノテーションサービスを利用する多くのメリットをSCSK全体のためにも積極的にアピールし、発信していくべきだと考えています。


HS:より効率良く結果を出せるようになったということで弊社を選んでいただき、嬉しく思います。弊社はお客様と長期的なパートナーシップを築き、寄り添って伴走していくことを大切にしています。御社のベンダー選定が御社の価値観とマッチしたことを誇りに思います。今後ともお手伝いできることがあれば何でもお気軽にご相談ください。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

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