
製薬企業、医療機器メーカーにとって薬事申請は、いうまでもなく必要不可欠な業務です。本ブログでは薬事申請とは何か、薬事申請の際に翻訳が必要となる文書は何か、また翻訳業者の選定ポイントについてご紹介いたします。
- 目次
1. 薬事申請とは?薬事申請で翻訳が必要となる理由は?

1-1. 薬事申請とは何か?
薬事申請とは、医薬品や医療機器を市場に出すために規制当局(日本では厚生労働省やPMDA)に提出する正式な申請のことを指します。
医薬品の薬事申請文書には、治験で得られた医薬品の安全性、有効性、品質に関するデータが含まれ、これに基づいて規制当局が新薬を承認するかどうかを判断します。
一方、医療機器の薬事申請も、収集したデータをもとに規制当局に文書を提出し、製造・販売の承認を得ることを目的としていますが、必要とされる文書や審査内容等が医薬品とは異なります。
2. 医薬品・医療機器の薬事申請文書

2-1. 医薬品の薬事申請文書
医薬品の薬事申請においては、薬の体内動態、毒性、安全性、有効性を詳細に評価するための試験データが必要となります。
また、治験で得られた医薬品の安全性、有効性、品質に関する文書や臨床試験報告書も必要です。
なお、医薬品の承認申請においては、世界共通の様式(CTD:Common Technical Document)で品質、非臨床試験成績及び臨床試験成績等の資料を作成することが、2000年にICHで合意され、日本では2003年にCTDの適用が義務化されています。
これは承認や承認を得るための準備・手続きを効率的かつ迅速に行い、早期の新薬発売を実現するためのものといえます。
2-2. 医療機器の薬事申請文書
一方、医療機器の薬事申請では、リスクマネジメント、設計・開発、製造プロセスに関連する詳細な文書が特に重要となります。
医療機器では、それぞれの機器のリスクの程度に応じて分類(クラスI、II、III、IV)がなされ、それに応じたリスク分析、リスクマネジメントなどについての文書が作成されます。
また、技術文書(製品仕様書、試験結果、製造方法、品質管理システムなど)も準備・提出されます。
3. 薬事申請文書の翻訳の難しさと効率的に翻訳を進める方法

3-1. 薬事申請文書の翻訳の難しさ
以前公開したブログで、「医療翻訳・医薬翻訳が重要な理由」、「医療翻訳の難しさと注意すべきこと」についてご紹介しました。
そこでは、
●医薬品・医療機器の国際的な導入のために、各国の厳しい規制に準拠した文書である必要がある
●医療分野等における専門性の高い情報を迅速・正確に翻訳する必要がある
ことなどについてご紹介しました。これらについては、薬事申請文書の翻訳の難しさにも共通しますので、ぜひご一読いただければと思います。
【関連ブログ】医療・医薬翻訳 とは?翻訳が難しい理由と、依頼先の選定ポイント
また、以下のブログでも、国際共同治験では迅速な対応が求められることについてご紹介しました。こちらもご覧ください。
【関連ブログ】翻訳におけるローカライズとは?医療翻訳との関連についても解説!
3-2. 薬事申請文書の翻訳を効率的に進める方法
薬事申請業務では、高度な内容の文書を正確・迅速に翻訳する必要があり、精密かつ効率的に進めることがカギとなります。
そのためには、
●医療分野・薬事申請文書の知識・経験が豊富な翻訳者を活用する
●迅速性・効率性・チェック体制は、機械翻訳・翻訳支援ツールなどのテクノロジーを活用する
といったことが肝要といえます。
3-3. 薬事申請文書の翻訳はヒューマンサイエンスにお任せください
多くの場合、薬事申請文書の翻訳は、医療翻訳会社への依頼を検討することになるでしょう。
しかし翻訳会社の選定は慎重に行う必要があります。
ヒューマンサイエンスは、薬事申請文書の翻訳に求められる以下の要件を備えています。
●高い専門性の知識と医療分野の経験豊富な翻訳者を揃えた会社
●薬事申請や治験関連の翻訳の実績が豊富な会社
●テクノロジーを備えたソリューションを提供できる会社
ヒューマンサイエンスでは、医薬翻訳サービスにおいて薬事申請文書などの医療翻訳サービスを承っております。
翻訳支援ツール、機械翻訳、チェックツールの実績とノウハウを蓄積し、多くの翻訳・ドキュメント制作を手掛け、人×テクノロジーで短納期・高品質な翻訳をご提供可能です。
ご興味などございましたら、是非お気軽にお問合わせください。