2020年3月19日に独DeepL社が提供する自動翻訳サービスが日本語と中国語に対応しました。
DeepLとは
DeepL翻訳は、ドイツに本社がありますDeepL社が提供する機械学習を用いた人工知能によるオンライン翻訳サービスです。
2020年にDeepL翻訳に搭載されたニューラルネットワークが大幅に改善され、他の翻訳サービスと比較してより細かいニュアンスの表現が行えるようになり、 DeepLの翻訳精度の高さが評判になっています。
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これまでもDeepLの高い翻訳精度は海外では評判でしたが、対応言語が欧州言語に限定されていたため、日本で使用されることはほとんどありませんでした。
それが日本語に対応したことで、日本でもDeepLを試した人や、他の翻訳サービスとDeepLを比較する人が増えてきています。
Twitterやネットのニュースメディアでも取り上げられており、 DeepLとGoogle翻訳を比較し、 DeepLの方が精度が高いと評判になっています。
弊社のお客様からも「DeepLを試用したい」「業務に導入したい」という要望を頂いています。
この記事では、DeepLをビジネスメールの翻訳に利用できるかどうか、弊社で検証した結果をご紹介します。
社内で日常的に発生する翻訳として、海外拠点や海外のお客様との間でやりとりするメールが挙げられます。
そこで日本語のメールを英語に自動翻訳してDeepL、Google、Microsoft各社の翻訳精度を比較しました。
目次
1. DeepL の翻訳精度評価方法
弊社内のメールから100文を抽出し、以下の4段階で訳文を評価しました。人手による評価です。
・Excellent: 原文の意味が過不足無く正しく訳されている。
・Good: いくつかの単語が間違っている、または抜けているが、文の大意は正しく訳されている。
・Medium: 部分的には正しく訳されているが、文全体の意味が間違っている。
・Poor: 文全体が間違って訳されている。
2. DeepL の翻訳精度評価結果
1位はDeepLでした。
訳文をほぼそのまま利用できるExcellentとGoodを合わせると、DeepLが96文、Googleが89文、Microsoftが86文と、DeepLがもっとも高いスコアとなりました。
普段の業務でメールにかける時間はかなりの割合を占めますが、DeepLを使用することで、メールの翻訳作業を大きく効率化できることが期待できます。
DeepL 翻訳精度検証レポート
3. DeepL のセキュリティについて
DeepLの自動翻訳サービスには無料版の「DeepL翻訳」と有料版の「DeepL Pro」があります。
無料版の「DeepL翻訳」はウェブサイトから気軽に使用できますが、「DeepL翻訳」のプライバシーポリシーを確認すると「入力したテキストとその翻訳は、翻訳アルゴリズムの強化及び性能向上を目的として、一定期間保存されます」とあり、原文と訳文が別の目的に流用されることが分かります。
機密情報が含まれるメールの内容を「DeepL翻訳」で翻訳するのはセキュリティ上非常に問題があります。
有料版の「DeepL Pro」のプライバシーポリシーには「入力したテキストと訳文はサーバーに保存されることはなく、翻訳時にのみ使用されます」とあり、原文と訳文は別の目的に流用されません。
DeepLを使用して機密情報を翻訳する場合、DeepL社と「DeepL Pro」を契約して使用することがセキュリティを担保する上で必須です。
自動翻訳のセキュリティーは
大丈夫か?
4. DeepL を利用するには?
前述の「DeepL Pro」を契約する以外に、「DeepL Pro」と連携した自動翻訳ツールを使用するという選択肢があります。
DeepLと連携した自動翻訳製品「MTrans for Office(エムトランス フォー オフィス)であれば、API接続のため情報流出のリスクなく、DeepLを活用することができます。
ワード、エクセル、パワーポイント、アウトルックからワンクリックで翻訳できるため工数削減にも繋がります。
14日間の無料トライアルで、品質と使い勝手を試してみてはいかがでしょうか?
Officeをかんたん翻訳ソフトMTrans for Officeとは
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ワンクリックで翻訳できるMTrans for Officeは、OutlookなどのMicrosoft Office製品向けプラグインです。対応翻訳エンジンはDeepLおよびGoogle、さらにChatGPT連携機能も搭載しております。
説明いらずで、すぐに使える直感的なインターフェースとなっており、インターネットに接続できれば、国内、海外、どこにいてもスタッフ全員がカンタンにMTransを使ってOffice製品の翻訳をすることが可能です。
ChatGPTによる書き起こし、書き換え、要約、文章校正、辞書機能で、更に便利になりました。
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執筆者情報
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中山 雄貴ランゲージソリューション部
ローカリゼーショングループ
自動翻訳チームリーダー- ・15年以上にわたって翻訳、レビュー業務を担当しつつ、自動翻訳技術の開発、導入支援を行う。
- ・お客様と社内のポストエディット案件の品質と効率を技術的に改善。
- ・JTF翻訳祭、TCシンポジウム、AAMT、TAUS、LocWorld等、日本および海外での発表多数。
- ・『通訳・翻訳ジャーナル』『産業翻訳パーフェクトガイド』に機械翻訳に関する記事を寄稿(いずれもイカロス出版)。