
取材ご協力:探索事業開発推進第2部 モビリティ探索事業開発推進第3課 主幹 武井 様
株式会社ブリヂストン 概要
・設立:1931年
・資本金:1,263億5,400万円(2024年12月31日現在)
・事業内容:プレミアムタイヤ事業、ソリューション事業、化工品・多角化事業、探索事業
ご利用サービス
・アノテーション業務支援サービス
プロジェクトの背景・課題
――HS:今回、ヒューマンサイエンスにアノテーションをご依頼された(アノテーションを外注化しようとした)背景をお聞かせいただけますか?
武井様:私はタイヤのエンジニアをしており、現物現場でモノを深く見続けたエンジニアしか気づくことが難しい官能評価による情報がありますが、これらは正確性や工数の観点からデータ化が困難でした。
AI化することで時間をかけずに定量・数値化することで、様々な解析ができ、結果的に開発やタイヤの使い方の提案に還元できるような取り組みをしています。
そこで大量のデータが必要になるのですが、内製で行うにしても、現状アノテーションスキルを有するものは多くなく、また難易度や時間の制限があるため、外注をしてアノテーションプロの方に大量のデータをこなしてもらおうとしたのが背景です。
ヒューマンサイエンスを選んだ理由
――HS:外部に依頼されることを決めた際、何社か比較されたとのことでしたが、最終的に弊社を選んでいただいた理由を教えていただけますか?
武井様:複数社と面談をしましたが、ヒューマンサイエンスさんは説明が非常にシンプルで、信頼できると感じました。
過剰な売り文句がなくて、できること・できないことを率直に伝えてくれる感じがあって、スムーズに進められるなと思ったのを覚えています。
――HS:見積等で他社と比較されたと思います。弊社はおそらく一番安くはなかったんじゃないかなと思いますが、どのように検討されて決めていただいたのか伺いできますでしょうか?
武井様:今回は難易度が非常に高いものが多く、アノテーションを進めながら、都度仕様をすり合わせていく必要がありました。
そのようなタスクに対し、相談の時点から最も柔軟にやっていただける事を確信でき、押さえている予算と必要な納期の中で狙いの結果が得られると思えたのがヒューマンサイエンスさんでした。
実際のやりとり・進め方
――HS:実際のやり取りの中で、印象に残っていることなどがあればお聞かせください。
武井様:週1回の定例ミーティングをはじめ、クラウドで共有されたエクセルのQ&Aシートでのやり取りが、逆にシンプルで非常にやりやすかったです。
こちらが伝えた内容に対して「こういう解釈で良いですか?」と丁寧に確認してくれたり、逆に迷っている点をコメントで残してくれたり。
複数の担当者の方がいらっしゃったと思うのですが、コメントの内容から個性の違いも見えて、できるだけチーム内で解決を図りながら対応してくださっているのが伝わってきました。
何かあれば「エクセルのQ&Aシートに書けば伝わる」という信頼感がありました。
アノテーションデータの活用で業務効率が大幅に向上
――HS:納品されたデータを活用してみて、社内での反響や効果を実感された場面はありましたか?
武井様:納品いただいたアノテーションデータは、さっそく社内でのモデル開発に活用が始まっています。これまで人手で対応していた解析が自動化され、開発効率が大きく向上しました。
従来は多くの時間と労力をかけて処理していた内容が、今ではスムーズに進められるようになっており、現場の担当者からも非常に前向きな反応が出ています。まるで魔法のような解析ができるようになった、とうれしい言葉ももらえました。
ヒューマンサイエンスへの評価
――HS:今回のプロジェクト全体を振り返り、ヒューマンサイエンスへのご依頼に際して感じられた改善点や、良かったと感じた点があれば教えてください。
武井様:まず改善点としては、こちら側の問題でもあるのですが、もう少し準備期間を確保して臨めたらよかったなと。限られた時間の中で、難しいことを承知で柔軟にやっていただいたので、今後はより余裕を持って依頼したいと思っています。
また、ヒューマンサイエンスさん側にエンジニアリングの知識を持つ方がもう少し加わってくださると、具体的なアドバイスが増えるのではと思いました。
一方で、私個人の感覚にもなるかもしれませんが、「楽しかった」というのが率直な感想です。
最初にヒューマンサイエンスさんとコンタクトを取ったときは、「アノテーションの会社」だと思っていました。あとで調べてみて、マニュアルやeラーニングなど幅広いサービスを手掛けていると知り、ヒューマンサイエンスさんの丁寧で柔軟な姿勢は、教育やマニュアル制作で培った強みなのかなと納得しました。
今後の展望について
――HS:今後の展望や、広げていきたい取り組みなどがあれば教えてください。
武井様:はい。今回のアノテーションの結果は、本当に大きな資産だと感じています。
AI業界では「データがすべて」と言われますが、整理されていて、必要な情報が揃った教師データを多く持っている組織がやはり強いです。今回のように整理された教師データは、さまざまなモデルに応用できる可能性があります。
こうした資産を活用するためには、現場をよく理解した人材が、少しのスキルアップでモデルを作れるようになることが理想です。単なるデータサイエンティストではなく、業務知識を持つ人が活躍できる環境をつくっていきたいと思っています。
将来的には、社内でもアノテーションできる人材を育てつつ、リソースが不足する場面ではヒューマンサイエンスさんのような外部パートナーにお願いできる、柔軟な体制を目指したいと考えています。
――HS:ありがとうございます。お役に立てるよう、今後も引き続き支援させていただければと思います。
ヒューマンサイエンス担当者より
ブリヂストン様との今回のプロジェクトは、「エンジニアの感覚」をデータに落とし込むという非常にチャレンジングな取り組みでした。
一つひとつのやり取りを大切にしながら、共に高い完成度を目指せたことを嬉しく思います。
これからも“技術と現場の橋渡し”役として、お客様のビジネスに貢献してまいります。


