- 目次
- 1. いま第四次産業革命の真っ只中ということをご存知でしたか?
- 2. 翻訳の現場にもAIが導入され始めています
- 3. とはいっても、機械翻訳でどれだけ生産性が上がるのでしょうか?
- 4. 翻訳の生産性が上がることで得られるメリット
- 5. 機械翻訳を効果的に活用するには
1. いま第四次産業革命の真っ只中ということをご存知でしたか?
1700年台後半から1800年台前半にかけて、イギリスで起こったのが第一次産業革命です。蒸気機関や紡績機などの誕生により、交通や製造に関する技術が急速に進化しました。紡績機の誕生には、急激に増加した綿織物への需要に対応するソリューションが必要だったという背景があります。
その後も、1800年代後半から1900年代前半にかけて米国・ドイツを中心にした第二次産業革命(ガソリンエンジン、電気など)、1900年台後半からは第三次産業革命(コンピューター)がありました。
そして、2000年台には人工知能(AI)を主軸とした第四次産業革命が到来し、現在も進行しています。
それぞれの産業革命によって開発されるものや背景は異なりますが、いつの時代でも共通しているのは、生産性の向上に対する「飽くなき追求」ということではないでしょうか。
2. 翻訳の現場にもAIが導入され始めています
それが機械翻訳です。
機械翻訳の技術自体は以前から存在していましたが、少なくとも日本語からの翻訳、日本語への翻訳という使い方ではあまり効果を得られませんでした。 そこに登場したのが、ニューラルネットワークが活用された翻訳技術のニューラル機械翻訳(NMT)です。これまでの機械翻訳の技術よりも精度が格段に向上しています。2016年にGoogle社が公開したGoogle翻訳を皮切りに、複数の企業がNMTを発表し、サービスの提供が始まっています。
NMTは、日本語の翻訳精度も非常に高く、翻訳業務の生産性向上も期待できます。
3. とはいっても、機械翻訳でどれだけ生産性が上がるのでしょうか?
日常的に翻訳を行っているプロの翻訳者を例に挙げます。
一般的に、プロの翻訳者が英語から他の言語に翻訳できる分量は1日(8時間)あたり2,000ワード(250ワード/1時間)(*)と言われています。 たとえば、ヒューマンサイエンスの機械翻訳の英文ページが約1,000ワードなので、プロの翻訳者はこのページを1日に2回翻訳できることになります。
また、場合によっては翻訳に間違いがないことを確認するために、翻訳者とは別の作業者がレビュー(翻訳の見直し+修正)を行う場合があります。2,000ワードのレビューには半日ほどかかる(*)と言われているので、ヒトだけで2,000ワードのファイルの翻訳を行うと、合計で1.5日かかるという計算になります。
では、機械翻訳を活用するとどれくらい時間が短縮されるのでしょうか。
機械翻訳がワークフローに組み込まれる場合、翻訳のステップは機械が行うので、丸1日かかっていた2,000ワードの翻訳もわずか5分で終わります。
ただし、機械翻訳の内容をそのまま使用したり、公開したりするのは不安という場合もあります。そこで、ポストエディットという工程をワークフローに追加します。
ポストエディットとは、機械翻訳の内容を確認し、必要に応じて修正して、ヒトが翻訳したときと同じような結果に近づける作業のことです。
英語から日本語へのポストエディットの平均処理量は3,000ワードとも4,000ワード(*)とも言われていますが、ここでは仮に1日3,000ワード(375ワード/時間)としてみましょう。その場合、2,000ワードのファイルであれば、機械翻訳の処理を入れても、約5時間半で終わることになります。
*:1日あたりの翻訳・レビュー・ポストエディットの処理量は、翻訳対象の資料・コンテンツの種類や求められる品質レベル、その他の条件により異なります。
4. 翻訳の生産性が上がることで得られるメリット
企業によっては、人手が足りなかったり、時間がなかったりという理由で翻訳できていない資料やコンテンツがたくさんあるのではないでしょうか。ただ、翻訳しないままでいると、グローバルビジネスの機会を逃してしまうかもしれません。
ある調査(英語)によると、オンラインで買い物をするユーザーの72.4%が「製品紹介が自分の言葉で書かれていると購買意欲が増す」と回答し、ユーザーの56.2%は「自分の言葉で書かれていることが購入価格よりも重要」と答えたということです。
つまり、製品紹介のページや記事を翻訳することでビジネスチャンス拡大につながる可能性があると言えます。
機械翻訳+ポストエディットというワークフローで翻訳を進めると、1か月(20営業日)あたりだと、ヒトだけで翻訳する場合に比べて約2倍の量を処理できます。
翻訳量だけではなく公開までの期間も短縮できるというメリットもあります。これまでよりも半分の期間でコンテンツや資料を公開できるようになるので、いち早くユーザーにリーチすることが可能になります。
5. 機械翻訳を効果的に活用するには
翻訳とレビューの両方をヒトが行うという従来のワークフローに対し、機械翻訳を用いたワークフローでは翻訳を機械が行い、その手直し(ポストエディット)をヒトが行います。
そのため、これまでの作業工程を見直す必要があります。
また、ポストエディットに時間をかけすぎてしまうことで、修正が重なり、機械翻訳による効率化のメリットが低減する可能性があります。
そのため、ポストエディットのレベルを定義し、修正対象の範囲について作業者が事前に共通の認識を持つことで、ムダな作業を抑えて一定の翻訳品質を保つようにしなければなりません。
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