独DeepL社が提供する自動翻訳サービスが3月に日本語と中国語に対応しました。
前回の記事に続いて、DeepL/Google/Microsoft/Amazon各社が提供する機械翻訳サービスを使って、医療翻訳を対象にDeepLの翻訳精度を検証します。
1. DeepL 評価方法
・言語ペア:英日および日英
・対象文書:独立行政法人医薬品医療機器総合機構で公開されている新薬認証申請書類
・評価分量:英文200文(約5,000単語)および和文200文(約16,000文字)
・評価基準:自動評価BLEUスコア
2. DeepL 評価結果
英日、日英の両方でDeepLが1位となりました。
専門用語が多い医療翻訳においてもDeepLを使用することで翻訳期間を短縮できることが期待できます。
ただし、他社の機械翻訳と同様に、誤訳、訳抜けが存在するため、機械翻訳実行後に、人による確認、修正作業(ポストエディット作業)は必須です。
英語から日本語への翻訳

日本語から英語への翻訳

3. DeepL のセキュリティについて
無料版の「DeepL翻訳」はウェブサイトから気軽に使用できますが、「DeepL翻訳」のプライバシーポリシーを確認すると「入力したテキストとその翻訳は、翻訳アルゴリズムの強化及び性能向上を目的として、一定期間保存されます」とあり、原文と訳文が別の目的に流用されることが分かります。
機密情報が含まれる申請書類の内容を「DeepL翻訳」で翻訳するのは非常に問題があります。
有料版の「DeepL Pro」のプライバシーポリシーには「入力したテキストと訳文はサーバーに保存されることはなく、翻訳時にのみ使用されます」とあり、原文と訳文は別の目的に流用されません。
機密情報を翻訳する場合、DeepL社と「DeepL Pro」を契約して、使用することが必須です。
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4. DeepL を利用するには?
前述の「DeepL Pro」を契約する以外に、「DeepL Pro」と連携した自動翻訳ツールを使用するという選択肢があります。 DeepLと連携したAI搭載の翻訳ソフト「「MTrans for Office (エムトランス フォー オフィス)」であれば、API接続のため情報流出のリスクなく、DeepLを活用することができます。
Microsoft Office製品(Word・Excel・PowerPoint・Outlook)をワンクリックで翻訳でるため、工数削減にも繋がります。
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MTrans for Memsourceとは?
https://www.science.co.jp/nmt/service/memsource.html
MTrans for Tradosとは?
https://www.science.co.jp/nmt/service/nmt.html
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執筆者情報
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中山 雄貴ランゲージソリューション部
ローカリゼーショングループ
自動翻訳チームリーダー- ・15年以上にわたって翻訳、レビュー業務を担当しつつ、自動翻訳技術の開発、導入支援を行う。
- ・お客様と社内のポストエディット案件の品質と効率を技術的に改善。
- ・JTF翻訳祭、TCシンポジウム、AAMT、TAUS、LocWorld等、日本および海外での発表多数。
- ・『通訳・翻訳ジャーナル』『産業翻訳パーフェクトガイド』に機械翻訳に関する記事を寄稿(いずれもイカロス出版)。