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【スピンオフ】安さだけでは測れない「価格以上の見えない価値」~お客様に寄り添ったサービスを提供する想い、現場が守りたいモノづくりの姿勢~

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2025.10.31

【スピンオフ】安さだけでは測れない「価格以上の見えない価値」~お客様に寄り添ったサービスを提供する想い、現場が守りたいモノづくりの姿勢~

スピンオフブログ企画
――DX時代のAIを支えるアノテーション。そのアナログな現場のリアル
安さだけでは測れない「価格以上の見えない価値」
~お客様に寄り添ったサービスを提供する想い、現場が守りたいモノづくりの姿勢~

目次

これまで弊社ではアノテーションやAIに関する様々なブログを発信してきました。そこでは一般的な知識やノウハウを中心にお伝えしてきました。
アノテーションはその内容を言葉にしてみれば一見簡単なように思えますが、「曖昧性」を多く含んだ「人で行うことが避けられない作業」のため、どうしても人と人の関わりが多くなります。そのため、ある意味泥臭く、巷に溢れるきれいな理屈では済まないことが多く起こり、品質や生産性を確保するためには、実はさまざまな経験とノウハウ、それを実行できる人材が必要になります。
弊社の現場では、具体的にどういった対応や対策をしているか。通常のブログとは異なり、弊社ならではの特徴やこだわりなども含め、リアルな現場の実態をお伝えしたいと思います。

1. 価格競争の波にさらされるアノテーションの現場

昨今、アノテーションにおいては、益々価格競争が激しくなっています。アノテーションは一般的に比較的単純で誰でもできる作業と認知され、また表面的には差別化や付加価値を出しづらい労働提供型のサービスであるがゆえ、ある程度価格競争が避けられない部分はあります。我々のような中小企業にとって、付加価値を付けて他社の差別化を行うことが戦略の定石ではありますが、アノテーションということにフォーカスすると、差別化できる領域は存在するものの、結果的には価格競争になるような商談案件が多くを占めることになります。特に品質や対応力においては、いくらそこに実績や結果があり、訴求しアピールしても、どのアノテーションベンダーも同じように訴求しているので差別化とはならず、実際にお仕事をご一緒させてもらわないと、品質や対応力は、HPなどの情報だけではお客様にご理解いただけないのも無理はありません。

そのため、弊社としても、やはり価格競争に追従せざるを得ない部分もあります。しかしある一定のレベルまでは、品質と価格の両立を目指すことはできますが、それ以上のレベルになると、どうしても切り捨てざるを得ない部分が出てきます。

ただ、その中でも「ただ安いだけの仕事」にはしたくないというのが、アノテーションの現場を率いる私自身、またメンバーが抱いている本音です。「安心して任せられる品質や顧客へ寄り添った丁寧な対応」を届ける。ということを、どれだけ価格競争に揉まれ、割り切ろうとしても、どうしてもそこを捨てきれないのが、弊社の強みでもあり、弱みでもあります。

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2. ヒューマンサイエンスの現場が持つ”モノづくりのマインド”

マニュアル制作から始まり、翻訳、教育コンテンツ制作、コンサルティングと事業領域を広げてきた弊社ですが、そのモノづくりの現場には成果物の品質だけではなく、お客様と寄り添いながら顧客課題を解決し、サービスを提供することに喜びを感じている人材が多く在席しており、またそういった文化も根付いています。それが我々の特徴・強みでもあり、我々のパーパスを実現する「弊社のらしさ」にもなっています。
私がこの会社に来た当初、前職と比べて、プロジェクトマネージャー(PM)たちの顧客の要求に対応する姿勢に、最初は「ちょっとやり過ぎじゃない?」「そこまで対応しなくても。」と感じたことも事実です。しかし、それが結果的にお客様の信頼や安心感を得て今日につながっている、と実感するようになるには、そう時間が掛かりませんでした。

弊社の中で一番新しいアノテーションの現場もその例外ではなく、そういったモノづくりのマインドが脈々と生き続けていています。ただ、お客様が満足する成果物を作り上げることや、お客様に寄り添った丁寧な対応を行うには、やはり相応の時間や工数が掛かります。可能な限りそういった面を犠牲にせず、日々コストの改善を行っているとはいえ、どうしも価格や料金に転嫁せざるを得ず、まだまだ全てのお客様を満足させることが難しい一面があるのも事実です。

HumanScienceのパーパス

3. アノテーションの現場とPM育成

アノテーションの組織作りを始めた当初から、私の前職での経験をもとに、お客様の要求品質を満足させる仕組みとナレッジマネジメントを徹底し、継続的なコスト・品質改善活動を行ってきました。顧客の要求品質を実現するISO9001やPMBOKのフレームワークを取り入れ、それらをプロジェクトの運用で実践しています。またPMや担当が変われば品質や対応も変わる、といったことでは、弊社に依頼されるお客様の信用を得ることはできません。そういったことが無いように、PMが持つ知見やノウハウ、スキルのバラつきが無いようにPMの教育やナレッジマネジメントを徹底して実施し、どんなPMが対応しても同じ品質・対応が実現できるような組織作りを行ってきました。

例えば、弊社ではどんな小さな案件でもPMがプロジェクト計画書を作成し、部内全員参加のプロジェクトレビューや振返り会を実施することで、プロジェクトを経て得た知見やノウハウを形式知化するだけでなく暗黙知的なノウハウもメンバー全員で共有しています。まだまだ道半ばではありますが「仕組みが人を育て、人が仕組みを育てる」といった知識の利活用・蓄積のループを実践しています。
アノテーションのプロジェクトでそこまで必要ないんじゃないか?とも感じられるかもしれませんが、アノテーションはどうしても人による作業が避けられない仕事であるがゆえ、そのノウハウも属人化しやすいものです。OJTに偏重することなく、こういった仕組みやプロセスを実直に行うことが、PMを育て、結果的にお客様に信頼されるサービスや価値を提供する一番の近道であるとも考えています。

またアノテーションは仕様書等では表現しきれない曖昧性を多く含んだ仕事であるため、お客様の要求に応えるためには微妙なニュアンスをくみ取って正確に成果物に反映する必要があり、内外のコミュニケーションの重要性はより顕著なものになります。そのため、顧客対応という部分については「マネジメントホスピタリティ」というテーマを掲げ、丁寧なコミュニケーションを通じてお客様と寄り添いながら、要望を拾い上げることを重視し、サービスを提供してきました。またそれを実現するPMの育成も図ってきました。
その成果もあってか、我々とお仕事をご一緒させていただいた企業様からは品質や対応力については、全くと言っていいほど、ご指摘を受けたことはありません。

「価格については他社と比べ高いが、このレベルなら納得できる。」と言われることも多く、仕事をご一緒させていただいた、ほとんどのお客様からは継続的、リピート発注をいただいております。

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4. 低価格への取り組み

●価格競争激化の誤算と低価格化への取り組み

恥ずかしながら、アノテーション事業を始めた当初、ここまでの価格競争が激化するとは想像がついていませんでした。肌感ではありますが、年々その傾向は強くなっています。「高品質なサービスやお客様に寄り添った対応を続けていれば、おのずと結果につながってくる。」とある意味、過信やAI/アノテーション市場の特徴や展望を見誤っていた部分があったのだと思います。

当たり前と言えばそれまでですが、品質を重視するお客様もいる一方で価格を重視するお客様もいます。それはお客様のAI開発フェーズや、開発の目的、予算などによって当然、アノテーションに要求する品質や精度、費用も変わってきます。そのため、我々も品質一辺倒ではなく、柔軟にお客様の要望に沿って、価格・品質・納期のバランスに合ったサービスを実現し提供できる器用さを身につけなければなりませんし、そういった改善を重ねてきました。

以前のコラムでも述べた通り、品質とは何も成果物の「出来栄え」のみを差すものではなく、要は「お客様の満足の満たす度合い」です。そのため、お客様のご要望に応えるべく、価格や料金を構成するコスト改善へ向けたさまざまな継続的な取組や、お客様との商談の都度、コスト改善につながる対策やプロセスを検討した上でご提案を行っています。

ただ冒頭で述べた通り、品質と価格の両立は一定のレベルを超えると、どうしても切り捨てざるを得えない部分が出てきます。時には我々のこういったモノづくりのマインドが葛藤を生むことになります。

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●低価格化への取り組み~マネジメントコスト改善の中で~

上記でも述べた通り、弊社では継続的なコスト改善の取り組みを行っています。アノテーション作業そのものの効率化もそうですが、あるとき、プロジェクトマネージャー(PM)のマネジメントコストを下げ、お客様に提供するサービスの料金や価格を如何に下げるか?をテーマに話し合いを続けていました。
やはりPMの管理業務は、お客様にとって価値のあるサービスを効率的に提供するために必要なものには違いありませんが、お客様の要求にあった成果物やサービスを実現するプロセスで発生するものでもあり、その多くはお客様の立場にたってみれば、効率的かつ料金や価格に転嫁されるウェイトが少ないに越したことはありません。

あるミーティングの中で「PMは仕様理解や作業者へのフィードバック等、作業や作業者へ関与する工数を極力減らし、チェック担当者やサポートする人材に分担して進めるよう」私が改善の方向性を示しました。その際、PMから「PMはお客様の窓口であり、案件をスムーズに運用し、顧客の求めるQCDを満足させるようにコントールするのがPMの役目。PMが実際に作業をやってみて仕様や作業の内容・特性を理解しないと、お客様が求めている品質を実現できないし、お客様に適切な提案や質問もできない。また作業者やチェック担当者にも適切な指示ができません。」との発言がありました。

それを聞いた私は「そりゃ、そうだよね。」としか言えませんでした。特に難易度の高い案件ではそういったPM関与の必要性が顕著になります。その時は心の中で「目先のことにとらわれて、なんて大切なことを忘れていたのだろう。」「マネジャーとして見誤った方向性の提示をしてしまった。」と痛感しました。
以後は改善の方向性を改め、いまだ継続的にコスト改善への取り組みを行っていますが、このことは我々のモノづくりのマインドを端的に表していることとして、今でもその場面を鮮明に覚えています。

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5. 価格以上の見えない価値

コスト改善の取り組みを継続的に行っているとはいえ、正直なところ、競合他社と相見積になり価格勝負になると、失注することが多く、まだまだ価格は我々の弱みでもあります。我々の企業努力がまだ足りていないのも事実ですが、ただ価格競争に追従しすぎるあまり、我々がモノづくりで大切にしてきたことを捨ててしまうことは避けたい。との思いもあります。ただその一方で、事業・ビジネスとして成立していないのであれば、いくら理想を掲げ遂行していても意味がなく、それは自己満足でしかありませんし、事業を運営する立場として甘いとしか言いようがありません。いつもその間で葛藤を繰り返しています。

一方でお客様からのご評価は「価格は決して安くはないが、この品質レベルや対応であれば満足。」「手戻りも少なく、こちらの無理な要求にも答えてくれてスムーズに開発が進んだ」「見積では一番安くはなかったが、結果的には一番安かったと感じている。」などポジティブなお客様の声がほとんどで、結果的にリピートや継続的に発注をいただくことにつながっています。特に難易度の高い案件ではその傾向が顕著になっています。そのため、葛藤はありつつも、間違っていない、とも感じることも多くあります。
このことは表面的には価格が高く見えても、結果的にはお客様にとってコスト削減につながり、表面的な安さだけでは提供できない価値とも思います。また「この会社に任せて安心、良かった。」と言われる存在であり続けることや「お客様に寄り添いながら、お客様の要求にあった品質を提供することは企業の良心」ではないかと思っています。

今回、自己満足であったり、料金や価格が高いことをただ正当化しているだけとも誤解されかねない、こんなコラムをリリースするか散々悩みました。ただやはり我々らしさを知ってもらうことから、と考えリリースに至りました。また、お客様に低コストで良質なサービスを提供するために、コストに対する改善や取り組みを決して放棄したわけではありません。私たちは不器用ながらも「安心して任せられる品質や顧客へ寄り添った対応」をより追及すべく模索し続けます。

6. ヒューマンサイエンスのアノテーションサービスの特徴

教師データ作成数4,800万件の豊富な実績

ヒューマンサイエンスでは自然言語処理に始まり、医療支援、自動車、IT、製造や建築など多岐にわたる業界のAIモデル開発プロジェクトに参画しています。これまでGAFAMをはじめとする多くの企業様との直接のお取引により、総数4,800万件以上の高品質な教師データをご提供してきました。数名規模のプロジェクトからアノテーター150名体制の長期大型案件まで、業種を問わず様々なアノテーションやデータラベリング、データの構造化に対応しています。

クラウドソーシングを利用しないリソース管理

ヒューマンサイエンスではクラウドソーシングは利用せず、当社が直接契約した作業担当者でプロジェクトを進行します。各メンバーの実務経験や、これまでの参加プロジェクトでの評価をしっかりと把握した上で、最大限のパフォーマンスを発揮できるチームを編成しています。

生成AI LLMデータ構造化、「AIに最適化するマニュアル作成・整備支援」にも対応

弊社は創業当初から主な事業・サービスとしてマニュアル制作を行い、現在では企業ナレッジ活用のための生成AI導入に向けて「AIが認識しやすいドキュメント」の制作支援も行っております。生成AI を用いた企業ナレッジやドキュメントの共有・活用において、RAG化等を行うにしても、現在の技術ではまだツール等で100%の精度を実現できないのが現状です。過去のドキュメント資産をどうしも活かしたい、といったお客様に対してはドキュメントデータの構造化にも対応します。さまざまなドキュメントを熟知している当社ならではのノウハウを活かした最適なソリューションを提供いたします。

自社内にセキュリティルームを完備

ヒューマンサイエンスでは、新宿オフィス内にISMSの基準をクリアしたセキュリティルームを完備しています。そのため、守秘性の高いデータを扱うプロジェクトであってもセキュリティを担保することが可能です。当社ではどのプロジェクトでも機密性の確保は非常に重要と捉えています。リモートのプロジェクトであっても、ハード面の対策のみならず、作業担当者にはセキュリティ教育を継続して実施するなど、当社の情報セキュリティ管理体制はお客様より高いご評価をいただいております。

内製支援

弊社ではお客様の作業や状況にマッチしたアノテーション経験人材やプロジェクトマネージャーの人材派遣にも対応しています。お客様常駐下でチームを編成することも可能です。またお客様の作業者やプロジェクトマネージャーの人材育成支援や、お客様の状況に応じたツールの選定、自動化や作業方法など、品質・生産性を向上させる最適なプロセスの構築など、アノテーションやデータラベリングに関するお客様の困りごとを支援いたします。

 

 

 

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