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AI OCRとは〜従来OCRとの違いと活用事例3選〜

AI OCRとは〜従来OCRとの違いと活用事例3選〜

AI OCRとは〜従来OCRとの違いと活用事例3選〜




AI OCRとは?

AI OCRとは、近年急速に進化している技術の一つです。OCRはスキャナーなどで取り込んだ書類や手書き文書などのテキストをデジタルデータに変換する以前からあった技術ですが、AI OCRはその進化形と言えるでしょう。高度な文脈理解や言語処理能力を持つようになったAI OCRは、従来のOCRとは比べ物にならないほど高い精度と柔軟性を備えています。本記事では、AI OCRの基本的な仕組みから、その特徴や利点、さらに選び方のポイントまでを解説していきます。

目次

1. これまでのOCRとの違い

AI OCRはこれまでのOCRからどのように進化しているのでしょうか。ここではまず、従来のOCRの仕組みを解説し、次に、AIを活用することで可能になったことを見ていきます。

1-1. そもそもOCRとは?

OCRはOptical Character Recognitionの略で、光学的(Optical)な方法を用いて印刷物や手書き文字などのテキスト(Character)をデジタルデータに変換する(Recognition)技術です。スキャナーなどで印刷物を読み込んだ後、レイアウト解析や行・文字切り出し、正規化、特徴抽出といったプロセスを経てテキストデータとして出力します。それぞれのプロセスにおいて、文字のさまざまな特徴や、コーパスなどの情報を事前に設定する必要があります。

 

例えば「日本」という文字と「目木」という文字は人の目には簡単に区別できますが、機械の場合、印刷の状態や文字の大きさ、解像度などの条件が整わなければ、区別できない可能性があります。そうした場合に「日」「目」「本」「木」の特徴をあらかじめ設定し、また「日本」と「目木(メギという植物の名前です)」の出現頻度などを設定する、などが必要となります。こうした設定が適切でなければ、文字認識精度も上がりません。これらは人の手で適切に設定しなければなりませんが、膨大な情報を処理する必要があり、読み取り精度向上の壁になっていました。

1-2. 「AI OCR」と「OCR」の違いは?

AI OCRではAIの力を活用し、高度な画像解析や文脈理解、言語処理能力を持つようになりました。これにより、これまで人の手で設定が必要だった文字の特徴や、コーパスの解析などがAIの学習によって高速に処理できるようになります。これまでのOCRでは難しかった、専門分野の文書や手書き文字などに対し、より高精度なテキスト認識が可能になります。

1-3. AI OCRで業務効率化できるのか

AI OCRは大量の文書や書類を高速かつ正確に処理することができます。手作業にかかる時間と労力を大幅に削減し、業務効率化を実現することができます。また、データの管理や分析の自動化に活用することができ、企業の素早い意思決定や戦略立案にも貢献します。

2. AI OCRはコロナ禍で広まった?

新型コロナウイルスのパンデミックにより、リモートワークやデジタル化への需要が急速に高まりました。AI OCRはその中でも、企業や個人の文書処理ニーズに応える重要なツールとなりました。遠隔での業務や文書の共有が一層必要とされる状況で、AI OCRは重要な支援ツールとして活用の場を広げています。

3. AI OCRの種類

AI OCRには、特定の言語に特化しているものや、特定の業界や用途に特化しているもの、クラウド型、オンプレミス型などのプラットフォームの違いなど様々な種類があります。以下に代表的なAI OCRの種類とそれぞれの特徴を紹介します。

 

  • 汎用AI OCR: 多機能で一般的なテキスト認識に使用されます。異なる言語や書体に対応し、高い精度で文字認識が可能です。
  • 専門分野向けAI OCR: 医療や法律、金融などの専門分野向けに開発されたOCRです。専門用語や特定のフォーマットに特化しており、高い精度とドメイン知識を提供します。
  • ハンドライトOCR: スマートフォンやタブレットなどで使用するために最適化されたOCRです。
  • クラウドベースOCR: クラウドサービスとして提供されるOCRです。高速かつ大規模なデータ処理が可能であり、スケーラビリティが高いです。
  • オンプレミスOCR: クラウドではなく、ローカルのサーバーやコンピュータにインストールして使用するOCRです。データのセキュリティやプライバシーが重視される環境に適しています。

4. AI OCRの選び方のヒント

さまざまなAI OCRの中から、業務に適した物を選ぶには、業務で必要な要素が満たされているかどうかが鍵となります。ここでは選ぶ際の三つのヒントをご紹介します。

ヒント1 手書きと活字、どちらに適した商品なのか

OCRの選択肢の中には、手書き文字に特化したOCRや、活字(印刷文字)に特化したOCRがあります。まず、自社のニーズに合わせて手書き文字や活字をどれだけ扱う必要があるのかを考えましょう。もし手書き文字を主に扱う場合は、高い手書き文字認識精度を持つOCRを選ぶことが重要です。一方、活字の認識が主な場合は、活字に特化したOCRを選ぶことで、業務の効率化が期待できます。

ヒント2 日本語以外にも対応可能なのか

もし国際的な業務を展開している場合や、多言語の文書を扱う必要がある場合は、OCRが他の言語にも対応しているかどうかを確認しましょう。一部のOCRは、特定の言語に限定されている場合もあります。自社のニーズに合わせて、複数言語に対応したOCRを選ぶことで、複数の言語を横断する文書処理においても業務の効率化が期待できます。

ヒント3 RPAなど外部システムとの連携が可能か

OCRを活用する際には、OCRが抽出したデータを他のシステムやプロセスと連携させ、さらに作業効率をアップさせる検討も重要です。例えば、OCRと自動化ツールの一つであるRPA(Robotic Process Automation)と連携させることで、自動的なデータの抽出や処理が可能になります。OCRを選ぶ際には、OCRが外部システムとの連携に対応しているかどうかを確認しましょう。APIや統合機能の提供など、スムーズなデータ連携ができるOCRを選ぶことで、業務プロセスの効率化や自動化に貢献することができます。

5. 活用のメリット

5-1. 非定型の文書(帳票)でも使える

従来のOCRでは、定型化された文書や印刷文字に特化しており、非定型の文書(帳票)の認識には対応が困難でした。AI OCRのメリットは、非定型の文書にも対応できる点です。非定型型文書に対応したAI OCRは、異なるフォーマットやレイアウトの帳票や手書き文書を読み取ることができます。これにより、企業内の多様な文書を効率的に処理し、作業時間や人的ミスを削減することができます。

5-2. 用語や文脈を考慮して読み取ることが可能

AI OCRは、用語や文脈を理解して読み取ることができるため、より高度な情報処理が可能です。従来のOCRでは、文字の単なる認識に留まっていたのに対し、AI OCRは文章全体を解析し、文脈や意味を考慮してデータを抽出できます。例えば、契約書や法的文書など、専門的な用語や複雑な文章を含む文書でも、正確な情報を抽出することができます。これにより、文書処理の正確性と効率性が向上し、ビジネス上の意思決定や分析にも活用できます。

5-3. 読み取りの精度が向上していくAI

AI OCRは、機械学習と深層学習の技術を活用しているため、継続的な学習による認識精度の改善を行うことができます。大量のデータを学習し、経験を蓄積することで、読み取りの精度が向上していきます。新たなパターンや言語の理解、書式の変化にも適応し、高い認識精度を保持することができます。これにより、OCRの正確性や信頼性が向上し、文書処理の品質も向上します。また、定期的なアップデートや改善が提供されるため、最新の技術と機能を取り入れながら、より効果的なOCRを活用することができます。

 

このように、AI OCRの活用により、これまでのOCRでは困難だった非定型の文書処理、用語や文脈の考慮、読み取り精度の向上というメリットを享受することができます。

6. AI OCRのデメリット

6-1. 完全自動化は難しい

AI OCRは非常に高度な技術ですが、完全に自動化することは難しい場合があります。特に、文書の複雑さや印刷状態が悪い、また人間でも識別が難しいような手書き文字など、認識の困難な要素がある場合には、一部手作業での人の介入が必要となることがあり、認識エラーの修正や文書の正確性の確認など、AI OCRの出力結果を人間が確認して補正する作業が必要となることがあります。

6-2. 縦書きに適応しきれていない

AI OCRの技術は、主に横書き文字に対して開発・最適化されています。そのため、一般的に縦書きの文書は、横書きよりも認識精度が低下する傾向があります。縦書き文字は横書き文字と異なる構造や配置を持っているため、AI OCRのモデルが縦書きに適応しきれない場合、正確な読み取りが難しくなることがあります。しかし、AI OCRの技術は進化しており、縦書きにも対応する開発が進んでいるため、今後の認識精度向上に期待が持てます。

 

このように、完全自動化の難しさや縦書きへの対応の課題があるものの、AI OCRの技術は日々進歩しており、その精度と能力は一層向上していくでしょう。

7. 活用事例

AI OCRを活用することで業務効率化が期待できます。ここでは、実際の活用事例をご紹介いたします。

7-1. 受発注業務

受発注業務では、顧客からの注文書や納品書、請求書などの紙の書類を受け取り、データ化や事務処理を行う必要があります。AI OCRを活用することで、これらの書類をスキャンし、自動的にテキストデータとして読み取ることができます。その結果、注文情報や納品情報が迅速かつ正確に抽出され、受発注プロセスが効率化されます。また、AI OCRの機能を活用して、データの整合性やエラーのチェックも行うことができます。

>伊藤忠商事、RPAとAI-OCRを組み合わせて受発注業務を年間約4万9000時間削減

7-2. 経理業務

経理業務では、領収書や請求書などの紙の書類を基に経費の計上や請求処理を行います。AI OCRを使用することで、これらの書類をデータ化し、自動的に必要な情報を抽出することができます。領収書の金額や支払先の情報などが正確に抽出されるため、経費の計上や請求処理の正確性と効率性が向上します。さらに、AI OCRを経理システムや会計ソフトと連携させることで、自動的なデータ入力や帳簿への反映が可能となり、作業の手間とヒューマンエラーを減らすことができます。

>BIPROGY、経理特化型AI-OCR「Robota(ロボタ)」提供開始

7-3. 帳票や書類のデータ化業務

企業内には、さまざまな紙の帳票や書類が存在し、それらの情報を活用するためには手作業でデータ化する作業が必要です。AI OCRを利用することで、帳票や書類をスキャンし、自動的にテキストデータに変換することができます。例えば、人事部門の採用書類のデータ化や医療機関の診断書のデジタル化などが挙げられます。AI OCRの精度と効率性により、作業時間の削減と正確性の向上が実現され、データの検索や分析が容易になります。さらに、データのバックアップや共有も容易になるため、情報の保管と共有の効率化も図れます。

> GoQSystem、紙の帳票をデータ化するAI OCRサービス「GoQReader」を提供開始!

8. AI OCRと生成AI

8-1. 生成AIとは

自然な言語で質問すると、まるで人が答えているかのように回答を出力するChatGPTを筆頭に、簡単なリクエストやキーワードから、それに基づいたテキストや画像を生成する「生成AI」が近年急速に活用されるようになりました。
生成AIと既存のAIの大きな違いは、与えられたデータを元に新しいデータやコンテンツを生成することができるかどうか、というところにあります。既存のAIは与えられたデータを目的に応じて認識・分類することができますが、新たにデータを生成することができません。
例えば、既存のAIは漫画の一コマの画像からそれが手塚治虫によるものかどうかは認識できるようになりますが、新たに手塚治虫の「新作」を作ることはできません。生成AIならば、ストーリーはもちろんのこと、キャラクターの生成も可能となります。このように、すでに存在するデータを元に新たな価値を創出することができる生成AI活用にさまざまな分野・業界が取り組み始めています。

活用事例
>“漫画の神様”に挑む AI×人間 半年密着

8-2.AI OCRと生成AIの可能性

AI OCRと生成AIを組み合わせることで、業務効率化や新たな価値創出の可能性が広がります。以下にその例をご紹介します。

自動文書生成と編集:
AI OCRによってスキャンされた文書に対し、生成AIを使用して文章の追加や要約をすることができます。これにより、これまで時間をかけて人手で行う必要のあった文書の要約や補足情報の自動生成が可能になります。

文書のデジタル化と自動タグ付け:
AI OCRによって文書をデジタル化し、生成AIを利用して文書の内容を判断し適切なキーワードやタグを自動的に付与することができます。これにより、文書の検索や分類が容易になります。

自動文書修復と再生成:
AI OCRで読み取った古い文書や損傷した文書を解析し、生成AIを用いて欠落した部分の推測や補完を行うことができます。これにより、文書の修復や復元が可能になります。
これらは、AI OCRと生成AIを組み合わせた際の一般的な応用例です。このような組み合わせにより、より効率的な文書管理、コンテンツ生成、情報の利用が可能となります。

活用事例
>GPT-4を活用し、AI-OCR「DEEP READ」に機能追加
>業界初(※)!ChatGPT連携により、領収証読み取りAI-OCR機能をアップデート

9. AI OCRのまとめ

ここまでAI OCRについて詳しく見てきました。 AI OCRは、受発注業務、経理業務、帳票や書類のデータ化業務など、さまざまな業務領域で活用されています。その効果は、業務効率化や正確性の向上、データの検索と分析の容易化など、多岐にわたります。

AI OCRの導入により、企業は業務プロセスの改善と効率化を実現し、競争力を高めることができます。ぜひAI OCRの活用を検討し、ビジネスの成果を最大限に引き出してください。

10. AI活用のご相談はヒューマンサイエンスへ

10-1. 最新のアノテーションツールを活用

ヒューマンサイエンスが導入しているアノテーションツールの一つAnnofabでは、プロジェクトの進行中にもクラウド上でお客様から進捗確認やフィードバックをいただくことが可能です。作業データはローカルのマシンに保存できない仕様とすることで、セキュリティにも配慮しています。

10-2. 教師データ作成数4,800万件の実績

「AIを導入したいけれど何から取り組んだらよいのかわからない」

「外注するにも何を依頼すればよいのかわからない」

そんなときはぜひヒューマンサイエンスにご相談ください。

ヒューマンサイエンスでは自然言語処理、医療支援、自動車、IT、製造や建築など多岐にわたる業界のAI開発プロジェクトに参画しています。これまでGAFAMをはじめとする多くの企業様との直接のお取引により、総数4,800万件以上の高品質な教師データをご提供してきました。数名規模のプロジェクトからアノテーター150名の長期大型案件まで、業種を問わずさまざまなアノテーションのプロジェクトにご対応します。
>>ヒューマンサイエンスのアノテーションサービス

10-3. クラウドソーシングを利用しないリソース管理

ヒューマンサイエンスではクラウドソーシングを利用せず、当社が直接契約した作業担当者とプロジェクトを進行します。各メンバーの実務経験や、これまでの参加プロジェクトでの評価をしっかりと把握した上で、最大限のパフォーマンスを発揮できるチームを編成しています。

10-4. 自社内にセキュリティルームを完備

ヒューマンサイエンスでは、新宿オフィス内にISMSの基準をクリアしたセキュリティルームを完備しています。そのため、守秘性の高いプロジェクトであってもオンサイトでご対応することができ、セキュリティを担保することが可能です。当社ではどのプロジェクトでも機密性の確保は非常に重要と捉えています。作業担当者にはセキュリティ教育を継続して実施し、リモートのプロジェクトであっても情報やデータの取り扱いには細心の注意を払っています。



 

 

 

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