
1. はじめに:最近よく聞く「AIエージェント」って何?
ChatGPTやCopilotなど、最近のニュースやSNSでもよく見かけるようになった「AIエージェント」という言葉。「なんとなくすごそうだけど、実際のところ何ができるの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
実際、私たちの仕事や日常にAIが“じわじわと”入り込んできています。そして、その中心にいるのが「AIエージェント」と呼ばれる存在です。
この記事では、「AIエージェントとは何か?」という基本から、実際に何ができるのか、そして私たちの働き方がどう変わるのかについて、わかりやすくご紹介します。
- 目次
2. AIエージェントとは?
本記事で取り上げる4つのLLMについて簡単に概要を紹介します。
従来のAIは、特定の作業に特化していて、「画像を分類する」「文章を要約する」といった一つのタスクを正確にこなす“職人的なAI”でした。それに対してAIエージェントは、「目的を達成するために、自分でタスクを分解し、必要なツールを使いながら手順を実行する」という、より“能動的”な動きをするAIです。
例えるなら、人間でいうところの「アシスタント」や「秘書」に近いイメージで、単なる道具ではなく、“自分で動ける頼れる存在”として注目されています。
3. AIエージェントでできること(日常的な例)
では、AIエージェントは何ができるのでしょうか?
まずは、普段の生活の中でイメージしやすい例を挙げてみましょう。
3-1. 旅行の計画を立ててくれる
例えば、「週末に京都へ1泊2日で旅行したいから、観光プランを考えて」とAIエージェントに頼むと、希望の日程や出発地をもとに、新幹線やバスなどの移動手段の候補を調べてくれます。さらに、現地の観光スポットの開館時間や混雑状況、天気予報なども考慮しながら、無理のないタイムスケジュールを提案してくれます。食事場所についても、口コミ評価の高いレストランや、人気のカフェなどを自動でピックアップし、予約リンクまで添えてくれることもあります。宿泊についても、予算や希望エリアを伝えれば、条件に合うホテルを候補として挙げてくれるため、自分で複数サイトを行き来する必要はありません。まるで人間の旅行代理店スタッフのように、最初の相談から具体的なプラン作成まで一貫してサポートしてくれるのが、AIエージェントのすごいところです。
3-2. 家計簿をつけてくれる
AIエージェントにレシートの写真を送るだけで、日付・品目・金額などを読み取って、自動的に項目ごとに分類して記録してくれます。食費・日用品・交通費といったカテゴリ別に整理されたデータは、月ごとの支出グラフとして可視化されるため、自分のお金の使い方がひと目でわかります。また、前月との比較や平均支出との照らし合わせも行ってくれるので、「今月は外食が多い」などの傾向にもすぐに気づけます。中には、ユーザーの支出パターンをもとに「〇〇のサブスクを見直してみませんか?」といった節約アドバイスまで提示してくれるタイプのエージェントもあります。
3-3. 自分の“秘書”として働いてくれる
AIエージェントの中には、ビジネスパーソンの“デジタル秘書”のような役割を果たしてくれるものも登場しています。例えば、受信メールの中から返信が必要なものを優先度順に整理し、対応漏れを防ぐよう通知してくれます。また、複数メンバーの予定を調整して会議日程を自動で提案したり、会議の音声をもとに議事録の下書きを作成したりすることも可能です。こうした作業は本来、地味ながら時間を取られる業務の代表格ですが、それらをAIが肩代わりすることで、より重要な業務に集中できる環境が整いつつあります。
これらはすべて、人間がこれまで「自分で調べて」「考えて」「整理して」やってきたことです。それをAIが、一定の水準でこなしてくれる。これがAIエージェントの大きな特徴です。
4. ビジネスシーンでの活用例と、私たちの仕事の変化
ここからは、ビジネスの現場でAIエージェントがどう活躍しているかを見ていきましょう。すでに一部の企業では、試験的に、あるいは本格的に導入が始まりつつあります。
4-1. 営業・マーケティング部門での活用
リードの優先順位づけ
営業活動においては、見込み顧客(リード)の中から、成約につながりやすい相手をいかに見極めるかが重要です。AIエージェントは、顧客の行動履歴や属性情報を分析し、成約確度の高い順にスコアを付けてくれます。これにより、営業担当者は「誰に、どのタイミングでアプローチすべきか」の判断がしやすくなり、効率的な営業活動を行えるようになります。
営業メールの文案作成
AIエージェントは、営業メールの作成も支援してくれます。相手の業界やこれまでのやり取りの履歴などを踏まえたうえで、初回提案・フォローアップ・再提案などの目的に応じた文案を自動で生成します。これにより、メール作成にかかる時間を短縮しつつ、相手に合わせた質の高いコミュニケーションが可能になります。
営業日報の作成支援
営業担当が行った商談や訪問活動を、AIエージェントが自動で記録・整理し、営業日報の下書きとしてまとめてくれます。たとえば、音声メモや短いテキストの入力から要点を抽出し、日時や提案内容などの必要情報をわかりやすく整えてくれます。これにより、日報作成の手間が大幅に減り、報告の質も一定水準に保たれるようになります。
4-2. 管理・人事・総務系業務での活用
社内FAQ対応エージェント
「有休の申請方法は?」「交通費の精算はいつまで?」といった社内からの定型的な問い合わせは、意外と多くの時間を奪う業務のひとつです。AIエージェントはこうした質問に24時間自動で応答し、正確な回答を迅速に返してくれます。これにより、人事・総務部門の担当者は繰り返し対応する必要がなくなり、より重要な業務に集中できるようになります。
勤怠・経費チェック
勤怠記録や交通費・出張費の申請に対して、AIエージェントが一次的な内容確認やルールチェックを行う仕組みも広まりつつあります。たとえば、申請内容に不備や不自然な点があれば自動で検出・アラートを出し、担当者に通知します。これにより、確認作業の手間が減るだけでなく、ミスや不正申請の早期発見にもつながります。
4-3. プロジェクト管理における支援
進捗の自動チェックとアラート
AIエージェントはプロジェクトのタスク進捗状況を定期的にモニタリングし、計画から遅れている部分を自動的に検出します。納期の遅れや問題の兆候が見られた場合には、担当者やプロジェクトリーダーにリアルタイムでアラートを送信します。これにより、早期対応が可能となり、プロジェクト全体の遅延リスクを軽減できます。
議事録作成とアクション整理
会議の音声をリアルタイムで文字起こしし、議事録の骨子を自動作成するAIエージェントも増えています。さらに、発言内容から次回までに対応すべきToDoや決定事項を抽出し、リストとして整理してくれます。こうした機能により、会議後の進捗管理が円滑になり、担当者間の認識ズレも減らせます。
5. 働き方はどう変わる?
これらの例からもわかるように、AIエージェントは“単なる業務の自動化”ではありません。
従来は、「人間がAIを操作する」という前提がありましたが、AIエージェントは“人間が目的を伝えるだけ”で、あとはAIが動いてくれる。いわばAIが「動いてくれるチームメンバー」として、一緒に働く時代が始まりつつあります。
これにより、私たちは「ルーチン業務」「調査・整理・入力」といった作業から少しずつ解放され、より判断・創造・対話といった“人間らしい仕事”に時間を使えるようになるでしょう。
例えば、
·お客様の本質的な課題を考える
·チームメンバーとの関係性を築く
·新しいアイデアを試す
といった、「人にしかできない価値」により多くの時間を割けるようになるのです。
6. まとめ:AIエージェントは「共に働く仲間」になる
AIエージェントは、私たちが「やることリスト」に追われる日々から、「考える・選ぶ・創る」ことに集中できる働き方へと導いてくれる存在です。
まだ発展途上の部分もありますが、今後はさまざまな業務において、「人」と「AIエージェント」が役割を分担しながら共に働くことが、当たり前になっていくでしょう。
私たちも、そうした変化を前向きにとらえ、「AIと共に働く力」を少しずつ身につけていくことが求められているのかもしれません。
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