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国際規格のISO18587とは?認定取得に向けた必要な準備とポイント

国際規格のISO18587とは?認定取得に向けた必要な準備とポイント

目次

1. ISO18587とは

ISO18587は、2017年に発行された国際基準であり、機械翻訳を活用したポストエディットに関する規格です。
この規格は、ポストエディットの手順や方法、ポストエディターの資格やスキル、文書の管理などに関する要件を定め、翻訳品質の向上を促進します。

2. ポストエディットとは

ポストエディットは、機械翻訳エンジンの翻訳結果を人手で修正する作業です。主に「フルポストエディット」と「ライトポストエディット」の2つの方法があります。

 

フルポストエディット:
機械翻訳の翻訳文全体を徹底的に修正します。文の構造や意味を変更し、誤った翻訳を修正します。

 

ライトポストエディット:
機械翻訳の結果を大まかに確認し、必要に応じて軽微な修正を行います。

 

フルポストエディットとライトポストエディットの詳細については、こちらのページを参照ください。

3. ISO17100との共通点と相違点

ISO18587は、翻訳プロセスの一部であるポストエディットに特化した規格で、翻訳後の品質を確保することに焦点を当てています。
一方、ISO17100は、翻訳プロセス全体にわたる品質管理に焦点を当てており、翻訳、校正、レビューなどの手順に加えて、プロジェクトの計画、実施、リソースの管理、そしてプロジェクト完了後の品質評価までをカバーしています。

4. ISO18587の目的と重点

ISO18587は、ポストエディットに関する国際基準を確立し、機械翻訳を使用した翻訳作業における品質向上を目指しています。

ISO18587は、以下の3点に重点を置いています。

ポストエディットの手順や方法
ポストエディターの資格とスキル
最終的な翻訳品質

5. 必要な基準と監査でよく審査される項目

ISO18587は「ポストエディットの手順や方法」、「ポストエディターの資格とスキル」、「最終的な翻訳品質」に重点を置いているため、ご自身の会社や組織のポストエディットサービスが、これらの観点で十分な基準を満たしているかをまず確認する必要があります。

監査の際には、主に以下の項目が審査されます。

 

全体の作業プロセス
ポストエディティングの実際の作業プロセスが適切に文書化され、従われているかどうかが検査されます。これには、翻訳とポストエディティングの手順、品質管理の手順、フィードバックの収集方法などが含まれます。

 

ポストエディターの採用基準
ポストエディターの採用プロセスが厳格であるかどうか、ポストエディターの言語能力や専門知識、品質管理に関するスキルなどが適切に評価されているかどうかが検査されます。

 

ポストエディターの育成制度
ポストエディターが適切に育成されているかどうかが検査されます。これには、ポストエディターのトレーニングプログラムや教育体制などが含まれます。

 

フィードバック制度
ポストエディターに対するフィードバックが適切に行われているかどうかが検査されます。ポストエディターが翻訳の品質向上のためにフィードバックを受け取り、それに応じて改善できる仕組みが整っているかどうかが重要です。

 

品質管理プロセス
ポストエディティングプロセス全体の品質管理が検査されます。これには、作業フローの透明性、品質評価基準の設定、品質保証手順の文書化などが含まれます。

 

機密保持とセキュリティ
ポストエディットングプロセスで取り扱う文書や情報の機密性を確保するためのポリシーが適切に遵守されているかどうかが検査されます。

 

これらの制度、基準、プロセスなどが実際に存在し、業務に一貫して適用されていることを示すには、実際に使用されている資料を監査官に提示し、それを裏付ける説明を提供する必要があります。

例えば、フィードバック制度について説明する際には、以下のようなアイテムを監査官に提示する必要があります。

・ポストエディターに送るフィードバックシートの雛形
・過去にポストエディターに送付したフィードバック
・ポストエディターの評価管理シート
・フィードバック送信時に使用するメールテンプレート
・フィードバックに対するポストエディターからの返信メール
・フィードバックデータの保存場所やフォルダ構成

6. 承認を取得するメリット

ISO18587の承認を取得することには、以下のようなメリットがあります。

 

機械(AI)翻訳の精度向上によるポストエディット需要の増加への適応力
ISO18587の承認を取得することで、AI翻訳の精度向上に伴うポストエディットの需要が増加する市場において、強力なポジションを確立できます。

 

ISO17100適合の認定を受けた企業との差別化
多くの企業がISO17100に適合している中で、ISO18587の承認を取得することで、独自の強みと専門性を示し、競争力を高めることができます。

7. 取得・更新監査の流れ

ISO18587の取得・更新監査は通常以下の手順に従います。

 

申込み:
認定機関に申し込みます。

 

監査調整:
監査日程を調整します。

 

監査実施:
監査日には認定機関の監査員が訪問し、ポストエディットプロセスや品質管理体制を評価します。また、機関によっては(特に海外機関)、監査がオンラインで実施されるケースもあります。監査は通常、1回のみ行われますが、所要時間は機関によって異なります。一般的には、少なくとも3時間は必要と考えられます。

 

認定:
全ての条件が満たされていれば、後日、ISO18587の認定が組織に与えられます。一部の機関では、監査後にすぐに判定を通知してくれることもあります。

 

更新監査も、基本的には取得監査と同じ手順に従います。ISO18587の更新期間は、一般的には3年ごとに更新されます。つまり、ISO 18587の承認を取得する組織は、3年ごとに更新監査を受ける必要があります。

8. 必要な準備・ポイント

ISO18587の取得や更新監査の手続き自体はそれほど複雑ではありません。監査の予約も比較的迅速に調整できます。むしろ、時間を要するのは、監査に必要な資料の準備や、監査に向けたメンバーとの調整、打ち合わせなどです。

また、監査の際に過去のプロジェクトを参照する際には、そのプロジェクトのジョブ番号を始めに関連する情報を提示することが求められる場合があります。そのため、そのような情報を事前に準備しておくことが重要です。

海外の認定機関を利用する際には、監査の円滑な進行のために、必要に応じて一部の資料を英語に翻訳しておくことをおすすめします。さらに、監査には通訳者や英語が堪能な者の同席が必要となるため、その調整も別途行う必要があります。ただし、監査で通訳を担当する者が日本語資料の内容を即座に把握し、スムーズに通訳できる場合は、その資料をわざわざ英語で翻訳する必要がない場合もあります。

9. まとめ

ISO 18587は、機械翻訳に基づく翻訳作業の品質向上を目指し、ポストエディットに関する国際基準を確立しています。この基準に適合することで、企業は監査手続きを行い、ISO 18587の承認を取得できます。

ISO 18587の承認を得ることで、ポストエディットの需要に適切に対応し、競争力を向上させることができますので、ぜひ検討してください。

ヒューマンサイエンスでは2023年にISO18587を取得いたしました。翻訳の品質の高さから多くのグローバル企業様からポストエディットサービスや人手翻訳サービスのご依頼をいただいています。TradosやPhrase TMS (旧称Memsource)等の翻訳支援(CAT)ツールや、自動翻訳ツールを活用し、翻訳の効率化と品質向上に取り組み、お客様の更なる発展に貢献してまいります。翻訳の外注をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

 

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