1.DeepLとは?
このブログ記事ではDeepLについて詳しく説明します。
DeepL(ディープエル)とは
DeepLとは、ドイツに本社を置くDeepL社が2017年にサービスを開発した機械翻訳サービスです。2020年には対応言語に日本語が追加されたことで、日本国内でも利用が普及していきました。同社は、原文と訳文を対訳にして例文を検索できるウェブ検索サービス「Linguee」を提供しています。DeepLは、このような良質なデータを使って学習しているため、他社の機械翻訳サービスと比較しても自然で高精度な翻訳と評価されています。
DeepLの特徴
DeepLは、最先端のAI技術を活用して、最高レベルの翻訳精度を実現しています。DeepLは他の翻訳サービスと比較してネイティブのような自然な文章表現が可能です。その自然な訳文から、日本をはじめとする世界各国でDeepLが人気となっています。
2020年には、DeepL翻訳に搭載されたニューラルネットワークが大幅に改善されました。その結果、他の翻訳サービスと比較してより細かいニュアンスの表現が行えるようになり、ますますDeepLの翻訳精度の高さが評判になっています。さらに文脈を考慮して翻訳されるため、より正確で自然な文章が期待できます。
DeepLには無料版と有料版(DeepL Pro)の2種類が用意されています。有料版ではAPI連携や翻訳データの保護など、ビジネスや機密保持に関わる機能も充実しています。そのため、個人利用だけでなく、企業やプロフェッショナルな翻訳者にも支持されています。業務に導入する方法について詳しくは以下のブログ記事をご覧ください。
DeepL自動翻訳サービスを業務に導入するには?
また、無料版と有料版の違いについて詳しくは、以下のブログ記事をご覧ください。
DeepLの無料版と有料版(DeepL Pro)の違いとは? ~料金、セキュリティ、文字数~
今年DeepL Writeをリリース
DeepL Writeは、AIを利用した文章校正ツールです。文章の文法や句読点の間違いを修正するだけでなく、表現やトーン、スタイルに関する選択肢も提案してくれる優れもの。現在対応している言語は英語(イギリス・アメリカ)とドイツ語ですが、今後さらなる言語対応が予定されています。
DeepL Writeは、ビジネスや学術のシーンで特に役立ちます。具体的には、英語やドイツ語で論文執筆や報告書作成を行う際に、提案される表現を参考にすることで、より適切な言葉遣いや表現が可能となります。また、英語やドイツ語を学習中の方にとっても大変重宝します。学習過程でこのツールを活用することで、英語やドイツ語の文法や表現に対する理解が深まり、外国語の習得がよりスムーズになることでしょう。
2.機械翻訳の今後の動向
機械翻訳の今後の動向として、いくつかのトピックを紹介します。
コンピューター支援ツールとしての需要が世界的に高まっている
近年、グローバル化が進む中で、様々な国や地域とのコミュニケーションが日常的になっています。それに伴い、言語の壁を乗り越えるための機械翻訳の需要が世界的に高まっています。機械翻訳は、文字通り、人間が行っていた翻訳業務を機械によって行う技術です。従来は人間の翻訳者が直接行う翻訳が一般的でしたが、世界中で情報が急速に流通する現代において、効率的な翻訳手段が求められています。そこで登場するのが、AI(人工知能)を活用した機械翻訳です。
AI技術の発展によって、機械翻訳の精度が向上しており、従来の機械翻訳に比べ、格段に自然な翻訳が可能になってきました。更に、翻訳速度も高速化し、再編集や修正の手間も減ってきていることから、多くの企業や組織で機械翻訳が活用されるようになっています。また、機械翻訳は、単なる文書翻訳だけでなく、ビジネス上の会話や交渉、観光業界での案内業務、学術論文の翻訳など、幅広い分野で利用されており、その価値がますます高まっています。
今後、機械翻訳技術の進化はさらに加速し、より質の高い翻訳が実現されることが予想されます。特にAI技術が進化し続ける中で、ニューラルネットワークを利用した翻訳技術や、自然言語処理技術の向上が期待されます。これにより、現在ではまだ難しいとされる、専門知識が必要な翻訳や、高度な文化的背景を理解する翻訳も、機械翻訳によって可能になるでしょう。
クラウドベースのオンライン機械翻訳サービスの人気が高い
機械翻訳サービスは、パッケージソフトウェアや、オンプレサーバー、クラウドベースなど様々な方式で提供されますが、この中でも特にクラウドベースのオンライン機械翻訳サービスが非常に人気を集めています。
まず、クラウドベースのオンライン機械翻訳サービスが人気な理由の1つは、コスト削減です。従来のオフライン機械翻訳システムでは、高額な翻訳ソフトウェアや専用のサーバを購入・設置する必要がありましたが、クラウドベースのサービスではそのような費用が不要になります。これにより、中小企業や個人事業主も手頃な価格で翻訳サービスを利用することができるようになっています。
また、クラウドベースのオンライン機械翻訳サービスでは、専用のサーバが不要です。これは、機械翻訳を行う際の負荷を大幅に軽減し、設備投資やメンテナンス費用を削減できるというメリットがあります。さらに、オンラインサービスのため、どこでもインターネットにアクセスできる環境があれば翻訳作業が可能となり、柔軟な働き方を実現できるでしょう。
そして、特筆すべきは、クラウドベースのオンライン機械翻訳サービスでは、常に最新の翻訳技術を利用できる点です。これまでのオフライン翻訳ソフトウェアは、新しいバージョンがリリースされるたびにアップデートを行う必要がありました。しかし、クラウドベースのサービスでは、プロバイダーが自動的にシステムをアップデートしてくれるため、ユーザーは常に最新版の翻訳技術を利用することができます。今後も、クラウドベースのオンライン機械翻訳サービスはさらなる進化を遂げていくでしょう。
ニューラル機械翻訳が注目されている
ニューラル機械翻訳とは、人間の脳神経回路を模したニューラルネットワークを利用した機械翻訳の一種です。従来の機械翻訳に比べて、より自然で理解しやすい翻訳文が生成されることが特徴です。ニューラルネットワークは、入力されたデータをもとに学習を行い、その結果を出力する仕組みです。言語データや文脈を学習させることで、翻訳がその文脈に即したものになります。これにより、従来の機械翻訳ではうまく対応できなかった表現や言い回しにも対応可能となります。
ニューラル機械翻訳が注目される理由は、人間の翻訳者に近い翻訳品質が期待できるからです。従来の翻訳方法では、文法的に正確だが自然さが欠ける場合が多く、その結果、読み手が理解しにくい文章になることがしばしばありました。しかし、ニューラル機械翻訳を活用すれば、そのような問題を克服できるとされています。
今後、ニューラル機械翻訳の技術がさらに進歩することで、品質やスピードが向上し、多様な場面で活用されることが期待されています。私たちの生活や仕事においても、ニューラル機械翻訳はますます重要な役割を担うことでしょう。
3.今注目のChatGPTとDeepLの翻訳比較
現在、世界的に注目されているChatGPTも、翻訳用途で利用できます。
ChatGPTとは
近年、AI(人工知能)は技術革新によって急速に進化し、私たちの日常生活に深く浸透しています。特に目覚ましい発展が見られる分野の1つとして会話型AIがありますが、その中でも有名なのが、OpenAI社が開発したChatGPTです。OpenAI社は、イーロン・マスクやサム・アルトマンを含む一流の研究者や投資家たちによって2015年に設立されたAIの研究・開発を行う非営利団体です。安全で広範囲にわたってAIを利用できることを目標に掲げ、世界中の人々に利益をもたらすことを追求しています。
ChatGPTの最大の特徴は、人間のように自然な会話ができる点です。これは高度な自然言語処理技術によって実現されており、多くの異なる言語に対応しています。また、ChatGPTはさまざまなトピックや質問に対して適切な回答を生成できる柔軟性を持っているため、ユーザーが自分の関心事や疑問に対して具体的な解決策や情報を得られます。
ChatGPTは大量のデータから学習し、人間の言語を理解する能力を持っています。この能力はバージョンが上がるごとに向上し、より豊かな会話体験を提供してくれます。そして、この技術は幅広い分野で活用されており、チャットボットやカスタマーサポート、コンテンツ作成、教育などで役立つことが期待されています。
文章の生成や翻訳、要約機能も非常に有用です。内容を指定してブログ記事やメール文章などを生成したり、文章を外国語に翻訳したり、一から外国語の文章を生成したりすることも可能です。また、外国語の文章を母語に翻訳するだけでなく、要約することもできます。
ChatGPTで処理する方法は簡単です。例えば翻訳の場合、チャット形式で「以下の文を英語に翻訳してください。」の後に翻訳したい文章を入力するだけです。なお、この指示のことを「プロンプト」と呼びます。ChatGPTは、プロンプトを変えるだけで質疑応答、文章生成、翻訳、要約といったさまざまな処理が可能になっています。
ChatGPTとDeepLの翻訳を比較!どこが違う?
1. 操作方法
ChatGPTとDeepLは、操作方法に違いがあります。ChatGPTは、訳したい文章だけでなく、翻訳を行うためのプロンプト(命令や指示)が必要です。これに対して、DeepLは、訳したい文章を入力するだけで翻訳が行われるため、より直感的に操作ができます。操作性に関連して、翻訳結果の表示速度にも差があります。DeepLは訳したい文章を入力しはじめるとすぐに翻訳が始まるため、高速で翻訳を行うことができます。一方、ChatGPTでは、指示を与えた後に翻訳が始まるため、やや時間がかかることがあります。
2. 翻訳候補
DeepLは1つの原文に対して1つの訳文が表示されますが、訳文の中の語句をクリックすると異なる翻訳候補が提示されます。ChatGPTの翻訳文は1つですが、その後のプロンプトで「”語句”の別の翻訳候補を提示してください」と指示すれば、別の翻訳候補を表示してくれます。ChatGPTはプロンプト次第でDeepLと同じ機能が実現できますが、プロンプトを入力する必要があるため、DeepLと比較して手間が増えます。
3. 用語集
DeepLには用語集機能が搭載されており、用語を登録することで、特定の語句を指定した訳語で翻訳することができます。一方、ChatGPTには用語集機能はありませんが、プロンプトを使って、特定の語句の訳語を指定することができます。ただし、ChatGPTでは、その都度、プロンプトに用語を指定する必要があるため、手間が多くあまり実用的ではありません。
4. 翻訳精度
DeepLは流暢で自然な訳文が特徴ですが、長文を翻訳したときに語句が抜けたり、複数の文を翻訳したときに文が抜けたりすることがあります。必ず原文と訳文を照らし合わせて、抜けがないことを確認する必要があります。ChatGPTの訳文は、より逐語的で直訳に近いものですが、訳が抜けることはあまりありません。また、ChatGPTは翻訳以外の処理も可能で、翻訳後の訳文をブラッシュアップしたり、訳文の内容を膨らましたり、要約したりすることもできます。
DeepLとChatGPTの翻訳精度については以下のブログ記事をご覧ください。
DeepL の翻訳精度は? ビジネスメールでの Google、Microsoft との比較結果
医療翻訳でのDeepLの翻訳精度は? Google/Microsoft/Amazonとの比較結果
ChatGPTの翻訳力は?翻訳の各工程で徹底検証
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4. まとめ
このブログ記事ではDeepLと機械翻訳の動向について説明し、DeepLとChatGPTの翻訳精度を比較しました。話題のChatGPTを使って翻訳することもできますが、チャットサービスの性質上、チャットでのやりとりが必要です。機械翻訳を使いたい場合は、機械翻訳に特化したサービスを利用することをおすすめします。
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