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1. Excel標準翻訳機能の使い方と知っておくべき4つの課題
Excelには、標準機能として翻訳機能が搭載されています。この機能を利用することで、Excel上で他のアプリケーションを開くことなく、作業をしながら手軽にテキストを翻訳することができます。
まずは、標準機能のメリット、具体的な使い方、そして実務で直面しやすい課題について整理します。
・Excel標準翻訳機能の3つのメリット
Excelの標準翻訳機能は、以下の3つの大きなメリットを持っています。
1. 追加費用なしで即座に試せる:
Officeのライセンスに含まれているため、追加契約や支払いをすることなくすぐに利用できます。
2. 操作が簡単で直感的に使える:
特別なマニュアルを読み込む必要がなく、初心者でも迷わず操作できます。
3. 少量のテキスト翻訳に便利:
数個のセルの意味をサッと確認したい場合に、ブラウザを立ち上げて翻訳サイトを開く手間を省くことができます。
・Excel標準翻訳機能の使い方(手順)
1. Excelの「校閲」タブにある「言語」カテゴリの「翻訳」ボタンをクリックします。

以下のような「翻訳ツール」のサイドパネルがExcelの右側に表示されます。

2. 「翻訳先の言語」プルダウンメニューから訳文の言語を選択します。この例では日本語を選択しています。

3.「翻訳ツール」パネルを表示した状態で、エクセルシートのセルをクリックすると、そのセルのテキストが自動的に翻訳され、サイドパネルに訳文が表示されます。

4. 複数のセルを翻訳する場合は、対象のセルを選択すれば一度に翻訳できます。

なお、翻訳結果は右側の「翻訳ツール」パネルに表示されるだけで、元のセルに反映する機能はありません。元のセルに反映するには、マウスカーソルを使い、サイドパネル上で訳文を選択してコピーしてから、セルに貼り付ける必要があります。
また、複数のセルを一度に翻訳できるものの、訳文を各セルに反映するには、サイドパネル上で特定のセルに対応する訳文を選択してコピーし、セル単位で貼り付ける必要があり、手間のかかる作業となります。
・実務で直面する4つのデメリット
手軽で便利な標準翻訳機能ですが、日常のビジネス実務で活用する際には、以下のような重大なデメリットが存在します。
1. 手動のコピペが必要で、大量データ処理に不向き:
翻訳結果は右側のパネルに表示されるだけで、元のセルに自動で上書き・反映する機能はありません。翻訳文をセルに挿入するには、パネル上で訳文を範囲選択してコピーし、手動でセルに貼り付け直す必要があります。対象セルが数十、数百とある場合、このコピペ作業だけで膨大な時間がかかってしまいます。
2. 貼り付け時にレイアウトが崩れてしまう:
翻訳された文章をセルに貼り付け直す際、元のフォント設定や配置、セルの結合、罫線などが崩れたり解除されたりすることがあります。特に、複雑なフォーマットが組まれた表や図解を含む資料では、翻訳後のレイアウト微調整にさらに多くの時間を取られることになります。
3. 専門用語や固有名詞を正しく翻訳できない:
標準翻訳機能には、特定の単語に独自の訳文を割り当てる用語集(辞書)機能がありません。そのため、製品名・会社名といった固有名詞や、業界特有の専門用語が一般的な言葉に誤訳されやすく、翻訳のたびに手作業で修正を繰り返さなければなりません。
4. 無料翻訳エンジンによるセキュリティ上の懸念:
無料の翻訳機能を利用する場合、入力した翻訳データが翻訳エンジンのサービス向上などの目的で二次利用(学習データなどとしての使用)されるリスクを完全に排除できません。企業の機密情報や取引先・個人情報が外部に漏洩するリスクを防ぐため、社内データや重要な書類を無料の標準機能で安易に翻訳するのは避けるべきです。
2. Excelアドインや関数を活用して翻訳を効率化する方法
標準の翻訳パネルでのコピペ作業が手間に感じられる場合、Excelに 翻訳用アドイン を導入することで、翻訳効率を一段階引き上げることができます。
・Excelアドインの導入方法
1.Excelの上部メニューから「挿入」>「アドインを取得」(Office アドイン)をクリックします。
2.検索窓にTranslatorやDeepLなどのキーワードを入力し、該当するアドインをダウンロードしてインストールします。
3.有料サービスのアドインを導入する場合は、提供元から取得したAPIキーを設定することで利用可能になります。
・アドインを利用する際の注意点
アドインを使用すれば、関数(例:=TRANSLATE(A1, “ja”, “en”)のようなカスタム関数)を入力するだけで、下方向へオートフィル(コピー)をかけることで数千行のリストも一括翻訳できるようになります。
しかし、アドインの多くは API連携のための有料契約が必要 であることや、フォントサイズやセルの色といった 高度なビジュアルデザインや書式の崩れを完全に防ぐことは難しい という点はあらかじめ理解しておく必要があります。
3. DeepLのファイル翻訳機能を使ってエクセルを丸ごと一括翻訳
DeepLにはファイル翻訳機能が搭載されており、1つのExcelファイルの内容をまとめて翻訳できます。ファイル翻訳を利用するには、DeepLのアカウントを作成する必要があります。
ファイル翻訳の基本的な使い方は、DeepLのウェブサイトでファイルをドラッグ&ドロップして、訳文の言語を選択してから翻訳ボタンをクリックします。

ただし、無料版やStarterプランを利用している場合、Excelファイルを直接翻訳することができないため、翻訳するには工夫が必要です。まず、Excelアプリを使用して、翻訳したいExcelファイルをPDF形式で保存します。そして、このPDFファイルをDeepLのファイル翻訳機能で翻訳します。しかし、この方法には注意点もあります。PDFに変換することで、元のExcelファイルの形式や構造が失われるため、翻訳後に再びExcelファイルに戻すことは難しくなります。特に、数式や特定のフォーマットが含まれている場合、PDFからの復元は困難になります。
なお、DeepL無料版を利用する場合、入力したデータがDeepL社に利用される可能性があります。業務上の機密情報をDeepL無料版で翻訳することは控えてください。無料版のセキュリティの詳細と無料版と有料版の違いについては以下の関連リンクを参照してください。
【関連リンク】
DeepL翻訳で機密は保持される?セキュリティは?
DeepLの無料版と有料版(DeepL Pro)の違いとは? ~料金、セキュリティ、文字数~
なお、DeepL有料プランを利用するとExcelファイルをそのまま翻訳することが可能です。プランによって翻訳できるファイル数が異なり、Starterプランの場合は月あたり5ファイル、Advancedプランの場合は20ファイル、Ultimateプランの場合は100ファイルまで翻訳できます。
4. Excelファイルに対応しDeepLと連携する自動翻訳製品を使う
別の方法としてDeepLと連携する翻訳製品を利用することも考えられます。弊社ヒューマンサイエンスでは、Windows、Mac、およびWeb版のMicrosoft 365アプリケーション(Outlook、Word、Excel、PowerPoint)に翻訳機能を追加するMTrans for Office(エムトランス フォー オフィス)を提供しています。MTrans for OfficeはDeepL、Google、Microsoft、OpenAIの4つの翻訳エンジンを搭載しており、各ユーザーが任意の翻訳エンジンを選択できるようになっています。入力したデータが二次利用されることはなく、セキュリティ面も安心です。
MTrans for Officeは製品名や会社名などの固有名詞を登録できる用語集機能を備えており、翻訳精度を向上させることが可能です。翻訳後も元のドキュメントのレイアウトや構成、文字の大きさが保持されるため、再編集の手間を省くことができます。さらに、訳文のスタイルを自動的に変換する機能や、OpenAIの生成AIを活用した執筆支援機能も搭載されています。
4-1. MTrans for Office でExcelを翻訳する方法
MTrans for Officeをインストールすると、以下のような専用のツールバーが追加されます。(Windows版Excelの場合)

最初に「翻訳設定」で言語、翻訳エンジン、用語集などの基本設定を行います。
「パネル表示」>「翻訳」ボタンをクリックすると、Excelウィンドウの右側に以下のような翻訳パネルが表示されます。

この翻訳パネルには、選択されている1つまたは複数のセルのテキストに対応する訳文が表示されます。同時に複数の翻訳エンジンを使って翻訳できるため、訳文を比較して最適なものを選択できます。長文を翻訳する際に、翻訳エンジンによっては原文の一部が訳文から欠けてしまう場合があります(訳抜け、訳漏れ)。複数の翻訳エンジンの訳文を比較すれば、簡単に訳抜けを見つけることができます。
採用したい訳文が決まったら、その訳文の上にある「置き換え」ボタンをクリックすると、元のセルに訳文が反映されます。


MTrans for Officeではセル単位で翻訳できるだけでなく、シートやファイル全体を翻訳することもできます。シートを翻訳する場合はツールバーの「翻訳して原文置換」>「選択したシート」ボタンをクリックします。ファイル全体を翻訳する場合は「翻訳して別名保存」>「ファイル」ボタンをクリックします。翻訳できるファイル数の上限はありません。

5. Excel翻訳に関するよくある質問(FAQ)
- Qエクセルの標準翻訳機能で、翻訳結果をシート上のすべてのセルへ一度に自動反映・上書きする方法はありますか?
- Q無料の翻訳サイト(DeepL無料版など)にエクセルのデータをコピペして翻訳する場合、セキュリティ上のリスクはどの程度ありますか?
- Qエクセルファイルを翻訳すると、数式やセルのフォントなどのレイアウトが崩れてしまいます。良い対策はありますか?
- Qエクセルファイル内に複数のシートがある場合、それらを丸ごと一括で翻訳することは可能ですか?
6. まとめ
Excelには標準の翻訳機能が搭載されており、ユーザーは「校閲」タブから翻訳ツールを利用して簡単にテキストを翻訳できます。しかし、セル単位でしか翻訳できない上に、翻訳結果は元のセルに反映されず、手動でコピー&ペーストが必要です。また、翻訳精度や専門用語の扱いに課題があり、特にビジネス文書では誤訳が発生しやすいです。これに対し、DeepLのファイル翻訳機能を利用すると高い精度でExcelファイル全体を翻訳できます。また、DeepLと連携する自動翻訳製品「MTrans for Office」を使用することで、翻訳精度を向上させ、効率的に翻訳作業を行うことも可能です。
Officeかんたん翻訳ソフトMTrans for Officeとは











