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第一回:医療翻訳への生成AI導入は進んでいる?現状と課題を徹底解説

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2025.9.25

第一回:医療翻訳への生成AI導入は進んでいる?現状と課題を徹底解説

目次

1. 生成AIは医療翻訳に使えるのか?

近年、ChatGPTに代表される生成AIが世界的に注目を集めています。 翻訳分野でも生成AIの活用が期待されていますが、特に専門性と正確性が求められる医療翻訳の現場では、導入はまだ始まったばかりです。多くの翻訳者や企業は興味を持ちつつも、「具体的にどう使えばいいのか」「情報漏えいのリスクはないか」「AIに任せて品質が下がらないか」「本当に業務効率が上がるのか」といった疑問や不安を抱えています。

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2. 医療翻訳における生成AI導入の現在地

2-1. 生成AI活用の試行錯誤

現状、医療翻訳における生成AI活用は試行段階にあります。一部では、ChatGPTを使って下訳(ドラフト翻訳)を作成したり、翻訳結果のチェックに利用したりする取り組みが見られます。例えば、チャットボットのAPIを翻訳ソフトに連携し、プロンプト(指示文)を工夫して専門用語の統一やスタイルの調整を行うことで、従来は人手がかかっていた修正作業を自動化する実験も進んでいます。ChatGPTは適切な指示を与えることで多様な翻訳タスクに対応できる柔軟性があり、従来の機械翻訳エンジンのような大規模な事前学習データがなくても、必要な翻訳結果を得られる可能性があります。このため、用語集の作成補助や翻訳文の校正など、翻訳工程の一部に生成AIを役立てようという動きが出始めています。

しかし、医療翻訳では厳格な品質管理と情報セキュリティが不可欠です。患者のプライバシーや治験情報など機密性の高い原稿を扱うため、オンラインAIに安易に投入できない事情があります。たとえ便利でも、外部のAIサービスに機密文章を入力することには慎重にならざるを得ません。また、ChatGPTの出力する翻訳は一見流暢でも、専門用語の誤訳・訳抜けなどのリスクを人間が検証する必要があります。要するに、現段階では「生成AIをそのまま使えば翻訳がすべて解決」という状況ではないのです。

3. 医療翻訳に生成AIを導入する際の課題

医薬翻訳者や企業からは、以下のような声が寄せられています。

3-1. セキュリティと情報漏えいのリスク

「ChatGPTを翻訳に使ってみたいが、機密データを入力して大丈夫か?」 – セキュリティや守秘義務上の不安。特にクラウド上のAIサービスに業務データを預けることへの抵抗があります。

3-2. プロンプト設計のノウハウ不足

「生成AIに何を指示すれば望む訳文が得られるのか分からない」 – プロンプト(指示文)のノウハウ不足。専門用語や文体の指定をどのように行えばよいか手探りの段階です。

3-3. 専門性・正確性の検証が欠かせない

「AI翻訳の品質を信頼しきれない」 – ChatGPTは流暢な文章を生成しますが、微妙なニュアンス違い、事実誤認、体裁の乱れなど、人間がレビューしなければならない点が残ります。特に医療文書では小さな誤訳が重大な意味の違いにつながるため、チェック体制を省略できません。

3-4. 本当に効率化につながるのか?

「導入しても業務効率が上がるのか疑問」 – AIの利用には学習コストや検証作業も伴うため、本当にトータルで効率化できるのか見極めたいという声です。
このように、生成AIの性能向上で可能性を感じつつも、医療翻訳にそのまま取り入れるには品質・セキュリティ面のハードルが存在するのが現状です。そこで重要になるのが、「どの工程で・どの程度AIを活用するか」という見極めです。人間の専門知識とAIの長所をどう組み合わせれば相乗効果を得られるのか、慎重な検証が求められています。

4. ヒューマンサイエンスの生成AIに対する取り組み概要

こうした状況を踏まえ、医薬翻訳サービスを提供するヒューマンサイエンスでは、生成AI活用の可能性と課題を明らかにするための社内プロジェクトを立ち上げました。現場の疑問に答えるべく、以下のアプローチで検証を進めています。

4-1. ① ChatGPTを翻訳プロセスで活用できる自社ツールの開発

翻訳者が安心して使えるよう、操作性とセキュリティに配慮したAI支援ツールを社内で開発しました。これにより「使いづらい」「危なくて使えない」という課題を克服し、現場で試しやすい環境を整えました。

4-2. ② ツールを用いた実証実験による効果検証

実際の医療文書を使って、生成AIの導入が翻訳品質や作業効率にどう影響するか検証しました。具体的には、AIが検出した問題点やその有用性、作業時間への影響などをデータ収集し分析しています。

5. 医療翻訳に生成AIをどう活かすか?次回から具体的な取り組みを紹介

本ブログシリーズでは、この取り組みで得られた知見を順に紹介していきます。第1回の今回は現状把握と課題整理を行い、>第2回では開発した「ChatGPT翻訳校正ツール」の内容と検証結果、第3回ではAIと翻訳者の協業モデルと今後の展望について解説します。生成AI時代における医療翻訳の姿を一緒に考えていきましょう。
次回は、ヒューマンサイエンスが開発したAI翻訳校正ツールの詳細と、その実証結果を具体的に見ていきます。

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