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CATツールとは?メリット・デメリットなど解説

CATツールとは?メリット・デメリットなど解説

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目次

1. 翻訳支援ツール(CATツール)とは?

翻訳業務では、プロジェクトマネージャー(コーディネーター)、翻訳者、レビューア(チェッカー)など、複数の人間が関わります。この中で、特に翻訳者とレビューアの業務を支援し、翻訳作業の効率と訳文の品質を向上させるのが翻訳支援ツールです。CATツール(Computer-Assisted Translation tool)とも呼ばれます。代表的な製品として、Memsource社のMemsource、RWS社のTrados Studioがあります。

 

・翻訳管理システムとの違い
翻訳管理システムは、プロジェクトマネージャーを支援するためのものです。翻訳作業のスケジュール管理、作業データの一元管理、プロセスの自動化などの機能を提供します。代表的な製品として、Memsource社のMemsource、RWS社のTrados GroupShareがあります(Memsourceは翻訳支援ツールであると同時に翻訳管理システムでもあります)。詳細については、ブログ記事「翻訳管理システムとは」をご覧ください。

 

・CATツール使用の流れ
使用の流れは以下のとおりです。
1.翻訳対象の文書ファイルを用意する。
2.文書ファイルを翻訳支援ツールに読み込む。
3.編集画面で翻訳する。
4.訳文から元のファイル形式のファイルを生成する。

 

CATツールは、Word、Excel、PowerPoint、PDFなど、大抵のファイル形式に対応していますが、ファイル内の本文がテキストデータとして格納されている必要があります。例えば、PowerPointのスライドの中に画像データとして文章が貼り付けられている場合、その箇所は翻訳対象から外れます。印刷物をスキャンしたスキャンPDFについては、文字認識(OCR)機能が利用できるものの、正しい文字に変換できないことも多いため、テキストデータが含まれる元ファイルをできる限り用意することをお勧めします。

2. CATツールでできること

翻訳支援ツールの主な機能は、翻訳メモリ、機械翻訳、用語集、品質チェックの4つです。これらの機能を活用することで、翻訳作業の効率と訳文の品質が向上します。

 

・翻訳メモリ
過去に翻訳した原文と訳文のペアが保存されているデータベースのことです。TM(Translation Memory)とも呼ばれます。初回翻訳時に原文と訳文を翻訳メモリに登録し、それ以降、翻訳メモリを参照することで、一度翻訳した文を何度も訳す必要がなくなります。
また、部分一致でも検索できるため、類似の原文があったときは、過去の訳文を流用し、一部分を修正するだけで新しい訳文が完成します。類似の文が多い文書や改訂文書の翻訳では、翻訳メモリを使うことで、翻訳にかかる時間と費用を大幅に削減できます。

 

・機械翻訳
人間の代わりにコンピューター(AI)に翻訳させる機能です。自動翻訳やAI翻訳とも呼ばれます。翻訳支援ツール単体では利用できず、DeepLやGoogleなどの外部の機械翻訳サービスと連携する必要があります。翻訳メモリの中に過去の文が見つからないときは、機械翻訳機能に翻訳させ、その訳文を人間が修正すると、人間が一から翻訳するよりも翻訳速度が向上します。注意点としては、機械翻訳の訳文は流ちょうで、訳文だけを読むと問題ないように見えますが、誤訳が混じっていたり、原文にある単語や文節が訳文から抜けていたりするため、必ず人間が原文と訳文を照らし合わせて、確認、修正する必要があります。

 

弊社ではDeepL、Google、Microsoft、NAVER Papagoなどの機械翻訳サービスをMemsourceとTradosで利用できるようにするMTrans(エムトランス) for MemsourceとMTrans for Tradosという機械翻訳ソリューションを提供しています。標準の機械翻訳機能では、用語の訳語を指定することや、訳文を自動修正すること(英数字を半角にする、「である」調に統一するなど)はできませんが、MTransを利用することで、これらの機能が追加され、翻訳作業の効率と品質がさらに向上します。

 

・用語集
原文の特定の名称に対応する訳語と説明が保存されているデータベースのことです。製品名やサービス名などの用語を用語集に登録しておくと、翻訳時に原文に含まれる用語が自動的に検索され、訳語と説明が表示されるようになります。公式文書では正しい名称を使うことが重要ですが、用語集を使うことで訳文の中で間違った名称が使われることを防ぐことができます。

 

・品質チェック
さまざまな条件に従って訳文を機械的にチェックする機能です。英数字が半角文字で統一されているか、用語集に登録されている訳語が使われているか、原文にある数字が訳文にも存在するか、などをチェックできます。チェック条件はカスタマイズでき、翻訳用のスタイルガイドがある場合はそのルールを登録したり、よくあるタイプミスを蓄積したりすることで、訳文の品質が向上します。

3. CATツールのメリット・デメリット

・メリット1:処理能力の向上
翻訳メモリと機械翻訳により翻訳作業の10%から90%もの工数を削減できます。

・メリット2:統一性
用語集と品質チェックにより訳語やスタイルを統一できます。

・メリット3:訳抜け防止
文単位で原文と訳文が並んで表示されるため、文単位の訳漏れを防ぐことができます。

 

・デメリット1:費用
CATツールには費用がかかります。ただし、メリット1の処理能力の向上により、この費用は簡単に取り戻すことができます。

・デメリット2:訳文が文脈に合わない場合がある
文単位で翻訳することに集中すると前後の訳文とのつながりが不自然になる場合があります。文を翻訳した後に、直前の訳文と今翻訳した文を続けて読むことで、つながりが自然かどうかを確認する必要があります。

・デメリット3:言語資産管理
翻訳メモリ、用語集、品質チェック条件など、管理が必要となるデータが増え、そのための工数が必要になります。

4. まとめ

大量の文書の翻訳が必要で、翻訳作業を少しでも効率化したいとお考えですか。CATツールを導入すれば10%から90%もの工数を削減でき、さらに訳文の品質を向上させることもできます。弊社では、翻訳会社として蓄積してきたノウハウを活用し、CATツールMemsourceの導入をお手伝いします。お気軽にお問い合わせください。

 

関連サービス

MTrans for Memsource
MTrans for Trados

 

 

執筆者情報

中山 雄貴ランゲージソリューション部
ローカリゼーショングループ
自動翻訳チームリーダー

  • ・15年以上にわたって翻訳、レビュー業務を担当しつつ、自動翻訳技術の開発、導入支援を行う。
  • ・お客様と社内のポストエディット案件の品質と効率を技術的に改善。
  • ・JTF翻訳祭、TCシンポジウム、AAMT、TAUS、LocWorld等、日本および海外での発表多数。
  • ・『通訳・翻訳ジャーナル』『産業翻訳パーフェクトガイド』に機械翻訳に関する記事を寄稿(いずれもイカロス出版)。

 

 

 

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