かの有名なひみつ道具「ほんやくコンニャク」が初めて作品に出てきたのは 1976 年のことのようです。それから 40 余年。夢のような道具が現実のものになる日もそう遠くはなさそうです。
2017 年 9 月 18 日から 22 日までの 5 日間、名古屋大学にて MT Summit XVI (第 16 回機械翻訳サミット) が開催されました。
MT Summit は、「機械翻訳 (自動翻訳)」をテーマとした学会イベントです。
今回、実に 24 年ぶりに日本での開催となり、世界各国から、大学教授や研究者のみならず、IT 企業や翻訳会社、さらには翻訳者が一同に集まり、活発な情報交換が行われました。
ヒューマンサイエンスは、本イベントの講演者として参加いたしました。今回はそのイベントの模様を簡単にお伝えします。
教授や研究者による学術的な発表もありましたが、IT 企業の開発者や翻訳会社の品質管理者による発表も多く、さまざまなお話を伺うことができました。
その中でも、とても印象に残ったことは、「音声翻訳ソフトウェア/デバイスの可能性」と「機械翻訳における用語集適用の難しさ」についてでした。
音声翻訳ソフトウェア/デバイスの可能性
複数の IT 企業が自社製品に関する発表を行いました。
外国人観光客向けに、病院用音声翻訳アプリや、タクシー用の音声翻訳アプリなどがリリースされています。
また、Wi-Fi などのインターネット接続がなくても利用可能な音声翻訳デバイスや、様々な言語での同時コミュニケーションを可能にする音声翻訳機能付きウェブ会議ソフトウェアの紹介もありました。
このようなソフトウェアやデバイスは今後も進化を続けていきそうです。
ヒューマンサイエンスでは、最新技術とローカリゼーションベンダーしてのナレッジを活かした音声翻訳サービスを提供していきたいと考えています。
HS の音声認識 QA テスティング
http://www.science.co.jp/localization/service/srqa.html
機械翻訳における用語集適用の難しさ
弊社の発表でも用語集の適用について触れましたが、「用語集の適用」は各国の翻訳関係者の悩みのタネのようです。
会場でお会いしたアメリカ、イタリア、ブラジルの方は「ニューラル機械翻訳 (NMT) の品質はとても良いが、用語集を適用できないことが課題」と口を揃えました。世界各国での共通の課題のようです。
これは、NMT ではこれまでの機械翻訳技術 (エンジン) のように用語集を追加できないことがあるためです。
NMT でも用語集の適用はある程度可能ですが、エンジンの特性を理解した上で、用語集の整備やポストエディットの方針を検討する必要があります。
ヒューマンサイエンスでは、「機械翻訳を使いこなす」ためのソリューションの提供に向け、今後も積極的に取り組んで行く予定です。
HS の NMT 導入支援サービス
http://www.science.co.jp/nmt/nmt.html
世界各国からの最新技術に触れることができ、多くのことを学習・体験できた貴重なイベントでした。
次回の MT Summit は、2019 年、アイルランド・ダブリンで開催とのことです。
*****
ヒューマンサイエンスでは、各社のニーズに合わせてカスタムの機械翻訳ソリューションを提供しております。また、機械翻訳における用語集対応ソリューションや、同僚と翻訳内容を共有できるウェブサービス「MTrans Team」など、最新の機械翻訳技術を活用できるソリューションを幅広くご用意しております。
ヒューマンサイエンスの NMT への取り組みに関する詳細については、こちらのページをご覧ください。