Some parts of this page may be machine-translated.

 

医療AIを活用した画像診断の事例3選

alt

2025.2.13

医療AIを活用した画像診断の事例3選



医療業界において、AIの活用が進んでいます。AIは、膨大なデータを迅速かつ正確に解析する能力を持ち、医療の質を向上させる新たな手段として注目されています。これにより、医療現場では患者への迅速な対応や治療の精度向上、さらには医療従事者の負担軽減が期待されています。その中でも、特に画像診断の分野はAIの恩恵を受ける領域として注目されており、研究開発が活発に進められています。

画像診断における医療AIは、X線やCT、MRIなどの医療画像を解析し、疾患の早期発見や診断のサポートを行います。例えば、腫瘍の検出や骨折の確認、肺炎や心疾患のリスク評価など、多岐にわたる領域で活用が進み初めています。従来、専門医が時間をかけて行っていた作業を効率化し、見落としを減らす可能性があるため、医療従事者だけでなく患者にとっても大きなメリットをもたらすことでしょう。今回は医療AIが画像診断の分野でどのように活用されているかについて、事例を取り上げながらわかりやすく解説していきます。

目次

1. 画像診断における医療AIの浸透

医療AIの進歩は画像診断の分野において大きな注目を集めており、放射線科や内視鏡検査など、さまざまな医療現場で導入に向けた取り組みが始まっています。画像診断AIとは、X線やCT、MRIといった医療画像を解析し、病変の早期発見や診断の精度向上を支援する技術のことです。この技術の進化により、医療従事者の負担軽減や診断スピードの向上が実現するとともに、従来の医療体制が抱えていた人手不足や地域格差といった課題に対する解決策が提示されています。

AIの強みの一つは、その卓越したデータ処理能力にあります。膨大な医療データを短時間で解析し、規則性や特徴を高精度に抽出できるAIは、医師の目だけでは見逃しがちな診断をサポートします。特に、ディープラーニングを用いたAIは、病変や異常のパターンを迅速かつ正確に認識し、診断の補助として重要な役割を果たします。例えば、胸部X線や乳房マンモグラフィー画像から病変を自動的に検出するAIは、大量の画像データを迅速かつ高精度に解析することで、より早期の病変発見や診断精度の向上に繋がります。これにより、患者の予後改善や医療の質向上に貢献することが期待されています。

2. 医療AIによる画像診断の活用事例3選

胸部X線画像による肺機能推定/大阪公立大学

2024年7月に大阪公立大学が発表した研究によると、AIを活用して胸部X線画像から肺の機能を高精度で推定するモデルの開発に成功しました。

データ収集と学習:
•2003 年から 2021 年までの間に国内5施設から141,734 枚の胸部 X 線写真を収集
•3施設でAIモデルの訓練と検証を実施
•2施設で外部テストを実施

高精度な推定を実現:
•肺機能検査の代表的指標である努力性肺活量*1と1秒量*2を推定
•AIモデルの推定値と実際の肺機能検査の測定値を比較し、非常に高い一致率を達成

期待される活用:
•認知症患者や小児など、通常の肺機能検査が困難な患者への適用
•COVID-19などの感染症流行時、通常の検査が実施できない場合の代替手段
•胸部X線撮影のみで肺機能推定が可能となり、検査の効率化に貢献

*1「努力性肺活量」:最大限息を吸い込み、その後思い切り息を吐き出したときの空気量のこと。肺の大きさや弾性を反映する指標。
*2「1秒量」:最大限息を吸い込んだ後、1 秒間に吐き出すことのできる空気量のこと。気道の広さや呼気の勢いを反映する指標。

参考リンク:AIが肺機能を推定! 胸部X線画像を使用した高精度モデルを開発

マンモグラフィ画像による乳がんの検出/がん研有明病院とGoogle

がん研有明病院とGoogleの共同研究では、マンモグラフィ画像から乳がんを自動検出するAIの有効性が日本人女性を対象に検証されました。

データ収集と分析:
•2007年から2020年の間に撮影された約2万人の日本人女性のマンモグラフィ画像を使用
•個人情報保護のため、適切な匿名化処理を実施

AIの運用方法:
•AIモデルを「セカンドリーダー」として活用
•AIと最初の読影医の見解が一致しない場合のみ、2人目の読影医が確認

AIモデルの性能:
•乳がん検出の精度が従来の方式(異なる読影医による二重読影方式)と比較して7.6%向上
•異なる医師間の読影の一貫性を向上(複数の評価者間の一致度を測る統計指標であるκ(カッパ)係数が平均κ=0.65からκ=0.74に向上)

参考リンク:【ニュースリリース】がん研有明病院とGoogle AI を活用した乳がん検診の共同研究において、乳がん検診の精度と健診プロセスの効率の向上を確認

腹部CT画像による腎臓の異常検出/NTTデータと宮崎大学医学部附属病院

NTTデータと宮崎大学医学部附属病院は、腹部のCT画像から腎臓の異常を自動検出するAIの開発と検証を行いました。

AIの学習データ:
•アメリカ人患者約5,000人の腹部CT画像(約11万枚)を学習

特徴:
•特定の疾病(腎癌、腎臓結石、水腎症、など)だけでなく、臓器の多様な異常(嚢胞、腫瘍、など)を検出可能
•CTメーカーや造影剤の有無などのCT撮影条件に依存しない

実証実験の結果:
•宮崎大学附属病院の患者700人のデータで検証
•腎癌の診断精度:正解率89.00%、感度82.00% *1、特異度95.00% *2、適合率94.60%

*1「感度」:「陽性と判定されるべきものを正しく陽性と判定する確率」として定義され、この値が高いほど見逃しが少ないことを示す指標。
*2「特異度」:「陰性と判定されるべきものを正しく陰性と判定する確率」として定義され、この値が高いほど偽陽性(誤って健康な人を病気と判定する)が少ないことを意味し、有病率が低い診断では重要な指標。

参考リンク:宮崎大学とNTT データがAI 画像診断の実証実験を実施 ~腎臓CT 画像に対して、様々な異常の高い検出精度を確認~

3. まとめ

医療AIが画像診断において果たす役割は、ますます重要性を増しています。本記事で紹介した事例からもわかるように、AIは医療画像の解析を通じて疾患の早期発見や診断精度の向上を支援し、医療従事者の負担を軽減する可能性を秘めています。これにより、患者への迅速な対応や予後の改善だけでなく、医療全体の質の向上が期待されています。

一方で、AIの性能を最大限に発揮するためには、高品質な教師データ(アノテーションデータ)の作成が重要です。とはいえ、医療機器メーカーや医療機関が内製でこうした教師データを作成するにはリソースやコストの面で難しいというのが課題としてあるでしょう。医療分野特有の専門的な要件を理解して適切にデータ作成できる外部ベンダーの選定や、スケール化する前にPoCを実施するといった綿密な準備が求められます。

ヒューマンサイエンスでは、内視鏡手術画像、胸部X線画像、腹部CT画像など、 高い専門性が求められる医療系アノテーションで豊富な経験を持ち、医師の監修を含めた信頼性の高いアノテーションデータの作成や、トライアルを通じたノウハウの蓄積とお客様との密な連携を強みとしています。医療機関の規模や特性に応じた最適なAIシステムの開発や導入戦略について具体的に相談したい方や、専門的なサポートをお探しの方は、ぜひお問い合わせください。

4. ヒューマンサイエンスの医療系アノテーションサービス

●医療系画像の豊富なアノテーション経験

弊社では手術画像やMRI画像など、スキルトランスファーが必要とされる難易度や専門性の高い医療系画像アノテーションに多くの経験がございます。医療系画像アノテーションプロジェクトの経験豊富なPMに加え、作業経験者も多く、難易度や専門性が高く、スキルトランスファーが必要な案件であっても高品質のアノテーションを実現いたします。

●医師監修や医師によるアノテーションへの対応

一般の作業者だけで全ての作業を行うのは、やはり心配な場合もあるでしょう。そうした場合に一部チェック作業などで医師の監修をつけるなどのご要望もいただきます。こうしたご要望に応えるべく医師の監修体制もさらに強化しており、より難易度の高いアノテーションにも対応可能です。また、一般の作業者ではなく医師によるアノテーションをご要望の場合でも、リソース確保から品質・進捗管理までPMが伴走して万全のマネジメントサービスをご提供いたします。

クラウドソーシングを利用しないリソース管理

ヒューマンサイエンスではクラウドソーシングは利用せず、当社が直接契約した作業担当者でプロジェクトを進行します。各メンバーの実務経験や、これまでの参加プロジェクトでの評価をしっかりと把握した上で、最大限のパフォーマンスを発揮できるチームを編成しています。

自社内にセキュリティルームを完備

ヒューマンサイエンスでは、新宿オフィス内にISMSの基準をクリアしたセキュリティルームを完備しています。そのため、守秘性の高いデータを扱うプロジェクトであってもセキュリティを担保することが可能です。当社ではどのプロジェクトでも機密性の確保は非常に重要と捉えています。リモートのプロジェクトであっても、ハード面の対策のみならず、作業担当者にはセキュリティ教育を継続して実施するなど、当社の情報セキュリティ管理体制はお客様より高いご評価をいただいております。

アノテーションのみならず生成系AI LLMデータセット作成・構造化にも対応

データ整理ためのラベリングや識別系AIのアノテーションのみでなく、生成系AI・LLM RAG構築のためのドキュメントデータの構造化にも対応します。創業当初から主な事業・サービスとしてマニュアル制作を行い、様々なドキュメントの構造を熟知している当社ならではのノウハウを活かした最適なソリューションを提供いたします。

 

 

 

関連ブログ

 

 

お問い合わせ・資料請求

TOP