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1.データ活用の重要性の増加
今に始まった事ではないですが、データドリブンの経営や組織運営があちこちで叫ばれております。あらゆる方向でデータのデジタル化が進んでデータは蓄積しているものの、手つかずのまま放置された大量のデータの山。こういった課題を抱えている企業も多いと思います。今更言及するまでもありませんが、近年、こうしたデータを活用することで新たな価値の創出につなげることは、企業や組織にとってこれまでに以上に重要性が増しています。今回は社内データ活用のための手段としての「ラベリング」についてお話したいと思います。
2.構造化データと非構造化データ
データを活用する上で、これまでの構造化、整備されたデータの活用に加えて、昨今のデータ活用では、非構造化データをいかに使いこなすかが鍵となっています。
構造化データとは、商品の売上情報、顧客情報など、エクセル・CSVなどで「列」「行」で表現でき、検索・集計・比較が容易で、解析や分析にすぐに利用できる構造になっているものを指します。従来のDB化されたデータに代表されるもので、ERPなど従来型の業務システムで多く用いられてきました。
一方で非構造化データは、上記のような構造化されたものではなく、必要な情報を機械的に取り出したり、そのままの状態では活用することが難しく、分析や整理、活用をするためには、属性やメタデータを付与したり、何らかの加工が必要となります。
非構造化データには、メール、SNS、カスタマーレビュー等のテキストデータ、宣材等の動画データ、通話ログ等の音声データなど多岐に渡りますが、こうした非構造化データを企業が取り込み、分析し、有効に活用することで、より多面的で多様な情報が得られ、企業は新たなサービスや価値が創出でき、競合他社との差別化や包括的な経営課題の解決が可能となると言われています。
構造化データと非構造化データの比較
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データの例 | 売上・顧客情報など | テキストデータ・画像・動画など |
ファイルの例 | CSV・xlsxファイルなど | word・pdf・jpgなど |
データの構造 | 列・行などで表現され、 ルールに基づき定義されている |
自由記述で決まったルールがない |
データ分析の難度 | そのまま容易に分析できる | そのままでは分析が難しい |
3.非構造化データ活用の課題とは?
ここまで述べてきた通り、非構造化データには経営課題を解決できる・新たな価値創出が期待できる、というポテンシャルがありますが、活用に際しては課題があります。
・大規模なデータストレージを必要とする
非構造化データは、画像や動画も含めてさまざまな形式のものになります。これらを扱うには構造化データに比べて、非常に規模の大きいストレージが必要となります。また、非構造化データは日々増加していきますので、ストレージを確保した後も拡張をする必要があり、そのためのコストもかかってしまいます。
・データの管理・保守にコストがかかる
非構造化データはテキストから動画まで多岐に渡ります。これらは決められた規則や形式で作られているわけではないので、構造化データのようにデータベース上で管理することが困難です。例えば情報の検索性について考えてみましょう。動画などではファイル名でわかる情報は限られており、実際にファイルを開いてみなければどんな情報が含まれているかが判別つきません。このような日々蓄積されるさまざまな形式のデータに対し、検索性を高めるための作業を行わなければなりません。このように構造化データの活用には管理・保守の面でも非常にコストがかかります。
・セキュリティ対策が必須
扱うデータによっては個人情報や機密情報が含まれる場合もあります。こうした情報をデータストレージ上で適切に管理しなければ、不正アクセス・ウイルス感染・情報漏洩などの重大なインシデントにつながります。
4.非構造化データを活用するために
非構造化データを活用するには、データの特徴を表す属性やメタデータの付与などのデータの整備が必要になりますが、これらには「タグづけ」、「データラベリング」と呼ばれる作業が必要となります。
今日ではAI技術の進歩により、AIを活用してデータの持つ特徴を解析して、メタデータを自動的に作成するツールが出現し、様々な分野で利用され始めています。
ただ、これらのツールが万能というわけではなく、以下のような場合はAI技術を用いたツールで自動的にラベリングをすることは難しく、現在でも多くの場合、人手による地道なラベリング作業が必要となります。
・専門的な知識が必要な場合
・データ形式が複雑な場合
・判断や分類に文脈や行間を読む必要や、人間の感性が必要な場合
5.非構造化データのラベリングサービス
非構造化データの活用のためにAIを用いるかどうかに関わらず、非構造化データのラベリングは社内で眠っているサイロ化された未整理のデータに光を当て、活用を推進することは、さらなる価値創造に向けた第一歩となると言えます。
弊社のサービスは、当初AI開発のアノテーション、データラベリングからスタートしました。非構造化データは曖昧性の高いものが多く、また活用にあたってはゴールを明確に定め、その目的に沿うように分類、ラベリングを行う必要がありますが、そこにはやはり経験やノウハウ、大量のリソースが必要になることも多く、ノウハウを保有した専門の企業に依頼することが、激しい競争からいち早く逃れ、ゴールへ到達するための近道とも言えます。
弊社ではAI教師データ作成のアノテーションサービスの提供を通じて、様々な非構造データのラベリング行うことで、ノウハウや知見を蓄積し、AI教師データ作成のアノテーションだけでなく、様々な企業の社内データ活用のために、非構造化データのラベリング、属性付け、分類、データクレンジングにも対応してまいりました。
AI開発に限らず、アノテーションサービスの提供を通じて得た経験、ノウハウを非構造化データのラベリングに活かし、データドリブン経営や、社内に蓄積されたデータを活用し、新たな価値の創造に取り組むお客様に寄り添っていくために、非構造化データのラベリングサービスも積極的に対応しております。
AIモデルが最適かわからないが、社内に眠っている非構造化データを有効に活用したい、という企業様も、ぜひ当社にご相談ください。
6. ヒューマンサイエンスのアノテーション、LLM RAGデータ構造化代行サービス
教師データ作成数4,800万件の豊富な実績
ヒューマンサイエンスでは自然言語処理に始まり、医療支援、自動車、IT、製造や建築など多岐にわたる業界のAIモデル開発プロジェクトに参画しています。これまでGAFAMをはじめとする多くの企業様との直接のお取引により、総数4,800万件以上の高品質な教師データをご提供してきました。数名規模のプロジェクトからアノテーター150名体制の長期大型案件まで、業種を問わず様々なアノテーションやデータラベリング、データの構造化に対応しています。
クラウドソーシングを利用しないリソース管理
ヒューマンサイエンスでは自然言語処理に始まり、医療支援、自動車、IT、製造や建築など多岐にわたる業界のAIモデル開発プロジェクトに参画しています。これまでGAFAMをはじめとする多くの企業様との直接のお取引により、総数4,800万件以上の高品質な教師データをご提供してきました。数名規模のプロジェクトからアノテーター150名体制の長期大型案件まで、業種を問わず様々なアノテーションやデータラベリング、データの構造化に対応しています。
アノテーションのみならず生成系AI LLMデータセット作成・構造化にも対応
データ整理ためのラベリングや識別系AIのアノテーションのみでなく、生成系AI・LLM RAG構築のためのドキュメントデータの構造化にも対応します。創業当初から主な事業・サービスとしてマニュアル制作を行い、様々なドキュメントの構造を熟知している当社ならではのノウハウを活かした最適なソリューションを提供いたします。
自社内にセキュリティルームを完備
ヒューマンサイエンスでは、新宿オフィス内にISMSの基準をクリアしたセキュリティルームを完備しています。そのため、守秘性の高いデータを扱うプロジェクトであってもセキュリティを担保することが可能です。当社ではどのプロジェクトでも機密性の確保は非常に重要と捉えています。リモートのプロジェクトであっても、ハード面の対策のみならず、作業担当者にはセキュリティ教育を継続して実施するなど、当社の情報セキュリティ管理体制はお客様より高いご評価をいただいております。