前回のブログでは、Google Neural Machine Translation (GNMT)が日本語に対応したことを書きました。 個人的に知りたい英語のサイトページなら、GMNTでだいたいの意味に翻訳できれば事足りるかもしれません。ところが実務翻訳となると話は違います。対象読者が製品ユーザーだったり、サービスを購入した顧客だったりする場合に、当然翻訳も一定以上の品質が求められます。 「GNMTの品質が良くなったことは認めるが、実際にはどの程度評価できる品質なの?」という疑問をお持ちの読者も多いかと思います。 そこで、ヒューマンサイエンスの主な翻訳ジャンルのIT、医療、機械のそれぞれのドキュメントで翻訳品質の実例と課題点を検証してみました。なお、GNMTの訳は本記事執筆時点のものになります。
ITマニュアル(英日)

意味としては正しく訳されていますが、用語集やスタイルガイドに準拠しているかどうかを確認する必要があります。 たとえば、用語集でdeploymentの訳を「配備」で統一している場合、「展開」は「配備」に修正する必要があります。 スタイルに関しては、全角文字と半角文字の間のスペースの有無(「API」と「の」の間)、丸括弧を全角にするか半角にするか、といった点をスタイルガイドに従って修正する必要があります。 また、参照先のセクションタイトルが実際に「アプリケーションプログラミングインターフェイスを使用した展開(API)」であるかどうかを確認および修正する必要があります。
このようにGoogle翻訳で翻訳した訳文を、スタイルガイドに準拠しているかどうかの確認が必要です。また例文は参照文であるため、セクションタイトルと一致しているかといった観点での確認も必要です。 これら人手による確認プロセスを、PE(ポストエディット)と呼んでいます。