2020年4月21日に「翻訳業務フロー見直しませんか? 機械翻訳・ポストエディット活用」というテーマでのWebセミナーを実施し、多くの方にご参加いただきました。
セミナーでは、機械翻訳の費用対効果、ポストエディット、お客様事例についてお話しました。
ここではセミナーでお寄せいただいた質問と回答をご紹介します。
Q 機械翻訳では、訳の不統一はなぜ起こるのでしょうか。
A エンジンの仕様なので明確な答えは難しいのですが、経験上、同じ表現が前後にある場合、もしくはコロケーションを加味して異なる訳にしてしまうことがあるようです。
Q プリエディットの注意点はありますか?
A 短い文章にする、用語を統一する、主語を省略しない等、機械翻訳にかけやすい日本語文書を作成することがポイントです。
Q お勧めの翻訳エンジンは何でしょうか?
A ジャンル(例:IT、医療、観光)、用途(例:マニュアル、メール)、翻訳ボリューム等によって最適なエンジンは異なります。口コミ等で評価の高いエンジンはありますが、自社に最適なエンジンを選択することが重要です。翻訳メモリの有無、蓄積度、用語集の有無などにも拠りますので、いくつかピックアップして検証することをお勧めします。
Q プリエディットとポストエディットは、誰が実施するのですか? 御社に依頼するのか、もしくは依頼社側がするのでしょうか? 現在は社内の人間が英訳していますが、品質に課題がありアウトソーシングを検討しています。
A いずれにせよ品質要件を定めてスタイルガイドを準備する、等のルールを整備することが翻訳品質の課題解決には重要です。ヒューマンサイエンスではプリエディット・ポストエディット作業をお請けするだけでなく、お客様で実施する際のサポートも承っておりますのでお気軽にご相談ください。
Q 顧客向けのトレーニング文書なのですが、翻訳辞書の作成を多言語で行う場合の基本的な手順や留意点はありますか?
A 日英も多言語も基本的な考え方は同じです。まずは、ユーザーが混乱しないように統一するべき用語(製品名、ボタン)を抽出していきましょう。
多言語の辞書運用で起こりがちなのが、メンテナンスの不備です。各言語で等しく更新がされずにバラバラになることがあるので、最新版にメンテナンスするよう運用ルールを定めて実施することが重要です。
Q Google翻訳が飛躍的に性能アップしていますが、有料翻訳ソフトに比べていかがでしょうか?
A たしかにGoogleの翻訳精度は向上していますが、お客様の翻訳対象の分野や用語集の有無によって機械翻訳のパフォーマンスは変わってきます。実際の翻訳対象の文書で検証したうえで、どの自動翻訳ソフトを導入するか決定することをお勧めします。
Q エディットのレベルを変える(フル、ライトなど)というお話がありましたが、作業者によって仕上がりに違いが出てきませんか?レベルの共通認識を構築するのが大変そうです。
A おっしゃるとおり、「ライトエディットでお願いします」といっても、人によって解釈が異なると仕上がりに差がでます。
ですので、ガイドラインで「どのような点を修正するのか」基準を定め、共有することが大事です。修正の例文、逆に「修正しない」場合の例文を載せたりすると、より作業する方の理解が深まり統一を図ることができます。ヒューマンサイエンスでは、大量の作業を依頼する前に、少量の文章でポストエディットされた訳文をレビューし、修正すべき点があればフィードバックを行うということを実施し、品質の統一を図っています。
Q 御社にお仕事を依頼する場合、ニューラル機械翻訳がメインになりますか?
A ニューラル機械翻訳が前提となるわけではありません。お客様の要件に応じ、機械翻訳だけではなく、人手翻訳で対応させていただく場合も多くあります。機械翻訳の場合も、お都度お客様の要件(コストや品質、納期など)を加味して機械翻訳ソフトをご提案しています。
Q ニューラル翻訳の効果を発揮させるためには、かなりの量の情報を機械翻訳に学ばせないといけないと聞きましたが、小さな案件から始めることはできますか?
A 御社専用のエンジンが必要な時には、おっしゃるとおり大量のコーパスが(学習させる)必要です。ただ、一般的な翻訳エンジンであれば、そのエンジンが学習していることをベースにして、小さな案件から始めることが可能です。
Q マニュアルをワードで作成した場合、英訳データをTradosの翻訳メモリーに蓄積できますか?
A 可能です。

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ポストエディット代行・運用支援
https://www.science.co.jp/nmt/service/postedit.html