
翻訳のご相談を受ける中で、私たちがよく耳にするお悩みがあります。「翻訳はお願いしたいが、修正指示用の原稿を作る時間がない」「どこをどう直せばいいのか、整理しきれていない」。翻訳依頼の準備段階で「修正点が整理できない」「指示書が作れない」といった理由で、本来進められるはずの案件が止まってしまうケースは少なくありません。そこで近年、私たちが力を入れているのが「翻訳原稿作成」という周辺業務です。今回は、実際の案件事例をもとに、翻訳原稿作成とは何か、なぜ価値があるのかをご紹介します。
翻訳依頼前に必要な準備項目(用途・分量・納期など)とあわせて、修正指示の整理を行うことで、更新作業をスムーズに進めることができます。
関連記事
>>多言語翻訳とは?基本から依頼方法、費用までわかりやすく解説
- 目次
1. 翻訳原稿作成とは? ―翻訳依頼の準備で必要となる前工程
1-1. 翻訳原稿作成の定義
翻訳原稿作成とは、翻訳依頼の前工程として、「翻訳・更新作業にそのまま使える”修正指示付き原稿”を作ること」です。
これは、翻訳を依頼する前段階で必要となる、修正箇所の整理と指示書の作成を支援するサービスです。お客様が「翻訳は頼みたいが、その前の準備ができない」というボトルネックを解消し、プロジェクトをスムーズに進めることができます。
1-2. 単なる差分整理との違い
翻訳原稿作成は、単なる差分整理ではありません。「どこが変わるのか」「なぜ変わるのか」「どのように変わるのか」という3つの観点を明確にし、翻訳者・制作担当が迷わない形に落とし込みます。この3点を明確にすることで、指示漏れや解釈違いを防ぎ、翻訳品質の安定と後戻り防止を実現します。
2. 事例:社名変更に伴うマニュアル更新案件と翻訳依頼の準備
2-1. 案件の背景
あるIT機器メーカー様では、企業合併に伴い社名表記、モデル名、著作権表記・商標表記の変更が発生しました。対象は数百ページに及ぶ英語マニュアルが複数冊。さらに、修正指示は日本語マニュアルをベースとし、英語版独自の表現も存在するという状況で、急ぎで進める必要がありました。
2-2. お客様が抱えていた課題―翻訳依頼の準備で止まる理由
お客様側では、修正点をExcelで整理するのが精一杯で、その内容を英語PDFに落とし込む余裕がありませんでした。また、Excelの内容がそのまま使えるか判断がつかない状態でした。つまり、「翻訳は頼みたいが、その前の準備ができない」という典型的なボトルネックが発生していたのです。

2-3. 私たちが行った「翻訳原稿作成」の内容―修正指示整理のプロセス

翻訳依頼前の準備として、修正指示を翻訳で使える形に整理しました。
① 修正指示Excelの読み解き・精査
支給されたExcelは短期間で作成されたもので、そのまま反映すると誤りになる可能性がある箇所も含まれていました。そこで、記載内容の妥当性チェック、表記ゆれ・指示不足の洗い出し、不明点の整理・質問といった作業を実施しました。
② 日本語版と英語版の差分を意識した確認
重要だったのが、「日本語にはなく、英語にだけ存在する表現」です。例えば、日本語では主語を省略していても、英訳時に補われた主語として旧社名が残っているケースが実際にありました。単純に「日本語の修正指示だけ」を反映すると、英語版に旧社名が残ってしまうリスクがあったのです。
③ 英語PDFへの赤入れ=そのまま使える原稿化
最終的には、Excel内容を確認・補正しながら英語PDFに直接赤入れを行い、翻訳・更新作業に即使える状態まで整備しました。これにより、お客様側では「確認してOKを出すだけ」の状態になりました。
今回の作業内容には含まれませんでしたが、翻訳原稿作成では、文言修正だけでなく、対象国・地域の仕様や慣習に合わせた調整も行います。

3. 翻訳依頼のための原稿作成の価値

案件が「止まらない」
準備不足を理由に止まっていた案件を、前に進められるのが最大の価値です。翻訳依頼の前段階でつまずくことなく、プロジェクトをスムーズに進行できます。
翻訳品質の安定
指示漏れ、解釈違い、英語版特有の表現ミスといった問題を事前に潰すことで、後戻りや修正コストを大幅に削減できます。
翻訳以外の業務も任せられる安心感
「こんなこと、頼めるのかな?」というふわっとしたご要望でも、具体化してご提案できます。これが翻訳原稿作成を含めた支援ならではの強みです。
4. 翻訳依頼の準備・翻訳原稿作成のご相談はヒューマンサイエンスへ
翻訳会社だからこそできる「前工程支援」
翻訳依頼に向けた準備でお困りの場合は、修正点整理・指示書作成からご支援します。
原稿整理、指示内容の精査、翻訳前の準備作業。これらは翻訳品質を理解しているからこそできる業務です。翻訳だけでなく、「翻訳を成功させるための準備」まで含めて支援する。それが、私たちの考える付加価値です。

修正内容がまとまらない、指示書を作る時間がない、翻訳を進めたいのに準備で止まっているといったお悩みをお持ちの方は、ぜひヒューマンサイエンスにご相談ください。「翻訳原稿作成から相談できる」ヒューマンサイエンスが、翻訳の一歩手前から、一緒に進めます。
関連サービス
5つのポイントとは?













