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多言語組版ノート:InDesignの段落スタイル設定(一般・基本文字形式)

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2025.8.29

多言語組版ノート:InDesignの段落スタイル設定(一般・基本文字形式)

段落スタイルとは文字組に関する設定一式を登録しておいて任意の段落に適用するための仕組みのことで、組版に一貫性と効率をもたらします。原則として全ての段落に何らかの段落スタイルを適用しますので「基本スタイル」と言っていいでしょう。

 

似たようなものに文字スタイルがありますが、こちらは文章の一部分だけ段落スタイルと異なる書式(太字・イタリックなど)にするための、いわば「例外スタイル」です。文字スタイルを使わないことはあっても、段落スタイルを使わずに文字スタイルだけで組むことはありません。

 

ここからはInDesignで欧文組版・多言語組版をする際の段落スタイルについて考えてみたいと思います。日本語のページ物のDTPデータを翻訳・レイアウト調整して英語版を作り、さらに欧文・多言語に展開する状況を想定しています。スクリーンショットはInDesign 2024のもので最新版とは異なる場合があります。

 

 

一般|General

 

基準|Based On

 

スタイル[基本段落|Basic Paragraph]は使いません。新たにスタイルを作る際の基準にするのもいけません。設定が異なるファイル間でテキストをコピー&ペーストしたりブックを同期したりすると書式が乱れるからです。基準は[段落スタイルなし|No Paragraph Style]にするか、スタイルに親子構造を付けるなら作成済の他のスタイルを基準にします。

 

同名なのに設定が異なるスタイルを持つファイル間でテキストをコピー&ペーストすると書式が乱れます。基本段落は日本語版InDesignと英語版とで設定が異なりますから、一方の環境で制作したファイルをもう一方の環境で開くと作業に支障をきたします。また基本段落は削除できず名前も変えられないのに設定内容は変えられるため、同じ日本語版InDesign同士であっても受け渡し先でトラブルになる恐れがあります。

 

一から十まで単独作業で完結する仕事ならまだしも、チーム作業・オフショア作業・翻訳展開といった他者とファイルの受け渡しをすることが前提の仕事で基本段落を使うのは禁忌です。

基本文字形式|Basic Character Formats

 

フォント|Font Family

欧文なら欧文フォント、多言語なら各言語のフォントに変更します。日本語フォントのままにしてはいけません。従属欧文(日本語フォントに付属するラテン文字)は日本語の文章に混ぜて使うためのもので、欧文の文章を組むようには設計されていないからです。

 

従属欧文についてはこちらもご覧ください。
>> 多言語組版ノート:日本語フォントで欧文を組まない

 

サイズ|Size

日本語版を元に英語版を制作する際、必ずしも文字サイズを同一にする必要はありません。組版に応じて、スペースや文字量に応じて、違和感を覚えない程度に適宜調整しましょう。スペースに制約があるときは長体でねじ込むより文字サイズを落とした方が可読性を保ちやすいです。英語から多言語に翻訳するときにも同じことが言えます。
>> 多言語組版ノート:長体を避ける

 

また、級数は日本語組版特有の単位であり欧文組版・多言語組版では使いません。そもそも英語版InDesignでは級数を扱うことができません。英語版を制作する時点で単位をポイントに切り替えて端数は丸めることになります。

 

行送り|Leading

日本語の行送りのままだと欧文では広過ぎるので狭めてください。行間が広過ぎると読みやすさに悪影響があります。自動行送りのデフォルト値は日本語版175%・英語版120%ですがこれが最適解というわけではありません。欧文なら文字サイズの120%を出発点に言語・媒体・組幅・フォントなどに応じて行送りを調整します。

 

行送りについてはこちらもご覧ください。
多言語組版ノート:最適な行間は言語によって異なる

 

行送りは組版をよく検討した上で実数で指定しますが、インライングラフィックを多用する場合は「自動|Auto」にするのもよいでしょう。自動行送りの値は別途「ジャスティフィケーション」で設定します。

 

カーニング|Kerning

 

「メトリクス|Metrics」を選択します。フォントの持つペアカーニング情報(隣り合う文字の組み合わせごとに設定された字間情報)に基づいて、つまりフォントデザイナーの設計通りの最適な字間で組版されます。

 

「オプティカル|Optical」は原則として使いません。ペアカーニング情報を無視してInDesignが独自に字間調整するモードで、メリハリがなくて不格好だったり、アラビア文字の連結が切れたり、タイ語の補助記号が定位置からずれたりと碌なことがないからです。メトリクスではうまく組めない所をピンポイントでオプティカルにすることもありますが例外的です。

 

「和文等幅」は欧文組版には不要な設定です。英語版InDesignにはありません。

 

トラッキング|Tracking

日本語組版だとカジュアルにいじりがちですが、欧文組版では原則ゼロ固定です。文字間隔はフォントデザイナーが細心の注意を払って設計しており、組版側でみだりに変更するものではありません。

 

文字の間隔についてはこちらもご覧ください。
>> 多言語組版ノート:文字の間隔は変えない

 

欧文合字|Ligatures

必ずチェックを入れてください。チェックを入れないと欧文はもちろんアラビア語などの合字も外れてみっともないですし、タイ語の補助記号がずれたこともあります。

 

合字についてはこちらもご覧ください。
>> 多言語組版ノート:合字が使えるなら使うべき

 

文字揃え|― ―

 

「ベースライン」を選択します。それ以外の選択肢はいずれも日本語組版用で欧文組版では使いません。また英語版InDesignにはこの設定項目がそもそもありません。欧文組版ではベースライン以外に選択の余地はないからです。

主な参考資料

Nigel French, InDesign Type: Professional Typography with Adobe InDesign (3rd edition), 2014

コントヨコ「InDesignによる欧文組版の基本操作その2」および「InDesignによる欧文組版の基本操作その3」I Love Typesetting

 

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