Some parts of this page may be machine-translated.

 

  • 翻訳サービス:HOME
  • ブログ
  • 機械翻訳の傾向やよくある間違いと修正(ポストエディット)のコツ① ~代名詞による誤訳や冗長さを避ける~

機械翻訳の傾向やよくある間違いと修正(ポストエディット)のコツ① ~代名詞による誤訳や冗長さを避ける~

機械翻訳の傾向やよくある間違いと修正(ポストエディット)のコツ① ~代名詞による誤訳や冗長さを避ける~

IT・FA分野の機械翻訳の修正(ポストエディット)作業において、代名詞に関連する修正の頻度は高いです。

 

Google翻訳やDeepLなどの機械翻訳でよく見かける代名詞に関する傾向は、特に以下の3つがあげられます。

 

1.主語を認識しにくい場合は、形式主語の「it (is)」がよく使われる。
2.原文に「~あります」がある場合は、形式主語の「there (is/are)」がよく使われる。
3.原文に「~できます」がある場合は、人称代名詞の「you (can)」がよく使われる。

 

もちろん、このような傾向が必ずしも間違った訳文生成につながるわけではありません。むしろ、機械翻訳で「it」や「there」などが形式主語として使われた場合は、文法的に成立するケースが多いです。
たとえば、人手翻訳で「This information is difficult to modify.」と訳された文章が、機械翻訳で「It is difficult to modify this information.」と訳されたとしても、構成や文法的に間違いではありません。

 

しかし、IT・FA分野の翻訳では、テクニカルライティングのルールに厳密に従う傾向があるため、簡略で読みやすい構成・文法・表現が求められます。
なお、会社によっては、代名詞の「you」や形式主語の「it」・「there」の(過剰)使用が禁止されている場合もあります。(その理由は、このブログの最後により詳しく紹介します。)

 

つまり、IT・FA分野の機械翻訳を修正する際は、余計な形式主語や先行詞やあいまいな代名詞をできるだけなくすことをお勧めします。

 

今回は、機械翻訳で生成された訳文にある余計な代名詞をどのように修正するかを、上記にある三つの傾向の観点から紹介します。

目次

1. 「it is」の修正方法①

  • ・原文:機械本体の位置を検出しますので、機械誤差の影響を受けず、精度の高い位置決めが可能です。
  • ・機械翻訳:Since the position of the machine body is detected, it is not affected by machine error and highly accurate positioning is possible .
  • ・修正後:Since the position of the machine main unit is detected, highly precise positioning can be performed without being affected by machine errors .

 

機械翻訳の「it is not affected・・・」の「it」は、「the position of the machine body」ではないかのような構成になっているため誤訳です。従って、適切に「highly precise positioning」を主語とし、影響を受けない対象は「highly precise positioning」であることを明確にする必要があります。

2. 「it is」の修正方法②

  • ・原文:実際では通常必要なことではないが蓄積コンデンサーがすべて同じキャパシタンス値を持つと仮定する。
  • ・機械翻訳: It is assumed that all the storage capacitors have the same capacitance value, which is not usually necessary in practice.
  • ・修正後: Assume that all the storage capacitors have the same capacitance value, although this is not usually necessary in practice.

 

「It is assumed that」の「It」は、形式主語として使われています。文法・文脈的には問題ありませんが、余計な代名詞をなくす観点から「Assume that」に修正しました。

3. 「there is/are」の修正方法①

  • ・原文:パルスコーダには、アブソリュート方式とインクレメンタル方式の2つの方式があります。
  • ・機械翻訳: There are two types of pulse coder, the absolute method and the incremental method.
  • ・修正後: Two methods are available for the pulse coder: an absolute method and an incremental method.

 

この「there」も形式主語なので文法的には問題ありませんが、余計な代名詞をなくし読みやすくする観点で修正しました。

4. 「there is/are」の修正方法②

  • ・原文:このシステムで他のユーザーとデータを共有する方法には、「コラボレータの招待」と「共有リンク」があります。
  • ・機械翻訳: There are two ways to share data with other users on this system: “Invite Collaborators” and “Share Links”.
  • ・修正後: In this system, the ways to share data with other users are by inviting collaborators or sharing a link.

 

こちらの「there」も、形式主語として前の例と同様の観点で修正しました。
(※「コラボレータの招待」と「共有リンク」は鉤括弧の中にあるが、固有名詞・UIではないため、一般名詞として訳しました。)

5. 「you」の修正方法①

  • ・原文:これらの情報は、キーワード、期間での絞り込みなど、様々な方法で検索できます。
  • ・機械翻訳: You can search for this information in various ways, such as by keyword or by time period.
  • ・修正後: Various search methods are available for this information, such as narrowing the results by keywords or time periods.

 

IT・FA分野の翻訳では、余計な「you」は避けることをおすすめします。その観点でこのように修正しました。

6. 「you」の修正方法②

  • ・原文:信号の編集、移動、削除をすることができます。
  • ・機械翻訳: You can edit, move and delete signals.
  • ・修正後: A signal can be edited, moved, or deleted.

 

こちらも上記と同じ理由で「you」を使わない表現にしました。

 

機械翻訳の「~できる ⇒ you can」は、誤訳につながるリスクもあるため注意が必要です。その理由として、~できるのは必ず人(「you」)ではなく、プログラム・システム・デバイスなどである場合もあるからです。

 

また、英語の技術翻訳は、通常(英語を母語としない人を含めた)幅広い聴衆に向けて発信されるか、多言語に(機械)翻訳するためのソース言語になるケースが多いです。よって、読む側が混乱する可能性や多言語翻訳での誤訳をなくすためにも、混乱を招きやすい代名詞は使わないことをお勧めします。

執筆者情報

アンディ パークマルチリンガルトランスレーショングループ
日英翻訳レビューアー

  • ・前職では、4年ほどITエンジニアとして従事、その後8年間英会話講師として教育プログラムの策定や講師育成に従事。
  • ・IT関連分野、ビジネス分野を中心とした翻訳歴11年。
  • ・現在はFA関連製品を中心に、製品マニュアル、ヘルプ、業務マニュアルなどの日英翻訳作業や翻訳品質管理に従事。
  • ・機械翻訳エンジンの日英翻訳品質評価・検証を担当。
人気記事ランキング
アーカイブ
カテゴリ

翻訳について
詳しく知りたい方

東京:03-5321-3111 
名古屋:052-269-8016

受付時間 9:30~17:00

お問い合わせ・資料請求