Some parts of this page may be machine-translated.

 

  • 翻訳サービス:HOME
  • ブログ
  • ChatGPTとDeepL②:製造業・IT分野の日英翻訳精度比較― 翻訳は「指示」で進化する?精度比較と改善方法を徹底検証

ChatGPTとDeepL②:製造業・IT分野の日英翻訳精度比較― 翻訳は「指示」で進化する?精度比較と改善方法を徹底検証

alt

2025.7.24

ChatGPTとDeepL②:製造業・IT分野の日英翻訳精度比較― 翻訳は「指示」で進化する?精度比較と改善方法を徹底検証

前回のChatGPTとDeepL①:製造業・IT分野の日英翻訳精度比較に引き続き、製造業・IT分野の技術文書を題材に、DeepLとChatGPTの翻訳品質や特徴について改めて検証します。今回は、ChatGPTの最初の翻訳結果に対して、必要に応じて具体的な指示をもう一つ入力し、その改善効果もあわせて検証します。

目次

検証①:原文に従って適切な形式を用いるのか

原文各焦点にはHybridとAutoの2つの種類があります。
DeepLEach focus has two types: Hybrid and Auto.
ChatGPTEach focal point has two types: Hybrid and Auto.

 

DeepLとChatGPTの訳文はどちらもコロンを使う形式になっています。箇条書きなど特定の場面ではコロンの使用が有効な場合もありますが、本件では原文が通常の文章形式であるため、コロンは使用しないほうが適切です。

これを踏まえ、上記のChatGPTの翻訳結果に対し、以下の指示を入力してみました。

<コロンを使わない表現を生成してください>

ChatGPTEach focal point comes in two types, Hybrid and Auto.

 

この指示を反映させたことで、訳文の品質が確かに向上したことがわかります。

このような原文を訳す場合、「Hybrid and Auto」を括弧付きで示すことで読みやすさを高めるという選択肢もあります。以下は、この方法を用いた人手翻訳の一例です。

人手翻訳Two types (Hybrid and Auto) are available for each focal point.

検証②:日本語特有の表現にどう対応するのか

原文使用には影響しないためご了承ください。
DeepLPlease note that this does not affect its use.
ChatGPTThis does not affect usage. Thank you for your understanding.

 

ここでは、「ご了承ください」をあえて訳さずに処理することや、より自然な英語表現に置き換えることが可能かどうかを確認することがポイントでした。

結果として、DeepLは「ご了承ください」の典型的な訳である「Please note that」を出力し、ChatGPTは「Thank you for understanding」と訳しました。(「Thank you for your understanding.」はさすがに不自然だったため、再度試したところ「This does not affect usage, so please be aware.」が返ってきました。こちらは「Thank you for your understanding.」よりは良かったものの、不自然さは解消されませんでした。)

このような場合、「ご了承ください」を単に訳さずに省略するほうが自然であるため、上記のChatGPTの翻訳結果に対して、次のような指示を入力してみました。

<「ご了承ください」は翻訳する必要はない>

ChatGPTThis does not affect usage.

 

指示に従ってChatGPTは「Thank you for your understanding.」を省き、「This does not affect usage」のみを生成しました。これにより、訳文の品質が向上し、最初の結果よりも自然な表現となりました。

ちなみに、この原文に対してはDeepLもChatGPTも動詞の「affect」を使いました。それ自体は問題ありませんが、名詞の「effect」を使うという選択肢もあります。以下は名詞の「effect」を用いた人手翻訳の例です。

人手翻訳There is no effect on operations.

 

※上記の人手翻訳の例では、原文の「使用」が文脈に応じて「operations」と訳されています。機械翻訳やAI翻訳は基本的に文脈を読み取って適切に表現を調整することができないため、この点は評価の対象外としています。

検証③:読みやすさを考慮して構成を変えることはできるか

原文TSビューアをクリックしてから、キーボード操作により位置合わせを行うことができます。
DeepLAfter clicking on the TS viewer, positioning can be done by keyboard operation.
ChatGPTAfter clicking the TS viewer, you can align the position using keyboard operations.

 

ここでは、DeepLもChatGPTも原文の日本語に合わせて、副詞節+主節の構成を用いた訳文を生成しました。言語的な観点からはどちらの訳も問題なく、原文の意味を正しく伝えています。ただし、テクニカルライティングの観点では、読みやすさを高めるために文構成を工夫する余地があります。また、ChatGPTが生成した訳文では、代名詞「you」を用いた表現がやや冗長に感じられるため、可能であれば使用を避けることが望ましいです。

これを踏まえ、上記のChatGPTの翻訳結果に対して、以下の指示を入力しました。

<代名詞「you」の使用は避け、副詞節+主節の構文ではなくSVOC構文を使ってください>

ChatGPTClick the TS viewer and use the keyboard to align the position.

 

この指示によって翻訳は明らかに改善されましたが、「SVOC構文を使う」という具体的な指示があるため、以下のような訳文が出ていればより望ましかったです。

人手翻訳Clicking the TS viewer enables registration with keyboard operations.

 

※上記の人手翻訳の例では、原文の「位置合わせを行う」が文脈に応じて「registration」と訳されています。機械翻訳やAI翻訳は基本的に文脈を読み取って適切に表現を調整することができないため、この点は評価の対象外としています。

検証④:ややこしい修飾関係を正確に読み取れるか

原文基底画像上のベクトル場(インフロー)
DeepLVector fields on the underlying image (in-flow)
ChatGPTVector field (inflow) on the base image

 

原文では「(インフロー)」が「ベクトル場」を修飾する形で文末に置かれています。しかし英語では「vector field」が文頭に来るため、「(inflow)」もそれに合わせて「vector field」の直後に移動させる必要があります。DeepLは「(インフロー)」が「ベクトル場」を修飾していることを正しく認識できず、「(in-flow)」をそのまま文末に誤って配置してしまいました。一方、ChatGPTはこの修飾関係を正しく理解し、「(inflow)」を適切な位置に配置しています。

この例では、ChatGPTが適切に翻訳を処理したため、翻訳修正のための追加指示は必要ありませんでした。

ChatGPT―――

 

ちなみに、人手翻訳の場合は以下のようになります。(見出しとして簡潔さを求めて「base image」の前の定冠詞を省略しています。)

人手翻訳Vector field (inflow) on base image

検証⑤:読みやすさのために品詞を工夫するのか

原文登録したプリセットに対して、編集、複製、削除、順序の入れ替えを行えます。
DeepLEdit, duplicate, delete, and reorder registered presets.
ChatGPTYou can edit, duplicate, delete, or reorder the registered presets.

 

DeepLは命令形の表現を生成しました。これ自体は誤りではありませんが、「行えます」という可能性を正確に伝えきれていない点が問題です。一方、ChatGPTの翻訳は「can」を用いて「行えます」の可能性を正しく反映しています。しかし、例③のように代名詞「you」を使用しているため、全体の表現がやや冗長になり、技術翻訳で好まれるスタイルとはやや異なっています。

この点を踏まえて、上記のChatGPTの翻訳結果に対し、次のような指示を入力してみました。

<「you」の使用は避けてください>

ChatGPTEditing, duplicating, deleting, and reordering of registered presets is supported.

 

これは確かに最初の訳より改善されています。しかし、このように4つの動名詞を並べると、主語が長くなりすぎて文全体のバランスが悪くなり、読みづらくなります。改善策の一つとして、「登録済みプリセット」を主語にし、SVO構文で文章を組み立てる方法があります。リライトすると、以下のようになります。

人手翻訳Registered presets can be edited, copied, deleted, or reordered.

6. まとめ

これらの評価結果を踏まえると、全体的にChatGPTの翻訳はDeepLよりも品質が優れていると感じました。ただし、ChatGPTにも改善の余地があり、例えばテクニカルライティングのルールに従って代名詞「you」の過剰使用を避ける必要があります。

ちなみに、ChatGPTは今回の検証のように文を個別に処理するのではなく、前後のセグメントも含めてまとめて翻訳することで、より自然で質の高い訳文を得られる可能性があります。

ChatGPTには、翻訳に対して具体的な指示を出せるという大きな利点があります。しかしその反面、希望する翻訳結果を得るためには、場合によって複数回にわたり指示を追加する必要があり、そのやり取りに時間がかかることもあります。その結果、大量の翻訳作業には向いていない場合もあります。また、文法や構成、形式に関するルールが多く、用語集の用語も多い作業にChatGPTを使用する場合は、ポストエディット作業に加え、品質保証やレビューが不可欠となります。

ヒューマンサイエンスでは人手翻訳サービスやポストエディットサービスを提供しております。ソフトウェア、製造業、IT、自動車、流通と幅広い分野の翻訳を手掛ける翻訳会社です。1994年から長きにわたり多くの企業様の翻訳のお手伝いをしてきました。以下のようなお悩みがあれば是非お気軽にご相談ください。

・翻訳に時間がかかりすぎる!
・品質が悪くクレームが多い!
・翻訳コストが高すぎる!
・日本語マニュアルが原因の問題が多い!
・海外の法律や規格がわからない!

 

関連サービス

翻訳サービス
ポストエディット代行・運用支援サービス
機械翻訳・自動翻訳

 

 

Office製品簡単翻訳ソフト「MTrans office」のご紹介

 

 

人気記事ランキング
カテゴリ

翻訳について
詳しく知りたい方

東京本社:03-5321-3111

受付時間 9:30~17:00

お問い合わせ・資料請求