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多言語組版ノート:句読点

多言語組版ノート:句読点

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気持ちはわかります。欧文タイプの経験がある人にとって、文末のスペース2度打ちを間違い呼ばわりされるのは違和感を覚えるでしょう。組版者としてはひと手間減るのでこの変化を歓迎したいところですが。

 

 


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良くない例

In the nineteenth century, which was a dark and inflationary age in typography and type design, many compositors were encouraged to stuff extra space between sentences.  Generations of twentieth-century typists were then taught to do the same, by hitting the spacebar twice after every period.  Your typing as well as your typesetting will benefit from unlearning this quaint Victorian habit.  As a general rule, no more than a single space is required after a period, a colon or any other mark of punctuation.  Larger spaces (e.g., en spaces) are themselves punctuation.

改善案

In the nineteenth century, which was a dark and inflationary age in typography and type design, many compositors were encouraged to stuff extra space between sentences. Generations of twentieth-century typists were then taught to do the same, by hitting the spacebar twice after every period. Your typing as well as your typesetting will benefit from unlearning this quaint Victorian habit. As a general rule, no more than a single space is required after a period, a colon or any other mark of punctuation. Larger spaces (e.g., en spaces) are themselves punctuation.

句読点の後ろのスペースは1つ

句読点は文の休止を示す記号です。「,」→「;」→「:」→「.」の順に区切りの度合いが強くなり、フルストップ(ピリオド)は句点です。直前の文字との間は空けません。後ろはスペース1つ分だけ空けます。ここでスペース2つ分以上空けてはいけません。なぜなら文末ごとに虫食い穴が開いたように見えて組版の質感が不均一になり、文章を読むリズムが乱れるからです。

 

19世紀の組版では文章間のスペースを大きくとっていました。20世紀のタイピストはスペースの2度打ちで同じことをしました。いずれも現代の組版とは相容れません。21世紀になってもスペース2度打ちのテキスト原稿に遭遇しますが、組版時は流し込みっぱなしにせずスペース1つに置き換えます。タイプライターの習慣と組版の規則は別物なのです。

 

河野さんが納得いっていないのは、欧文タイプを習ったことはあっても活字やDTPで組版をしたことはないからではないかと想像します。原稿の時点ではスペース2つでも特に問題はないのですが、組版の段階に移ったらスペース1つでご納得いただかなければなりません。

句読点は言語によって異なる

 

フランス語は英語と異なり、コロン・セミコロンの前にスペースが必要です。アラビア語のコンマとセミコロンは下ではなく上に撥ねます。日本語は「、/。」と思いがちですが、横書きで「,/.」または「,/。」とする場合もあります。同じ中国語でも大陸と台湾で句読点の位置が異なります。そしてタイ語などいくつかの言語では句読点そのものがありません。

おまけ:点線

 

目次・索引の項目と参照先を点線で結ぶ場合、中黒や3点リーダーは使いません。日本語の感覚だと文字の中央に点を打ちたくなりますが、欧文ではベースライン上に点を打ちます。このとき、点の密度が高いとうるさい感じになるので適度にばらけさせた方が良いでしょう。また、そもそも点線を使わなくても全然問題ありませんし、タブで揃えない組版もよく目にします。


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主な参考資料

Robert Bringhurst, The Elements of Typographic Style (4th ed.), 2012

小林章『欧文書体 その背景と使い方』美術出版社、2005

髙岡昌生『欧文組版 組版の基礎とマナー』美術出版社、2010

 

 

執筆者情報

石井 源太マルチリンガルトランスレーショングループ
DTPディレクター

  • ・前職ではアラビア語・タイ語・中国語などアジア言語のDTPを担当。製品カタログや取扱説明書の制作に従事。
  • ・現在は担当言語を欧文全般まで広げ、DTPに加えeラーニングの多言語ローカライズも担当している。
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