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AI翻訳で技術文書を英語にする際の注意点 |自然な英語にするコツ

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2025.11.26

AI翻訳で技術文書を英語にする際の注意点 |自然な英語にするコツ

近年、AI翻訳を活用して技術文書を日本語から英語に翻訳する ケースが増えています。
AI翻訳は便利で精度も高く、従来の機械翻訳よりも効率的に作業を進められるようになりました。
しかし、技術文書や技術資料を 日本語から英語へ翻訳する際には、いくつかの注意が必要です。

日本語の技術文書は「簡潔さ」を重視するあまり、主語や目的語が省略されがちです。
そのためAI翻訳では、必要な情報が抜け落ちたり、文脈に合わない内容が補われたりすることがあります。

また、AIが文書の種類や背景を正しく理解できない場合、英語では意味があいまいになったり、状況と一致しない表現になったりすることがあります。

本記事では、AI翻訳で特に起こりやすい「省略による誤訳」と「文脈認識の不足」の2つの問題を、例を挙げながら解説し、自然で正確な英訳に近づけるためのポイントを紹介します。

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目次

1. 技術文書の「省略」が生む英訳の落とし穴

日本語の技術文書では、簡潔さを重視するあまり主語や目的語が省略されることが少なくないため、そのままAI翻訳にかけると英語では意味があいまいになったり、場合によっては意味が通じなくなったりして、誤解や操作ミスにつながるおそれがあります。

AI翻訳は、前後の文脈や他のセグメントを参照して意味を補い、文章をより自然に整える点で、従来の機械翻訳よりも優れています。ただし、省略された対象があいまいだったり、文章の構成自体が複雑だったりする場合、誤った補い方をして不自然または不正確な英訳になることもあります。

ここでは、実際の例を用いて、AI翻訳で不明瞭になった箇所と、その改善方法をポストエディットの観点から紹介します。
※例文の翻訳には ChatGPT(GPT-5) を使用

具体例1

原文 黄色(ロック状態)のまま積載すると装置破損に繋がります。
AI翻訳 Loading while the indicator is yellow (locked) may cause damage to the equipment.
ポストエディットの結果 Loading the SE module while the status indicator is yellow (locked state) may cause equipment damage.

 

ポストエディットのポイント:
1. 原文では「何を積載するのか」が省略されていたため、AI翻訳では「Loading」としか訳されず、対象が不明確でした。意図を補って「SE module」を明示しました。(もちろん、複数の文をまとめてAI翻訳にかけ、対象文の前の部分に「SE module」に関する記述がある場合は、AIが文脈を正しく読み取り、適切に「SE module」を補う可能性もあります。)

2. AI翻訳は「indicator」と推測して補っていますが、正しくは「status indicator」(状態灯)であるため、適切な表現に修正しました。とはいえ、省略されているにもかかわらず文脈から「the indicator」と補う点は、AI翻訳の優れた推測力といえます。

具体例2

原文 装置状態:ブレーカーOFFにして始めてください。
AI翻訳 Equipment status: Make sure the breaker is OFF before starting the equipment.
ポストエディットの結果 Make sure the circuit breaker on the equipment is turned off before performing this procedure.

 

ポストエディットのポイント:
・原文の「装置状態:ブレーカーOFFにして」という、コロンを使った現場特有の簡略表現は、直訳でも意味はなんとなく通りますが、英語としては不自然です。ポストエディットでは、「装置の回路ブレーカーがOFFになっていることを確認する」という本来の指示内容を正確に表現しました。

AI翻訳の「before starting the equipment」は、「始めてください」を機器の起動と誤解しています。実際は「該当手順を始める前に」という意味なので、「before performing this procedure」と修正しました。

2. 「文脈」を読み取れないAIの弱点

AI翻訳は文字通りの処理を得意としますが、文脈や状況に応じた判断には限界があります。
次の例では、AI翻訳が文書の種類や用途を理解せず、原文をそのまま翻訳したケースを紹介します。
訳文自体は正確でも、実際の現場で使うには不自然で、読み手にとって分かりづらい表現になっています。

具体例(資料の種類:店舗スタッフ向けチェックリスト)

原文 商品が正しいカテゴリ・棚に陳列されていないか。
値札やタグの表記ミス・貼り間違いがないか。
商品の折り目やハンガー掛けが乱れていないか。
セール品・新商品・キャンペーン品の表示が間違っていないか。
在庫切れや欠品が発生していないか。
商品に汚れや傷が付いていないか。
AI翻訳 Are products displayed in the correct category and on the correct shelf?
Are there any price tag or label errors, or tags placed incorrectly?
Are the products properly folded and hung, without disarray?
Are sale items, new products, or promotional items displayed correctly?
Are there any stockouts or missing items?
Are the products free from dirt or damage?
ポストエディットの結果 Check that products are displayed in the correct category and on the correct shelf.
Check that price tags and labels are correct and properly placed.
Check that products are properly folded and hung without disarray.
Check that sale items, new products, and promotional items are displayed correctly.
Check that no items are out of stock or missing.
Check that products are free from dirt and damage.

 

ポストエディットのポイント:
原文が「~いないか」で終わる疑問文のため、AI翻訳も疑問形になっています。
しかし、この表現が使われている資料は店舗スタッフ向けのチェックリストであるため、疑問文にするよりも「Check that・・・」形式にする方が自然です。(※このようなチェックリスト文をAI翻訳する際は、事前に「チェックリスト文として、“Check that”の構文を使って翻訳してください」と指示しておくと、ポストエディットの手間を大幅に減らせます。)

また、場合によっては、このような疑問文の指示表現は誤解を招くおそれもあります。
たとえば、「Is the store door closed?」のようなチェック項目がある場合、「Yes(閉まっている)」はOKなのか、「No(開いている)」は閉めるべきなのか、正しい状態が明示されていないため混乱の原因になります。

そのため、チェックリストの英語では通常、「Check that・・・」や「Ensure that・・・」のように、望ましい状態を明確に示して指示する表現が推奨されます。

3. まとめ

AI翻訳は便利で効率的なツールですが、日本語から英語への技術文書をそのまま翻訳すると、上で挙げたような問題が生じることがあります。

AI技術の進歩によって翻訳品質は大きく向上していますが、依然としてポストエディットによって補うべき課題も多く、言語面だけでなく内容面も含めて丁寧に確認を行わずに翻訳を公開することには注意が必要です。

ヒューマンサイエンスでは人手翻訳サービスやポストエディットサービスを提供しております。ソフトウェア、製造業、IT、自動車、流通と幅広い分野の翻訳を手掛ける翻訳会社です。1994年から長きにわたり多くの企業様の翻訳のお手伝いをしてきました。以下のようなお悩みがあれば是非お気軽にご相談ください。
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