
- 目次
1. 生成AI × Wordで何ができる?
・文書の下書き作成
AIは会議資料、提案書、プレゼン資料、キャッチコピーなどの初稿を効率的に作成できます。ユーザーが主要なテーマや含めたい要点を指示するだけで、AIが構造化された文書の骨組みを自動生成します。例えば新製品の提案書を作成する場合、製品の特徴やターゲット市場を入力すれば、AIが導入部から結論までの流れを持つ文書を提案してくれます。これにより、アイデアを迅速に形にすることができます。
・文章のトーン・長さ調整、表変換
既存の文章を様々なトーンや長さに調整できる機能です。フォーマルなビジネス文書をよりカジュアルな表現に変換したり、専門的な内容を一般向けに噛み砕いたりすることが可能です。また、冗長な文章を簡潔にまとめたり、逆に要点だけの文章を詳細な説明に拡張したりすることもできます。文章のスタイルを読者層や目的に合わせて最適化できます。
・文章の校正
単なるスペルチェックや文法チェックを超えた高度な文章校正が可能です。AIは誤字脱字や文法的な間違いを検出するだけでなく、より自然で読みやすい表現への改善提案も行います。冗長な表現の指摘、同じ単語の繰り返しの回避、より適切な言い回しの提案など、文章全体の質を向上させます。また、特定の業界や文脈に適したチェックも行え、専門文書の品質向上にも貢献します。
・文章の要約
長文のレポート、記事、研究論文などを、核となる要点を維持しながら簡潔にまとめることができます。AIはテキスト内の重要情報を識別し、不要な詳細を省きながら本質的なメッセージを抽出します。要約の長さも「1段落以内」「3つの要点」「200字以内」など柔軟に指定でき、目的に応じた最適な要約が得られます。これは大量の情報を短時間で把握したい場合や、長文の内容を会議やプレゼンテーションで手短に共有したい場合に特に有用です。
・文章の翻訳
多言語間でのスムーズな翻訳が可能です。従来の機械翻訳と異なり、AIは文脈や専門分野を考慮した自然な翻訳を提供します。ビジネス文書、技術マニュアル、マーケティング資料など、業界特有の用語や表現も適切に翻訳できます。また、単純な言語変換だけでなく、翻訳先の文化的背景を考慮した表現の調整も行い、国際的なコミュニケーションの障壁を低減します。さらに、翻訳結果のトーンや専門性レベルも調整可能で、対象読者に最適化された翻訳文書を作成できます。
2. 生成AI × Wordの実現方法
2-1. Microsoft 365 Copilot
Microsoft 365 Copilotは、Microsoft 365アプリケーション全体に統合された生成AIアシスタントです。Wordでは文書作成、編集、要約、文体変更などを自動化できる強力なツールとなっています。文書の下書き作成や既存文書の要約・リライト、文体の変更(カジュアル/フォーマル/簡潔)など幅広く対応しています。使い方は非常に簡単で、Wordの右側にあるCopilotパネルを開き、自然言語でリクエストを入力するだけです。例えば「このドキュメントの要約を作成して」と入力すれば、AIが文書を分析して要約を生成します。生成された内容を確認し、必要に応じて編集したり文書に直接挿入したりすることができます。Copilotを利用するにはMicrosoft 365のライセンスに加えて、Microsoft 365 Copilotの追加ライセンスが必要です。
2-2. GPT for Excel Word
GPT for Excel Wordは、WordアドインとしてChatGPTを統合し、生成AI機能をWord内で直接利用できるようにするツールです。文書作成支援や翻訳、文法チェック、要約作成、文体変更など、多様な機能をWordの作業環境内で活用できます。
導入方法は、Wordの「ホーム」タブから「アドイン」を選択し、「GPT for Excel Word」をインストールするだけです。サイドパネル内で指示を入力するだけで、生成された内容を文書に反映させることができます。利用するには一定数のトークン数が含まれるパックを購入する必要があります。AIモデルによって消費トークン数が異なり、gpt-4oを利用する場合は29ドルで150万トークンまで利用できます。
2-3. MTrans for Office
MTrans for Office(エムトランス・フォー・オフィス)は、Word、Excel、PowerPoint、Outlookから利用できるAI執筆・翻訳アドインです。執筆と翻訳に特化したプロンプトが内蔵されており、ワンクリックで呼び出すことができます。独自プロンプトを登録することもできます。OpenAIの生成AIモデルのほかにDeepLやGoogleなどの翻訳サービスとも連携しています。翻訳に便利な用語集やファイル翻訳などの機能が搭載されています。利用にはサブスクリプションが必要です。
3. MTrans for Officeの使用例
MTrans for OfficeをインストールするとWordのリボンに「MTrans」タブと「MTrans AI」タブが追加されます。「MTrans AI」タブが執筆用、「MTrans」タブが翻訳用です。
3-1. 生成AIを利用して執筆する
「MTrans AI」タブをクリックして左端の「プロンプト」ボタンをクリックします。

サイドパネルが表示されたら、実行したいプロンプトをリストから選択して「実行」ボタンをクリックします。プロンプトの実行結果が表示されます。実行結果は本文に反映できます。

プロンプトリストには、下書き作成、要約、文章校正など、執筆に便利なプロンプトが内蔵されているほか、独自のプロンプトを登録することもできます。よく使うプロンプトをあらかじめ登録しておけば、クリックするだけでプロンプトを実行できます。
プロンプトをカスタマイズする際にはOpenAIのAIモデルを指定できるため、最新のGPTモデルであるGPT-4.1や、Reasoning(推論)モデルのo3、o4-miniも利用できます。独自のプロンプトと最新モデルを組み合わせることで、専門性の高いドキュメント作成がより効率的になります。
3-2. 生成AIを利用して翻訳する
「MTrans」タブの「翻訳設定」で翻訳言語を設定し、翻訳エンジンのリストから「OpenAI」を選択します。翻訳に使用される用語集を指定することもできます。

「高度なオプション」では翻訳分野を指定できます。分野を指定すると翻訳精度が向上します。独自のプロンプトを登録することで、翻訳エンジンをカスタマイズすることも可能です。

「パネル表示」ボタンをクリックすると画面の右側に翻訳パネルが表示されます。

翻訳パネルでは複数の翻訳サービスを使って翻訳することができます。上記のスクリーンショットではOpenAI、DeepL、Googleを使って同時に翻訳しています。翻訳者は訳文を比較して、最も適切な翻訳を選ぶことができます。
文書全体を一括で翻訳する場合は、リボンの「ファイル」ボタンをクリックします。翻訳が完了すると、原文文書と訳文文書が左右に並んで表示されるため、原文を参照しながら、訳文を確認・修正することができます。

3-3. 活用メリット
・セキュリティが安心
MTrans for Officeは、各社翻訳サービスの有料版APIに接続しており、入出力データがAIモデルの改善や新サービスの開発に利用されません。特にOpenAI社との契約ではゼロデータ保持(ZDR)が有効化されており、入出力データがOpenAI社サーバーに保持されません。そのため、機密情報や個人データが外部に漏れるリスクを大幅に軽減できます。
・執筆業務に最新のAIモデルを活用できる
OpenAI社は2025年4月にGPT-4.1、o3、o4-miniという最新モデルをリリースしましたが、MTrans for Officeではこれらのモデルを利用可能です。最新AIモデルを活用して執筆業務の効率と品質を向上させることができます。
・より精度の高い翻訳機能を利用できる
最新の生成AIモデルを利用することで、文脈を理解し、より自然で正確な翻訳が可能になります。専門用語やニュアンスも適切に反映されるため、ビジネスや学術的な用途に最適です。GPT-4.1の翻訳精度については以下のブログ記事をご覧ください。
【関連ブログ】
OpenAI新モデルGPT-4.1の翻訳精度は?DeepLと比較検証!
・複数の翻訳エンジンを利用して翻訳できる
OpenAI、DeepL、Google、Microsoft各社の翻訳エンジンを利用できます。複数のエンジンを活用することで、ニーズに応じた翻訳を実現します。異なるエンジンの強みを活かし、幅広い言語ペアや専門分野に対応可能です。
4. まとめ
この記事では生成AIをWordで活用する方法として、Microsoft 365 Copilot、GPT for Excel Word、MTrans for Officeの3つのツールを紹介しました。これらのツールは、文書の下書き作成、トーンや長さの調整、校正、要約、翻訳などを効率的に行うことができ、特にMTrans for Officeは複数の翻訳エンジンを利用して高精度な翻訳を提供します。MTrans for Officeはセキュリティ面でも優れており、情報流出のリスクを軽減しながら、OpenAIの最新AIを活用できます。
弊社ではOpenAI APIと連携した自動翻訳製品MTrans for Office(エムトランス・フォー・オフィス)を提供しています。API経由で利用するため、情報流出のリスクなくOpenAIの生成AIを活用いただけます。MTrans for Officeを利用すれば、ワード、エクセル、パワーポイント、アウトルックからワンクリックでOpenAIを呼び出して、文章を校正するだけでなく、翻訳したり、英文メールを書き起こしたりすることができます。独自のプロンプトを作成することも可能です。14日間の無料トライアルで、品質と使い勝手をお試しください。
MTrans for Officeの特長
- ① 翻訳できるファイル数、用語集に制限はなく定額制
- ② Office製品からワンクリックで翻訳できる!
- ③ API接続でセキュリティ面も安心
・さらに強化したいお客様にはSSO、IP制限などもご提供 - ④ 日本企業による日本語でのサポート
・セキュリティチェックシートへの対応も可能
・銀行振込でのお支払いが利用可能