
- 目次
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- 1.ChatGPTとは?
- 2.ChatGPTで文章校正を行う方法
- 2-1.ChatGPTのサイトにアクセスしてログインする
- 2-2.テキストボックスにプロンプトを入力
- 2-3.出力文の確認
- 2-4.提案を受けて文章修正
- 2-5.2~4の繰り返し
- 3.ChatGPTで文章校正を行う際のプロンプト例
- 3-1.プロンプト例1:文法上の誤りを直したいとき
- 3-2.プロンプト例2:誤字脱字、スペルミスなどを見つけたいとき
- 3-3.プロンプト例3:不自然な日本語を見つけたいとき
- 3-4.プロンプト例4:論理的に整合性はとれているかを確認したいとき
- 3-5.プロンプト例5:用語統一や表記ルールを統一したいとき
- 3-6.プロンプト例6:読みやすさを向上させたいとき
- 4.ChatGPTで文章校正を行うメリット
- 5.MTrans for OfficeでChatGPTによる文章校正を行う方法
- 6.ChatGPTのセキュリティについて
- 7.まとめ
1. ChatGPTとは?

ChatGPTは、OpenAI社が2022年にリリースしたAIチャットサービスです。人工知能を活用した大規模言語処理モデル(Large Language Model、LLM)が使用されており、あたかも人間のように受け答えできることが特徴です。類似サービスには、Anthropic社のClaude、Google社のGemini、Microsoft社のCopilotがあります。指示内容(プロンプトと呼ばれます)に応じて、人間相手のような会話をしたり、メールやブログ、シナリオを作成したり、アイデアを創出したり、長い文章を要約したり、自動翻訳したりすることができます。また、さまざまなプログラミング言語を使ったプログラム作成や、エクセルの数式や関数を書かせることもできます。
ChatGPTは文書校正の機能も備えており、文章の質を向上させることができます。自然言語処理(NLP)技術を活用して膨大な文章を学習しているため、文法や構造を理解し、文法的な誤りを検出・修正することが可能です。また、適切な表現の提案も行うことができ、文脈を考慮した添削や適切な言葉選定が可能です。さらに、さまざまな文体に対応できるため、ビジネス文書からカジュアルな文章まで、幅広いスタイルの文書校正に対応します。
2. ChatGPTで文章校正を行う方法

2-1. ChatGPTのサイトにアクセスしてログインする
まず、ウェブブラウザでChatGPTの公式サイト(https://chatgpt.com/)にアクセスします。アカウントを作成済みの方はメールアドレスとパスワードを入力してログインしてください。アカウントがない場合は新規登録を行い、必要な情報を入力してアカウントを作成します。ログイン後は自動的にChatGPTのインターフェースが表示されますので、チャット画面が開いていることを確認しましょう。なお、アカウントを作成せずに使用することもできますが、機能が制限されるため、アカウントを作成することをお勧めします。
2-2. テキストボックスにプロンプトを入力
画面下部にあるテキストボックスに校正したい文章を入力します。より効果的な校正を受けるためには、できるだけ明確な指示を添えると良いでしょう。また、より具体的な目的(例:「ビジネスメール向けに改善する」「学術論文の形式に合わせる」など)に合わせた校正を希望する場合は、その旨も記載すると効果的です。入力が完了したら、送信ボタンをクリックするか、Enterキーを押して送信します。
2-3. 出力文の確認
ChatGPTが校正結果を出力するまで少し待ちます。出力された内容には、文法や表現の誤りの指摘、代替表現の提案、全体的な文章構造に関するアドバイスなどが含まれていることがあります。ChatGPTの回答をじっくりと読み、提案された修正点を理解しましょう。特に重要な修正点や理解しにくい部分があれば、メモしておくと良いでしょう。
2-4. 提案を受けて文章修正
ChatGPTからの提案を基に、元の文章を修正します。すべての提案を盲目的に受け入れるのではなく、自分の意図や文脈に合っているかを判断しながら修正を行うことが大切です。修正する際は、別のテキストエディタなどを使って文章を編集し、必要に応じて段階的に修正を加えていきましょう。修正した文章に違和感がないか、意図が正確に伝わるかを確認します。特に重要な文書の場合は、修正後の文章を声に出して読んでみると、リズムや自然さを確認しやすくなります。
2-5. 2~4の繰り返し
修正した文章に対してさらに校正が必要な場合や、特定の部分について詳細なアドバイスが欲しい場合は、再度ChatGPTに質問することができます。できるだけ具体的な指示を与えると効果的です。このプロセスを繰り返すことで、徐々に文章の質を高めていくことができます。何度かのやり取りを通じて、自分の書き方の癖や改善すべきポイントにも気づくことができるでしょう。最終的に満足のいく文章になったら、校正プロセスは完了です。
3. ChatGPTで文章校正を行う際のプロンプト例

ChatGPTで文章校正するときのプロンプト例を以下に示します。
3-1. プロンプト例1:文法上の誤りを直したいとき
以下の文章の文法上の誤りを全て指摘し、修正例を示してください。特に助詞の使い方、時制の一貫性、敬語の使用、主語と述語の対応関係などに注目して確認してください。
【文章】
[ここに文章を貼り付け]
3-2. プロンプト例2:誤字脱字、スペルミスなどを見つけたいとき
以下の文章にある誤字脱字、スペルミス、変換ミスをすべて特定してください。
修正箇所と修正内容を一覧形式で示し、その後、完全に修正された文章を提示してください。
【文章】
[ここに文章を貼り付け]
3-3. プロンプト例3:不自然な日本語を見つけたいとき
以下の文章から不自然な日本語表現をすべて見つけ出してください。
外国語からの直訳調、不適切な言い回し、違和感のある表現に特に注意して指摘してください。
各問題点について、なぜ不自然に感じるのか説明し、より自然な日本語表現に修正してください。
【文章】
[ここに文章を貼り付け]
3-4. プロンプト例4:論理的に整合性はとれているかを確認したいとき
以下の文章の論理的整合性を詳細にチェックしてください。以下の点を評価してください。
1. 前提と結論の整合性
2. 論理の飛躍や矛盾している箇所
3. 因果関係の説明が不十分な箇所
4. 根拠が不明確または不足している主張
問題点を箇条書きで指摘し、それぞれについて具体的な改善案を提示してください。
【文章】
[ここに文章を貼り付け]
3-5. プロンプト例5:用語統一や表記ルールを統一したいとき
以下の文章における用語と表記の一貫性をチェックしてください。
特に以下の点に注意して、不統一な箇所を指摘し、統一案を提示してください。
1. カタカナ語・外来語の表記
2. 専門用語の使用
3. 数字の表記(漢数字と算用数字)
4. 日付や時間の表記
5. 略語と正式名称の混在
また、以下の用語ルールに従って修正してください:
[必要であれば、特定の用語ルールをここに記載]
【文章】
[ここに文章を貼り付け]
3-6. プロンプト例6:読みやすさを向上させたいとき
以下の文章の読みやすさを向上させるための改善点を指摘してください。
具体的に以下の観点から評価し、修正案を示してください:
1. 一文の長さ(長すぎる文を分割する)
2. 段落構成と適切な改行
3. 接続詞の適切な使用
4. 重複表現や冗長な説明の削減
5. 適切な見出しやリスト形式の活用提案
6. 専門用語の説明や言い換え
修正後の文章も完全な形で提示してください。
【文章】
[ここに文章を貼り付け]
4. ChatGPTで文章校正を行うメリット

業務効率化・スピードアップ
ChatGPTを活用した文章校正は、従来の人による校正作業と比較して大幅な時間短縮が可能です。長文であっても数秒で文法ミスや表現の不自然さを指摘できるため、締め切りの厳しい業務環境において貴重な時間を節約できます。また、複数の文書を並行して処理できるため、校正作業のボトルネックを解消し、全体的な業務フローを効率化できます。
人力校正によるヒューマンエラーの削減
人間による校正では見落としが生じやすい細かな誤字脱字や句読点の使用ミス、一貫性のない表現などを漏れなく検出できます。特に長時間の校正作業による疲労で生じるヒューマンエラーの影響を受けないため、文書全体を通して一定品質の校正が可能です。また、同じ種類のミスを繰り返し指摘することも疲れ知らずに行えます。
多言語での文章校正が可能
ChatGPTは多言語に対応しているため、英語、中国語、フランス語など様々な言語での文章校正が可能です。グローバルなコミュニケーションが求められる現代のビジネス環境において、社内に多言語の専門校正者を抱えることなく、国際的な文書のクオリティを向上させることができます。言語間の微妙なニュアンスや文化的背景も考慮した校正が可能です。
社員の校正力向上
ChatGPTは単に誤りを指摘するだけでなく、なぜその表現が適切でないのか、どのように改善できるのかという具体的な説明を提供します。これにより、社員は文章校正のプロセスを通じて日本語(または他言語)の運用能力を向上させることができます。繰り返し使用することで、自分の文章における傾向や癖を認識し、より質の高い文章を書く能力を養うことができます。
独自の執筆ルールのチェック
企業独自の執筆ルールがある場合は、そのルールをプロンプトに含めることでChatGPTがチェックしてくれます。たとえば、特定の用語の使用制限や文体のガイドラインがある場合、それを明示的にプロンプトに記載することで、ChatGPTがそれに従って文章を校正します。これにより、企業のブランドイメージやメッセージを一貫して伝えることが可能になります。
5. MTrans for OfficeでChatGPTによる文章校正を行う方法
MTrans for Officeは、Microsoft Office製品(Word、Excel、PowerPoint、Outlook)に統合された便利なソフトウェアで、ユーザーはワンクリックでChatGPTの生成AIモデルを呼び出すことができます。
以下のスクリーンショットはWordで文章校正を実行した例です。画面の右側に実行結果が表示されています。

MTrans for Officeには、文章校正のほかに、執筆支援、翻訳、英文メールの書き起こしなど、さまざまなプロンプトが内蔵されています。既存のプロンプトをカスタマイズすることも、独自のプロンプトを新規に登録することもできるため、業務のニーズに応じて執筆ルールや指示を追加できます。登録したプロンプトは、ワンクリックで呼び出せるほか、自動実行を設定すれば、カーソル移動や文章入力のタイミングで、自動的にプロンプトが実行されます。
6. ChatGPTのセキュリティについて
デフォルトでは入力したデータがモデルの改善に使用されます。使用されないようにするには、ウェブブラウザで https://chat.openai.com/#settings/DataControls にアクセスし、「すべての人のためにモデルを改善する」→「すべての人のためにモデルを改善する」のトグルスイッチをオフにしてください。

ChatGPTをAPI経由で利用する場合は、以下の記述のとおり、データはトレーニングに使用されません。つまり、ソフトウェアやツールがAPIと連携している場合、そのソフトウェアやツールからChatGPTの翻訳機能を利用すればデータの機密が確実に保持されることになります。

7. まとめ
ChatGPTを活用した文章校正は、業務効率化やヒューマンエラーの削減、多言語対応による国際的な文書品質の向上、社員の校正力向上など多くのメリットがあります。ただし、データの取り扱いやリスクについては注意が必要です。MTrans for Officeのようなツールを使えば、データの機密性を確保しながら、Microsoft Office製品から簡単にChatGPTの機能を利用できます。
弊社ではOpenAI APIと連携した自動翻訳製品MTrans for Office(エムトランス・フォー・オフィス)を提供しています。API経由で利用するため、情報流出のリスクなくChatGPTの校正機能を活用いただけます。MTrans for Officeを利用すれば、ワード、エクセル、パワーポイント、アウトルックからワンクリックでOpenAIを呼び出して、文章を校正するだけでなく、翻訳したり、英文メールを書き起こしたりすることができます。独自のプロンプトを作成することも可能です。14日間の無料トライアルで、品質と使い勝手をお試しください。