ヒューマンサイエンスは、Tradosでのポストエディット作業の支援に特化した新製品「MTrans Post-Edit Booster(以下「PE Booster」)」をリリースしました。
PE Boosterは、ユーザーが簡単かつ自由に設定できる自動置換ソリューションです。機械翻訳で頻出する誤った表記とその修正内容を定義できます。
このことにより、ポストエディット時に同じエラーを何度も修正するという煩わしい作業が少なくなるので、ポストエディターは気持ちよく作業を進められるようになります。
PE Boosterの紹介ページや前回のブログ記事では英語から日本語への翻訳時によく起こるエラーを例として取り上げていますが、日本語から英語への翻訳にもPE Boosterが役立ちます。
この記事では、日英翻訳でのPE Boosterの活用方法をご紹介いたします。
- 目次:
1. MTrans Post-Edit Booster活用の3つのポイント
1. 英文法の誤りをスマートに修正
Google翻訳では、とても高い確率で「~できません」が「can not」と翻訳されます。
上記の例文の場合、「can not」は文法的に誤りで、正しくは「cannot」になります。
●検索文字列: can not
●置換文字列: cannot
と定義しておくことで、同じ修正を何度も行わなくてすむようになります。
2. URLやパス内の不要なスペースを削除
リンクになるURLやパスに不要なスペースが入ってしまうと、リンクが機能しなくなります。
上記の例文の場合、通常のGoogle翻訳の訳文にはバックスラッシュの前後に不要なスペースが6個入っています。つまり、ポストエディット時に6個のスペースを削除する必要があります。
この1文だけであればよいですが、場合によってはURLやパスが何度も出てくるコンテンツもあります。スペースを消している間に、必要な文字を消してしまう可能性もあります。
●検索文字列: *\\ *
●置換文字列: \
このように定義すると、バックスラッシュ前後のスペースが常に削除されます。
PE Boosterでは正規表現での検索と置換も可能なので、柔軟な設定が可能になります。
3. よく誤って訳されてしまう固有名詞を置き換え
会社によっては、英語の社名表記に大文字小文字のルール(例:英語の社名はすべて大文字)が適用されている場合があります。
この場合は、
●検索文字列: Human Science
●置換文字列: HUMAN SCIENCE
と設定しておくと、常に大文字で表記されるようになります。
また、製品名がカタカナで表記されていると、訳文で期待している語句が適用されない場合があります。たとえば、2番目の例文の「PE booster」の場合、「b」を大文字に表記させたいとします。
●検索文字列: PE booster
●置換文字列: PE Booster
と設定することで、常に正しい英語製品名で表記されるようになります。
さらに、機械翻訳では、一般的に使われている語句やフレーズに一般的な翻訳が当てられます。たとえば、社内での「営業部」の英語名称が「business development department」だとします。Google翻訳では、ほとんどの場合、「営業部」が「sales department」と訳出されます。
●検索文字列: sales (department|dept)
●置換文字列: business development department
このように定義しておくことで、「営業部」が機械翻訳によって「sales department」や「sales dept」と誤って訳されてしまったとしても、正式の英語の部署名で表記されるようになります。
2. PE Boosterの設定ファイルをメンバーと共有できるので共同作業もバッチリ!
以上、活用例として3つのポイントを上げてみました。
PE Boosterでは、ユーザーが検索対象の文字列とその置換文字列を自由に設定できます。また、正規表現も使えます。そのため、気になるエラーが目についたら、柔軟に設定を変えられます。
さらに、設定の内容をエクスポート/インポートできるので、チーム内で置換設定ファイルを共有することができます。このことにより、チーム全体の負荷の軽減や、表現の統一を見込めるようになります。
Tradosをお使いで、ポストエディット時にお悩みをお持ちの方や、これから機械翻訳を導入してみたいとお考えの方は、MTrans Post-Edit Boosterをぜひご検討ください。
MTrans Post-Edit Boosterの詳細についてはこちらをご覧ください。
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