【報告】TCシンポジウム2016(京都開催)で発表しました
2016年10月7日(金)、TCシンポジウム2016京都で
「日英翻訳でも機械翻訳は使える!~事例からわかる日英機械翻訳活用のポイント~」
というテーマで発表いたしました。
8月のTCシンポジウム東京で発表した際に行ったアンケート調査で、
「原文改善にかかる費用も含めたコスト削減効果が知りたい」という声を多くいただいた事を受け、
京都の発表では、コスト削減効果をより詳しくご紹介しました。
今回の記事では、発表ではお伝えしきれなかったポイントも含めながら、
そちらの内容を少しだけご紹介いたします。
※TCシンポジウム東京の発表内容はこちらから
http://www.science.co.jp/mt/notification/blog37.html
今回発表したプロジェクトは、日本語の書き方がひとつのネックとなり、
機械翻訳の訳文品質が悪くなってしまっていました。
そこで、弊社では、必要以上に長い文や、曖昧な書き方がされている文などを書き換え、
機械翻訳に適した文体に改善しました。
そうすると、機械翻訳後の訳文の品質は大きく向上し、
その後の修正作業(ポストエディット)にかかる工数が削減されたことで、
15% ものコスト削減に成功しました!
ご注目いただきたいのは、この「15%」という削減率は、
原文改善にかかった費用も含まれている、という点です。
日本語は機械翻訳には向かない言語であり、
却ってポストエディットにコストがかかってしまう、と思われがちですが、
書き方を工夫することで、このように、コスト面においても
実用レベルに達する訳文を出力することは十分に可能です。
とはいえ、原文改善となると、機械翻訳のための準備作業というイメージが強く、
そこにコストを割くことに抵抗のある方もいらっしゃいます。
お時間の関係で、発表内では詳しくご説明できなかったのですが、
この「原文改善にかかる費用」は、運用方法を工夫することでコスト削減が十分に可能です。
たとえば、一度原文をリライトしたドキュメントについては、
どのような観点でリライトしたのかをガイドラインとしてまとめておくことをお勧めしています。
そうすれば、次に同様のドキュメントを作成する際には、
原文を執筆する段階から機械翻訳に適した文体で書くことが可能だからです。
つまり、実質、原文を改善するという手間を別途かける必要がなくなるのですね。
頻繁にアップデートされる製品のマニュアルなどのように、
改訂が多いドキュメントの場合はこの方法が特に有効です。
ヒューマンサイエンスでは、このように機械翻訳の前後の工程の運用も含めて
プロジェクトに適したご提案をさせていただいております。
気になられる点がございましたら、ぜひお声かけくださいませ。
ブログ執筆担当
・ローカリゼーションスペシャリストとして、
日本語版から英語版、多言語版までの翻訳プロジェクトに携わる。
・機械翻訳の導入や複数のエンジンの品質評価・検証、
エンジンベンダーとの情報交換などを担当
・企業に向けた英文品質の標準化やスタイルガイドの作成に携わり、
機械翻訳しやすい原文の調査・検証も実施。
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▼詳しくはこちらのブログ記事をご覧ください。
http://www.science.co.jp/mt/notification/blog30.html
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